楽天グループが成長を続けていくために必要不可欠なのが、若くてエネルギーレベルの高い人財です。
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三木谷社長に学生が直撃インタビュー!

各回選ばれた優秀な学生たちが、「グローバル」「テクノロジー」「「イノベーション」の3つのテーマで、三木谷社長に直撃インタビューを行いました。ここでは、その時の様子をお伝えします。

テーマ01 グローバル

独自の強さを発揮する楽天モデル

楽天主義とグローバリゼーションについて質問する学生

……海外進出する際、その国によって運営方法は変えていくべきだとお考えですか?

米大手企業の中には、世界中でアメリカのスタイルを踏襲しようとして失敗した例が多くあります。本当に国によって市場がまったく違うので、海外進出の際は国によって当然戦略を最適化する必要があります。

例えば、我々がインドネシアに進出した時、日本のように出店いただけるような条件を備えた中小企業が多くなかったので、できるだけ大きな店舗さんを集めることにまずは注力することにしました。ブラジルも同様です。国単位だけでなく、買収する会社によっても戦略を変える必要があります。

……日本や楽天のスタイルを一方的に押し付けてはいけない?

ある部分は世界共通化していく必要がありますが、基本的に現地のニーズに合わせていくことになると思います。例えば、コアの文化である「楽天主義」は国内外の楽天グループ全体で共有しなければいけませんし、ITプラットフォーム等はなるべく同じものを使っていきたいと思っています。また、ブランドネームとして将来的に楽天(Rakuten)に統一していきたいと思っています。ただ、同時に我々はフレキシブルでありたいし、地域でのリーダーシップは歓迎したいと思っています。テクノロジーについても、現地のお客様のニーズに合わせてある程度カスタマイズしていく必要があります。

……ほかの大手オンラインショッピング企業と楽天市場との違いはどこにありますか?

一番の違いは、我々は「店舗をパートナー」だと考えているところです。店舗を「在庫を仕入れるためのソース」としか考えていないところは、例えばある店舗の商品が売れ始めると、その商品を店舗より低い価格で提供しはじめます。店舗は、こうしたビジネスモデルのプラットフォームでは成功できません。

……楽天市場に出店することによって、どんなメリットがありますか?

例えば電子製品を取り扱う店舗を見ると、日本でトップ3の3社が楽天市場に出店しています。彼らは日本においてどこよりも優れた商品を調達することができます。これは、我々がパートナーモデルを採用しているからです。米国で我々が買収したBuy.comについては、楽天市場と同じマーケットプレイス型が急成長しています。今後さらに成長が加速していくのが楽しみです。

……日本経済は厳しい状況が続いていますが?

我々は、取扱高が1兆円を超えてからも、前年比20%増で成長を続けています。3月11日の大震災後も、勢いは衰えていません。店長さんたちは事業家精神にあふれていて、在庫管理の場所を変えたり、非常・緊急時用の商品を扱ったりと臨機応変に対応しました。マーケットプレイス型のモデルはどのような外的状況におかれても、強さを発揮できるモデルであり、アメリカや欧州、アジアにおいても急激な成長をみせています。

楽天は使命感を持った会社である

ソーシャルメディアへの対応や新規ビジネスについて回答する三木谷社長

……ソーシャルメディアとeコマースの将来について、どのようにお考えですか?

ソーシャルメディアは間違いなくパワフルなツールになるでしょう。日本ではFacebookや mixi、Twitterなどのいずれが勝者になるかはわかりませんが、これらソーシャルメディアをeコマースに取り入れていくことによって、ユーザーはFacebookやGoogle+等のサービスを通じて楽天市場で買い物をできるようになります。

……楽天は独自のポジションにいるということでしょうか?

一つ大きな発見は、ホテルや店舗さんが楽天のことを大切に思ってくれているという事実です。それは楽天の大きな財産です。我々が事業のコアとなるECやパーソナルファイナンスを含むトランザクションを担うことで、我々は他社とは大きく異なるポジションに立つことができます。他社にとって我々のビジネスモデルは、コピーしにくいということです。

……日本ではモバイルへの流れが加速していますが、操作面は大丈夫でしょうか?

スマートフォンは、画面は小さいですが解像度は良いですし、携帯性に優れています。ECにおいてPCと同等に強力なツールになるでしょう。私自身は、「タブレットが将来もっと普及する」と考えています。NFC(Near Field Communication: 近距離通信規格)採用のニュースはさらに追い風になりそうです。

……電子書籍事業への参入を発表されましたが、例えばゲームなど新規ビジネスの予定はありますか?

「中小企業を支援する」ことが楽天の使命であり、こうしたビジネスモデルが我々の誇りです。電子書籍事業も作家たちに大きなマーケットを提供する可能性を持っています。新規ビジネスをするにしても、「楽天は世の中の役に立つ」ということに、こだわりたいと思っています。

双方向で社員が出向し、一緒に仕事をする動きが活発に

拠点間の情報共有や配属について質問する学生

……海外を含む支社間の情報共有はどのように行われますか?

楽天は、全社員が参加する朝会があり、そこでフォーマルな形の情報共有を行う文化があります。Yammerという社内SNSツールがあり、そこで国内外の社員間でアイデアや意見の交換もしています。

また、ビデオカンファレンスを通じて活発に情報共有が行われています。例えば、隔週で日本とタイのECコンサルタント間の情報共有や、日本と海外の開発担当者間の情報共有といったように、横串でコミュニケーションを取っています。

……人材の交流などもありますか?

今のところは、日本の楽天社員が海外支社へ出向するパターンが多いですが、将来的には双方向で社員がもっと出向し、一緒に仕事をする動きが活発になるでしょう。手始めに今年から、アメリカの役員や、有能なエンジニアが日本に出向するという動きが始まっています。現状は東京がハブのようになっていますが、これからはフランスからタイなど、拠点間の交流も盛んになるでしょう。

……経営戦略に興味があるのですが、学ぶチャンスはありますか?

多くの機会があります。エンジニアならば、トップクラスエンジニアと仕事をする機会もあるでしょう。営業ならば、あなたの興味がある各部門を経験する機会があるでしょう。あるビジネス系大学出身でMBAを取得しているカナダ人の社員がいますが、彼はマネージャーとして、現在は日本国内のEC事業を担当しています。まずは、楽天の強みを現場で学んでもらうために担当してもらっています。これは、「最初から経営戦略の企画を担当してもらうよりもよい経験ができる」と、私が判断したからです。

……やはり、現場を経験することが大切ということでしょうか?

経営戦略の企画というとカッコよく聞こえるかもしれませんが、計画は所詮計画です。チームとして部下をマネジメントし、結果を出すことも大きな喜びです。若い人たちにはもっと確固たる役割と責任を与え、その中で成長してほしいと思っています。それは将来必ずみなさんの財産になるはずです。

……人生に無駄なことはないというお考えですか?

私が以前勤めていた会社では、主に不動産の契約書関係の非常に退屈な仕事をまかされましたが、それは今では私の大きな財産となっています。楽天の強さの一つはビジネスモデルにありますが、私が最初に書いた契約書は、楽天が成長する一つの要因になりました。顧客の情報に関する権利について書いたのですが、周囲の人間はこれをとても些細なことだと思っていました。でも私はこれが重要だとわかっていました。外資系のコンサルティング会社で働きたいのなら別ですが、いきなり戦略に携わる仕事に就くのが正しいとは思えません。