
|
|
-
マチュ・デュマルシュ
VdTフランセーズ「キュヴェ・レオン」(2008
-
-
●「キュヴェの名『レオン』はフランスの昔の人に良くあった名前で、音の響きがこのワインに合っていることから名付けたそうだ」と資料には書いてありますが・・・セラファンもそうだったよな・・・ではなぜ「ブタちゃん」なんだ?夏前の試飲会では「ちょっとイイんじゃない」でしたが、殆ど「ひやおろし」状態で「かなり良いんじゃない」となりましたのでご紹介させていただきます!!
●なかなかセンスの良い「セラファン」のラベルに引かれて前回入れてみましたが、その間彼のワインの評判はフランスでもなかなかのもののようです。試飲コメント前にインポーターの村木君のレポートです。
「朴訥で、話す時の視線の奥にどこか強い意志を伴った眼光の鋭さを感じる、若干 29 歳の若きビニョロン、マチュ・デュマルシェ。彼と初めて出会ったのは 2007 年、モンペリエの郊外で開かれた自然派ワインのサロンだった。何となく目を引くポップでセンスのある彼のワインラベルに惹かれて、ワインを何となく試飲してみた。これが久しぶりにピンと来るインパクトのあるワインだった!ボリュームある南のワインでありながら繊細さも兼ねている…。さっそく彼にいろいろと質問をぶつけてみた。彼曰く「確かに、私は南にいながらブルゴーニュ等に見られるワインのエレガントさというものを常に模索している。なぜなら、個人的にも繊細なワインが好きだから」とのこと。
彼は、尊敬するつくり手にマルセル・ラピエール、ジャン・フォイヤール、ジャン・ルイ・シャーヴ、ジャン・バティスト・セナを挙げる。いずれも繊細なワインを生み出すすばらしいつくり手たちだ。彼のすごいところは、ワイナリー立ち上げの最初のミレジムで、みごと南の力強いワインの中に繊細さやエレガントさを残すことに成功しているところだ!実際、フランスのワイン雑誌RVF やガイド本 Les meilleur Vins de France から
「グラムノンの再来か!?」ともてはやされるほど高い評価を受けている。まさに新星にして注目に値するビニョロンなのだ!
彼がワインに興味を持ち始めたのは、モンペリエの学校で食品科学を学んでいた時だった。もともとはビオロジックの農作物全般を学びたいというきっかけで選んだ学校。学ぶ過程のなかで、果実であるブドウが醗酵により全く違う新しいものに変化する「ワイン」というものに面白さを見出し、次第に没頭していく。
学校卒業後、すぐにラングドックのあるワイン農協で醸造を担当し、晴れて本格的なワインづくりのスタートを切った。…たが、実際の仕事は彼の目指すものではなかった。テクノロジーを駆使し、ワインをコカコーラのようにつくる毎日。給料は良かったが、彼はテロワールを無視したそのワインづくりに失望した。その後、お金が貯まるたびに海外に旅立つようになるが、当時は「海外にこそ何か自分のつくりたいワインがある!」と彼は本気で思っていたようだ。でも実際、彼の伝手で働いた場所はどこも大手の企業のワイナリーばかりで、結果的にはフランスでやっていたこととそう変わりはなかった。唯一海外に出てニュージーランドの大自然に触れたこと以外は、ことごとく期待を裏切られるマチュ…。
「そんな彼に転機が訪れるのは、2003 年ジャン・バティスト・セナとの出会いからだ。ジャン・バティストの自然派ワインに対する哲学、丁寧な仕事ぶりに大きく感銘を受けたマチュ。「自分の本当につくりたいワインはここにある!」と彼は思った。6 ヶ月間ジャン・バティストの下で働き、自然派ワインの流儀を徹底的に学んだ。そして、2006 年、念願のワイナリーを立ち上げる。
「ワインをつくるに当たり、彼は自分自身にあるテーマを課す。それは『エレガントなワイン』というテーマだ。「南は北と比べて気温は高いし日照量が圧倒的に違う。放って置いてもブドウは熟す。だから南のブドウに大切なのは、糖分の高さよりもむしろ酸。北のワインづくりの逆の発想で試行錯誤していかないと、ただ単にアルコールの高い平坦なワインが出来上がってしまう…」彼は自分のテーマがはっきりしているので、まわりから何を言われようと決して焦点はずれない。ひたすらエレガントなワインを実現するために何をすべきかを考える。たとえば、彼は収穫のタイミングにもとても気を使う。ブドウは青過ぎず熟しすぎず…。常に、いかに上手に酸を残すかを考える。「ただ酸があるだけでもダメだ。一番大切なことは、酸を残しつつブドウも中身がしっかりと伴わないといけない!」彼 が畑をしっかり耕すのも、有機栽培にこだわるのも、それによってブドウに何らかの+αの美味しさが加わると信じているからだ。将来的に、彼はブドウの質をさらに上げるためにビオディナミにも挑戦したいと思っている。
ひとつのことを追求することで進化するマチュ・デュマルシェ。「 エレガントの追求なのにあえてなぜ南仏なのか?」と彼に質問したら、こんな答えが返ってきた。「 なぜかって?…それは個人的に寒いところが苦手だからさ!」朴訥ながらお茶目な性格も兼ね備えている♪これからも目の離せない一押しのビニョロンだ!
●確か、グルナッシュとシラーと50:50のブレンドだったかな〜と思い出しつつ飲んでみました。色もローヌ系のものとしては薄い。アルコール度数も安心な12度。幾分ガスも残っているんでしょうか?香りは至って穏やかながら・・・飲んでみると、エレガント〜な広がりがあります。実際ガスは殆ど残っていませんが、雰囲気にその名残が感じられます。ま、ガスはさておきオイシイです。
●上のレポートにもあるように酸の際立った味わい。果実味(確かに若々しいフランボワーズとかそう言った感触は充分にあるのだけれど)と言うよりも、その(落ち着きある)酸のバランスが実に複雑な旨味を伴った構成の上に成り立っている。ブルゴーニュとは言えないけれど、極めてブルゴーニュ的なローヌワインであることは確かだな・・・(ちょっと寝かせてみたい気もする)。最近思うんですけど、やはりこうした酸を大切にするローヌ物多くなりましね。しかもそうしたワインを作っているのは比較的若い人たち。発酵により作られる酸よりも、ブドウ由来の酸をどうして活かしていくのか?ワイン造りはブドウ作りから始まる・・改めて感じさせてくれる一本です。(最近知ったのですが旨味の元の一つとなる呈味性ヌクレオチド(酵母の菌体から漏れる)はブドウ果由来のリンゴ酸やクエン酸の存在でよりその効果を増す、らしいです・・・2009.08.20 いのまた)
|
|
|