お茶畑ってこういう感じ
























このコーナーでは、狭山茶専門店 倭美茶美で販売するお茶を育てている、長峰園の様子をご紹介いたします。
私たちが、生産者として心がけている点、こだわっている点について知っていただき、おいしく狭山茶を楽しんでいただければ、大変嬉しいです。

茶園新植

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・大事な土づくり

 お茶の味を決めるのは、何よりも新芽(生葉)の品質。
肥培管理の行き届く自家茶園を増やすことは美味しいお茶をたくさん提供する土台作りなのです。

お茶の樹を植える時期は、3月お彼岸前後と期間が非常に限定(根の生育が4月以降に活発になるため) されていますが、畑の「土作り」は茶樹を植える半年以上前から始まっているのです。



夏のうちに、茶畑にする場所を1m程度の深さまで掘り起こし、土を「柔らかく」すると同時に土壌の質を改善するために堆肥を撒きます。堆肥は空気に触れていると乾燥し、風などで飛ばされてしまうので、畑に入れて数日経過後に土と混ぜ合わせます。土の中の堆肥は畑の水分保持や肥料などの効能を長く維持する働きをする土壌改善資材です。




・品種を選んで

 消費者にも知られている品種に、静岡県の品種で高品質・多収で全国に広まった「やぶきた」があります。
この品種は寒さに弱いという欠点があるため、静岡よりも寒い埼玉県では品種改良し、耐寒性のある「さやまかおり」「ふくみどり」を開発しました。

「さやまかおり」「ふくみどり」ともに「やぶきた」よりも多収で、独特の香りと味を持った品種になっています。これらの品種を仕上げ時に「やぶきた」と混ぜ合わせることによって、味に深みがでて、「やぶきた」だけとは違った香りを出すことができます。


 苗木は年末にお茶屋でまとめて「苗木組合」に注文し、指定された期日に取りに行きます。10アールすなわち1反の畑に1,800本の苗木が必要になります。50アールであれば9,000本の苗木(2トンのトラックで山盛り一杯くらいの量です)が必要ということになります。


・せっせと植えます

運んできた苗木はその日のうちにできるだけ植えてしまいます。
茶樹と茶樹の幅は1.8mとされています。基準となる線を一本引き、そこから1.8m間隔で茶樹を植える線を引いていきます。この線に沿って植樹するので、曲がっていたりすると成長した際にまっすぐでない樹になってしまったりします。慎重かつ正確にやらなければならない作業です。
苗木を植える最小限の大きさの穴があけてある「マルチ」とよばれる黒いビニールがあるのですが、これを予め引いてある線に沿って敷いていき、植え始めます。
最も最近植えた畑は 最長部分で110mの「うね」が何本もあり、「いくら植えていって終わりが見えない・・・」という感じでした。


茶の品質を決めるのは生葉の品質ですが、同じ生葉でも古い樹と新しい若木では品質が違います。若い樹の樹勢のある新芽から作った新茶は香気・味ともに強く、まさに「高品質」。
本格的に収穫できる茶樹に育つには、植えてから5年程度必要ですが、その間に堆肥を使った土作り、有機肥料を使った肥培管理により、新芽を出す茶樹をしっかりと育てて、自然の美味しさを皆様のもとにお届けいたします。



お茶畑ってこういう感じ

新芽の摘採


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・意外と楽しい新芽の摘採

 5月には、一年かけて大切に育てた茶樹から芽吹いた新芽を、乗用型大型摘採機で摘み取ります。
(この「一年」とは5月の摘み取り後から一年間)
5月の新茶時期に摘み取りが終わった茶園は7月の2番茶に備えて、刈り落としが行なわれ、肥料が入れられます。
2番茶が終了するとその次の年の新茶期にむけての準備が進められます。




・来年への準備

土の状態を調査する「土壌検定」をおこない、土の成分構成やph(ペーハー)を調べ、この結果を踏まえて、土作りの資材を選択し、畑に入れ、土作りの一環として30cm程度深く耕す「深耕」作業をおこない、肥料を入れます。




温かい時期には虫も発生しやすいので注意が必要です。 虫に少しでもやられると茶の樹は芽を伸ばせなくなってしまうので毎日毎日の変化を見逃さずに観察することが必要です。 冬を迎え、寒くなると虫はいなくなってしまうので少し気が楽になります。
そして、また春が来て気温が上がれば肥料を入れ、新芽が出やすいように刈り落としをおこないます。












・新芽を刈る

茶園での作業は外仕事であり、雨が降る日もあれば、強風の日もあり、猛暑の日もあります。 先述の一連の苦労も新茶時に畑全体の色が鮮やかな緑色に染まっている風景を見ると吹っ飛んでしまいます。(さらに摘み取った後の茶樹も同じ色をしています。)
一年間かけて出てきた新緑の芽は本当にいとおしく、刈り取ってしまうのがもったいない・・・新茶時期を迎えるとそんな気持ちになることもあります。


