◆紹興酒と日本酒の違い◆
1. 色
紹興酒の原料はもち米です。
日本酒のベースもお米ですが、ではなぜ日本酒は透明なのに、紹興酒は琥珀色をしているのでしょう?
樽の木から色がでるのでしょうか?
ウイスキーやシェリー酒などは、確かに樽詰めすると茶色くなります。
しかし、紹興酒は樽には入れません。
素焼きの大きなカメの中で熟成させます。
ではなぜ茶色いのでしょう?
それには下記のような理由があります。
まずは麹です。
後でも触れますが、紹興酒には麦麹が使われます。
この為、新酒が出来た段階で既に黄色みかかった色がついています。
実は日本酒も、新酒の段階では、薄い色が残っています。
しかし、ほとんどの日本酒は濾過をし、その色と、多少残っている紹興酒的な香りを取り除いているようです。
無論、紹興酒も濾過はしますが、それはオリを取り除く為で、透明にする為ではありません。
そして紹興酒の新酒には、少量の焦がした砂糖「焦糖」、つまり、カラメルを入れます。
これは紹興酒に独特の渋みをつける為で、伝統的にそうして作られてきました。
そして紹興酒に含まれる「糖」と「アミノ酸」が反応して、色が茶色くなります。
老酒は糖とアミノ酸が他のお酒より多く含まれ、また、長い間熟成させることによりこの反応が進むので、より茶色くなるのです。
また、「精米」にも原因があるようです。
日本酒の原料となるお米はきれいに精米されて真っ白です。
でも、紹興酒の原料となるもち米は、外殻を取るだけで、皮の部分まできれいに取り除くわけではありません。
だから日本酒のように透明にはならないわけです。
しかし、じつはこの皮の部分は、非常に栄養分が多く含まれているのです。
赤ワインのポリフェノールはブドウの皮から出ていますし、ピーナッツもあの茶色い渋皮にポリフェノールが含まれているとか。
紹興酒が日本酒よりも多くアミノ酸を含んでいるのも、この精米方法の違いが原因の一つだといわれています。
このアミノ酸が肝臓の働きを助け、紹興酒を飲んでも二日酔いになりにくいといわれています。
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2. 水
日本酒でもそうですが、おいしい酒どころはいい水に恵まれた地域です。
紹興市のある江南地方は大変雨に恵まれており、会稽山系に降り注いだ雨は豊富な湧水となり、その清水は絶えずかん湖へ流れ込み、そしてまた押し出されるように流れ出て行きます。
ですから湖水は常に新鮮なのです。
紹興酒造りにはこのかん湖の水が用いられます。
水質の安定している冬場の湖水を使い、夏場は一切紹興酒は作られません。
このミネラルに富み、酒造りに非常に適した硬度の低い天然水が、紹興酒の名を中国全土に広げて行ったのです。
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3. 麹
日本酒の麹は白米に黄コウジ菌の胞子をふりかけ、2日ほど寝かせると出来上がりです。
しかし、紹興酒は、砕いた小麦に水を加えて固め、その塊を筵(むしろ)で覆って1ヶ月近くもの間寝かせて作ります。
日本酒の麹は単一に「黄コウジ菌」を繁殖させます。
しかし、紹興酒の方はといえば、自然界の色々な麹菌が繁殖するようで、同じ紹興で作られたお酒でも、蔵が違えば麹も別、らしく、その蔵その蔵に秘伝の麹があるのだそうです。
「これは何という麹菌ですか?」
と聞いても、蔵元は決して教えてくれません。
まさに秘伝です。
そうして出来た麹の中から不要な菌が混ざった部位を除去したりなどし、ムロから出し、乾燥させ、秘伝の麹の出来上がりです。
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4. 熟成期間
出来上がった紹興酒は、まず火入れ・殺菌します。
それを蒸気で殺菌された大がめに入れ、蓮の葉・素焼きの蓋・竹の皮を用いて封をし、さらにその周囲を石膏で固めます。
日本酒も火入れはしますが、それは熟成の下準備としてではなく、熟成を止める為です。
そして常に一定温度に保たれた貯蔵庫の中で熟成が始まります。
この大がめは陶器です。
陶は木樽等とは違い、外気の浸透が殆どなく、空気による酸化作用から酒を守ります。
また、陶器自体の成分が酒に溶け出すこともないので、純粋に酒の成分だけが熟成年数を重ねて行けるのです。
こうして大がめに入れた酒は、最低でも3年、その中で寝かせます。
それは、そうしなければ、おいしくならないからなのです。
白米と違い、外殻を取っただけのもち米で仕込んだお酒は、最初の1、2年、カメの中ではオリが浮遊し、乳酸菌とアルコールとアミノ酸が混淆した状態です。
しかし、オリがカメの底に沈殿し、三度目の夏が過ぎた頃、カメの中で、ある変化が起こっているのです。
アルコール等のキツイ鼻を刺す臭いは柔らかい、紹興酒独特の馥郁たる香りとなり、酸味は深いコクに和らげられています。
これは化学的には分子活動によって「エイジング」と呼ばれる作用が起こるからです(ageing=年をとる、古くなる)。
お酒の中の分子が動き、別の分子とぶつかって化学反応を起こす、その繰り返しが最低でも3年、かめの中で行われているのです。
おもに紹興酒の中の糖分とアミノ酸が反応していると考えられています。
味・香り・色、どれをとっても、歳月を重ねた分だけ豊かになっている、それが紹興酒の特徴です。
日本酒や焼酎にも古酒がありますが、紹興酒には古酒しかないのです。
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5. アミノ酸
紹興酒には21種類のアミノ酸が1kg中に6700mgも含まれています。
これは日本酒の約4倍です。
また、人体では合成できず、不足すると身体に重大な影響を及ぼすことから“必須アミノ酸”と呼ばれている8種類は、食事などで外部から補うしかありませんが、この必須アミノ酸8種類の内、7種類までもが紹興酒に含まれているといわれています。
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6. 紹興酒を飲むと頭がよくなる!?
紹興市は中国全土でも上位に入る、学力優秀な場所で、たくさんの偉人を輩出しています。
昔の国家試験である「科挙」でも、紹興出身の合格者が多かったようです。
一説には毎晩勉強中に紹興酒を飲んでいたからだ、とか。
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ご注意:
既に述べましたように、紹興酒は清酒やワインと同じ醸造酒です。しかも防腐剤は一切使用しておりません。開栓後数日間はまず問題ありませんが、出来るだけ早めにお飲み下さい。
また、ビン底に沈殿物(おり)が見られたり、寒冷時にはニゴリを生ずることがありますが、品質に何ら変わりありません。
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