| NHKさんや関西の民放テレビ各局さん、それに食の雑誌等でもう何回も取り上げていただきご存知の方もおられるかと思いますが、蘇とは日本における古代乳製品で、牛乳をゆっくりと煮詰めたチーズの仲間ともいうべき食べ物です。そのルーツはシルクロードをさかのぼりお釈迦様がおられたインドに至ります。
飛鳥時代に渡来人が大陸文化を大量に持ち込みましたが、その中に《蘇》の文化もありました。 古文書『延喜式』や長屋王家の木簡などに蘇が作られた記録があり、歴史の教科書にでてきそうな貴族や高級官僚のみに口にできたもので、嗜好品としてまた、美容・滋養の効果を期待して食されたらしいのです。
西井牧場が“飛鳥の蘇”の製造販売を手がけたのは、今から15年前になります。そのキッカケは、当時、飛鳥資料館の「万葉の衣食住展」のなかで古代食を復元するということなので、牛乳を無償提供したことに遡ります。この頃は牛乳がだぶついており、チーズ作りでも始めようと思っていたところ、蘇の復元をみ「これだ!やって見よう」ということになりました。
 | さっそく、ねり飴用の手打ち釜を特注し、押し寿司用の木箱や冷蔵庫をそろえ、製造に取り掛かりました。一言で「牛乳を煮詰めて冷し固めたもの」と言っても、良いものを作るとなると大変だったようです。釜で攪拌しながら強すぎず、弱すぎず、じっくり加熱し、煮詰まっていく牛乳の色だけが頼りとなります。経験だけがものをいう火加減が必要となります。正に手作りの職人の領域です。ベテランとなった今でも、時には失敗することがあるそうです。 |
|