2011年7月9日の日記


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2011年7月9日の日記

熨斗紙にお書き致しました文字につきまして、メールをいただきました。
 
「木偏 はハネないものだが、送って貰った画像はハネているので、書き直して欲しい」
 
という趣旨のものでした。
 
熨斗紙の画像はこちらです。
 
榊原
 
学校の国語の教師の中には「木偏はハネてはいけない」と教える方がいるようですね。
 
現在一般的に使われている「明朝体」の活字の木偏はハネていません。
 
だから「ハネてはいけない」というのです。
 
ですが、まず基本的に「活字体」と「書写体」とは別のものだと国語の先生が知らないのですね。
 
漢字の活字は中国宋代に完成しました、「宋朝体」を嚆矢とします。
 
「宋朝体」のもとになったのは、初唐の書家で楷書を極限まで磨き上げた「欧陽詢」と
 
中唐の書家「顔真卿」の書です。
 
顔真卿は「横画」を細く、「縦画」を太く書き、楷書に規則性をもたせました。
 
「宋朝体」では、木偏はハネています。
 
明時代に作られた「明朝体」では、本来右上がりの「横画」を水平にして、
 
なんとも平板で味気ない活字になりました。
 
「宋朝体」はいきいきしていますが、「明朝体」はひたすら整然としているのみ。
 
しかし当時の「明朝活字」の木偏はハネています。
 
金属活字ができあがると、「書写体」と「活字体」の乖離は甚だしくなってしまいました。
 
さらに現代のパソコンでは「MS明朝体」などが主流になって、
 
これが正しい文字だと認識されていますが、
 
書家の端くれといたしましては、はなはだ憂慮すべき事態、
 
本当に困った現象なのです。
 
 2011年7月9日記

 
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