■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

宮本さん「今日はボルドーワインの赤なんですが、今年になってやっと飲み頃を迎えたワインですよね?」
西浦「そうなんです。我々も若い頃にワインを買って、飲み頃になってから出すということをずっとやってる
んですけど、このワインだけは往生しましたね。なかなか飲み頃にならない、もうどうしようかなあ、と思いま
した。飲み頃というのは酸とタンニンの二つが赤ワインの味の個性を決定つける大きな要素なんですね。」
宮本さん「赤ワインの要素は酸とタンニン。」
西浦「若い頃っていうのは、はっきり分かれたところにあって、存在がはっきりしてるんですね。それが年月を
経て熟成していくと絡み合ってだんだんマイルドになって舌にやさしいワインになって、酸とタンニンがわか
らなくなります。」
宮本さん「だいたいこのコーナーはいつも美味しい一押しのワインを紹介しているので、酸とタンニンがいい具
合に交じり合って、いいハーモニーを奏でているんですよね。」
西浦「そうですね。でもこのグランモネはですね、酸とタンニンがやっとくっつき始めたかなという兆しですね。」
今日のワインは、シャトーグランモネ2001。これから2年、3年、5年とだんだんまろやかになってくるワインですね。」
宮本さん「ではさっそくテイスティングをして参りまあす!グラスに注がれた赤ワイン色は大分濃くなっています。」
西浦「非常にコクを予感させる、ボルドーの典型的な色ですね。」
宮本さん「もうあずき色に少し黒味がかったようなところが出てきています。そして香りは・・・ああ、ロースト香の
ような、落ちついた香りが。ただ、少しまだ果実の香りもするんですけど。」
西浦「そうです。これが、ちらちら残っている若さですね。」
宮本さん「この果実のような香りが残っているということは、もう少しまだ熟成する可能性というサイン。」
西浦「そうです。ここからまだまだどんどん変化していきます。」
宮本さん「いただきまあす!!ああ、美味しい・・確かにまだ熟成もできそうな果実の風味もあるんですけど、非常に
舌になめらかに流れ込んできます。」
西浦「ワインが絹のようにだんだん細かくなってきてますね。」宮本さん「タンニン分が非常に心地よくなってます。」
西浦「そうです。これが若いころはタンニンがもう少し荒いんですよね。」
宮本さん「いい具合に熟成してきました!使っている品種はカベルネソーヴィニヨン、メルロー。」
宮本さん「やっぱりお肉が食べたくなっちゃいます!」
宮本さん「でも、今日このスタジオにはお肉でないものが登場してます。ずばりそのお料理とは。」
西浦「なんと、“おでん”です!」宮本さん「“おでん”!!“おでん”とボルドーの赤!」
西浦「まあ本当にまあ、頭の中では絶対結びつかない。」
宮本さん「でもまあ、目の前に“おでん”がありますんで、いただいて参りましょう!」
宮本さん「まずは大根いこうかなあ、・・・あー、お出しがワインの余韻といっしょにやってくるんですけど。」
西浦「ああー、いいですね!後味だけでも大根が非常に美味しくなりますね。」
宮本さん「次はね、じゃあ、じゃがいもー!これも結構お出しが染みてます。ふんふん、あっ、じゃがいもは、
少し甘く感じる気がします。」
西浦「甘く感じるというのは、はじめに感じた酸とタンニンがどっちもわからなくなります。」
宮本さん「そうですね。まだあるんですよネタが、ちくわいきます!ん?より練り製品の味が際立ちます!」
西浦「あ、私も思います。磯の香りがぐ〜っと増幅されますよね。これ不思議です。」
宮本さん「不思議ですねえ。まだあるんですけど、牛筋、あ、やっとお肉だ。ふんふん、牛筋はこれ、おでん
のお肉じゃないみたい。」
西浦「牛筋を食べた後、ワインを含むとワインのタンニン分がわからなくなるくらいやさしく感じるんですよね。」
宮本さん「ワイン自体も表情が変わっていくんですね。最後に卵です。」
西浦「卵はおもしろいですよ〜。卵はねえ、黄身と白身で全然違うところにお出しのしゅんでる濃さも全然違う
じゃないですか。卵はおもしろいですよ〜!」
宮本さん「黄身と白身どっちからいった方がいいですか?」西浦「あのねぇ、いっしょに口に入れて下さい。」
宮本さん「あ、いっしょにですか?はい、いただきます!ん〜、やっぱり、ワインの効果で黄身がすっごいなめ
らかになります。あー、黄身の味がすごい際立つような気がしますよね。」
西浦「ほんとにこう口の中でお出しの味もぐ〜っと広がるのと、ワインが手伝って、後味もすっきりしますよねぇ。」
宮本さん「や〜、これ今日は、大根から始まって、じゃがいも、ちくわ、牛筋、卵、5種類あわせました!!」
西浦「そうですね。おでんって一つの同じ味の中にいろんなネタが入っていて、次何にしようかな、っていう楽し
みで、それぞれ口の中のイメージが変わるのが楽しい食べ物じゃないですか。それがワインの酸とタンニンの量
が手伝って、個性がさらに増幅されるんですよね。」
宮本さん「ねえ、そしてそんな中でワインの味わいもどんどん変わっていく。しかもこの収録中も何回おかわりを
したかわかりませんが、よく食べられるし、よく飲める。」
西浦「これがねえ、交互にこうやっていくと知らず知らずのうちにどんどん進んでくるんですね。」
宮本さん「そう、いつもより多分ペースが速いと思います。冬には誰でも食べるであろう“おでん”にワインを合
わせました。しかもボルドーの赤でした。さあ、もう一度改めてこのワインの名前と年代をお願いします。」
西浦「はい、シャトー グランモネ 2001年、サンフォアボルドーが産地になります。」
宮本さん「2005年になって初めて飲み頃を迎えたワインでした!それでは最後に、ワインエキスパート
じゅんじゅんから、今週のワンポイントアドバイスです。赤ワインは酸とタンニンのバランスが大事、酸とタンニ
ンのバランス、その交わり、ハーモニーが絶妙なワインは、食材の個性をよりわかりやすくさせて、味により奥
行きを与える!!・・・西浦さん、オッケーですか?」
西浦「いやあ、すごいまとめですねえ!!」宮本さん「ということで、今日は“おでん”に合うワインをご紹介しました。」