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日本屈指の名杜氏と呼ばれる「農口尚彦」氏は、 昭和24年静岡県・三重県の酒蔵を振り出しに、 親子三代にわたる杜氏一家として昭和38年に 銘酒を醸す蔵として名高い「菊姫」の蔵元に杜氏として就任しました。
その後、「菊姫」で36年間勤務し平成10年春、満65歳の定年を迎えるまで、 酒造り56年の熟達者として輝かしい実績を残したのです。
「菊姫」を日本を代表する銘酒に育て上げたことはもちろんのこと、中でも全国清酒鑑評会において、連続12回、通算24回の金賞受賞に輝き、古今類例を見ない栄誉を受け、他の追随を許さない酒造りの名人として広く知られることとなったのです。
「菊姫」での定年退職後、農口尚彦氏の人柄をよく知る石川県の南加賀に位置する「常きげん」蔵元の鹿野酒造合資会社 代表鹿野頼宣氏は、「年齢に定年はあっても技術に定年はないはず」と農口杜氏の第一線引退を惜しみ、固辞する氏に説得を続け、復帰することを約して平成10年秋より鹿野酒造合資会社に着任しました。
特に、農口杜氏の得意技である山廃仕込みは、青年期に老丹波杜氏より伝授された技術で、無形文化財に値する秘伝です。
今後、日本酒文化の伝承と後継者育成も含めて、農口杜氏の技術は、21世紀に引継ぎ、未来永劫にわたり伝えるべき日本の酒文化であると期待されています。
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