シングルスーツといいますと、ジャケットとパンツの組み合わせ(ツーピース)をイメージされると思いますが、本当は、
ベスト付き(スリーピース)がシングルスーツの正しいスタイルです。
ベストのついた三つ揃えスリーピーススーツとは、19世紀半ば過ぎに英国で誕生した現代のスーツの原型である
「ラウンジスーツ」としての思想が盛り込まれています。 ラウンジスーツとは、話合いの場で着用する地味な色をした共布の3つ揃いのスーツのことを言います。
現代のベストとは、もともとアフターウエアーとインナーとして用いられた、伝統を持つ珍しい服であり、ラウンジスーツが
伝統に則って作られたからこそ、スリーピースの形が受け継がれてきました。
そこにベストの正当性があり、正当性とはフォーマル性、フォーマル性とは人前でその姿を(上衣を脱いだベスト姿)が
許容されることを意味します。
ベストについて大事なことは、ワイシャツはもともと下着で、だから人前では、非礼に当たります。
そこで上着(ジャケット)を脱いだ時はベストを着用することが、大事になります。
ラウンジスーツ(フォーマル)の英国の歴史と伝統をたどれば、カタチこそ違い現代のシングルスーツには、
ベストは不可欠な要素だと思います。
スリーピースを着用される場合いは、フォーマルの席ではもちろんのこと長くなると思われる大事なミーティングで
上着(ジャケット)を脱ぐ場面を想定し、ツーピースの場合は、上衣を脱がないだろうという前提で身につけることが
よろしいと思います。
現代のように服装がごちゃごちゃの時代では分からないですが、ツーピースかスリーピースかという二者選択の時代は、
スリーピース姿であること、言葉を換えれば、シャツとジャケットの下に1枚余分な衣服を挟むことが、ある種のスティタス
につながると思います。