・機械化

茶業界でも機械の大型化が進んでいます。大型機械の登場により、省力化が図られ、茶の原価低減が可能となり、高品質・低価格の狭山茶が提供可能となります。少し前までは茶樹の両側で機械を挟んでもって刈り取る「可搬型茶刈り機」が主流でした。この機械だとどんなベテランや名人がやっても10cm程度は高さが違ってしまうようです。
乗用型茶刈り機は手元で高さが調整でき、5mm間隔で高さ調整が可能です。木茎(木化した茎)が混ざっておらず、きれいに刈り取られた芽はとても蒸しやすく荒茶加工しやすいものです。こうして製造された荒茶は、さらに仕上げ段階においても木茎を取り除く手間なく、「美味しさ」抽出を容易に実現できるのです。
微妙な高さを確実に調整できる乗用型茶刈り機は生葉の品質向上に一役買い、省力化によりコスト削減を、刈り取りの正確さにより品質向上をもたらしてくれています。機械の大型化というと大雑把になっていくイメージがありますが、茶業界においてはたいへんに大きな進歩と言えるのです。(特に新芽の品質確保においては)



摘芯(てきしん)
春肥え(肥料撒き)
春整枝(刈り落とし)
茶畑の新植
防霜ファンの準備
芽出し肥え撒き
製茶機械の検査
製茶工場清掃
深耕(しんこう)
新芽の手摘み
乗用型摘採機によるお茶摘み
新茶製造(一部)
被覆作業
土壌検定
品評会出品茶製造
酸度矯正

除草作業


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 草むしりはどなたでも経験がおありではないでしょうか?
「草むしり」の目的を考えると大きくふたつあります。
ひとつは「見た目を良くする」こと。これは駐車場や花壇など人目につく場所をきれいにするためにおこないますね。 たくさんの草が出ている駐車場は気持ちのいいものではありませんし、草だらけの茶畑ではいいお茶が収穫できそうもない感じがします。






もうひとつは「肥料の効果を高める」ため。雑草等は茶樹よりも成長が早いので、畑の中で繁殖し、繁茂してくると茶樹のために撒いた肥料の養分をすべて吸収してしまい、茶樹への肥料の効きが悪くなりします。


草の生える時期は夏ごろですが、この時期に撒く肥料の効き目が悪いことにどのような影響があるのだろうか?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。茶農家では一年間かけて茶樹を育てていきます。 茶樹は夏ごろに吸収した肥料養分を樹の中に蓄積し、来春に新芽として芽吹く際のエネルギーとするです。 夏に吸収すべき肥料養分を蓄えられないということは、翌年の新茶に影響を及ぼすことになるのです。


雑草を畑から取り除くことは肥料の効き目を良くして、さらに害虫などの居場所をなくすたいへんに重要な作業です。しかしながら、かがんだ姿勢での仕事で、手作業で(つまり重労働)、そのうえ天候などの気象条件が大きく影響するのでなるべく効率よく作業を進めなくてはなりません。そのために「除草剤」が使用されるケースがあるようです。けれども、弊社では「美味しさ」だけではなく「食の安心」も当然として考えておりますので、安全な狭山茶製造のために、その原料となる新芽を生む茶園では除草剤等を使用せず、手での草むしり、あるいは機械で除草作業をしています。
時間と労力が必要となる作業ですが、5月の新茶期に摘採する新芽の色々な意味での「品質向上」のために、美味しい狭山茶出荷のためにコツコツと草むしりをしています。
コツコツ、コツコツ、コツコツ、コツコツ・・・。広〜い農園で、地味〜な作業が続きます。



肥料撒き


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 埼玉県では、一年間に茶畑に撒ける肥料の量が、肥料成分別に制限されています。
これは河川への水質汚濁等の影響をもたらす硝酸体窒素(土壌に蓄積され、樹にも吸収されない物質)の発生を抑制するために設けられた基準です。

狭山茶は全国的にみると肥料投入量は比較的少なめになっています。

こうした基準に加えて、弊社のほとんどの茶園は「特別栽培農産物」の申請をしているために肥料の種類も有機肥料におおよそ限定されます。

特別栽培農産物とは農薬の使用や化学肥料の施用を最小限に限定し、有機肥料を主体として管理される農作物のことです。

窒素・リン酸・カリウムの3成分で決められた量の肥料を春と秋の2回に分けて畑に入れます。いわゆる「春肥」と「秋肥」です。


「春肥」では新芽を樹が芽吹くための主成分となる窒素分を主体に、 「秋肥」では土壌検定の結果を踏まえて土壌の改良や3成分のバランスを考えながら、肥料の種類や投入量決めていきます。

すぐに効き目のあらわれる化学肥料と異なり、堆肥や有機肥料はその効果がでるまでに時間がかかります。もともと植物の生育には多くの時間を必要としますが、有機肥料を効かすためには半年から1年くらいの期間を基準に考えていく必要があります。

「春肥」でも「秋肥」でも一度に多くに肥料をいれてしまうと、雨などで流れてしまったり、根が吸収しきれずに流亡してしまうことがあるので、何回かに分けて肥料を撒いています。
一度に撒いてしまった方が作業の手間は少ないのですが、茶樹に肥料成分を効率的に吸収させるためには、適量を少しずつ与えなくてはなりません。

このように茶園の土作りや、良質な茶樹の栽培は1ヶ月とか2ヶ月では不可能で、何年にも亘る継続的な作業の賜物といえます。一度「高品質」の茶畑にしてしまえば、収量も増え、新芽の品質も向上し、いいこと尽くめです。
ところが、土壌のバランスが崩れ、茶樹の状態が悪化した場合は、それを復活させるのに数年かかかったりします。植物のゆっくりと流れる時間の中で茶樹の反応を見落とさず、 じっくりと土作りを進め、ゆっくりと肥料効かせていくことが茶園管理のポイントといえるのかもしれません。