アルザス

アルザス

 
アルザスワインは日本で軽視されすぎている。フランスでも同じ傾向があるようだ。トップクラスの造り手、「マルセル・ダイス」のクラレス夫人が「フランスでは、ボルドー、ブルゴーニュがトップで、次がローヌ。アルザスは4番目の生産地なの」と悔しがっていたのを憶えている。しかし、フランス・ワインを飲み込んだ人ほど、リーズナブルな価格で水準の高いワインがこれだけそろった産地はほかにないことに気づいている。
 アルザスはドイツに国境を接した最北の地というイメージがある。緯度は確かにサハリンと同じだが、ブドウ造りの条件は恵まれている。ヴォージュ山脈に雨雲がさえぎられ降水量は500ミリ前後とフランスで最も少ない。かつて「アルザスの青い空」というドラマが放送されていたように、晴れの日が多い。ブドウ畑から街を見下ろす写真を撮ろうとするとわかるが、午前中はほぼ逆光になる。斜面が東から南向きになっているためで、朝早くから夕方まで太陽の恵みを受けられる。多彩な土壌がワインに多様な性格を与えている。

  ドイツとフランスの間で争奪戦に巻き込まれた歴史に根ざす建築様式や街並みは観光客を魅了する。メルヘンチックな村が真珠のように連なり、屋根にはコウノトリが巣を作っている。ルイ14世が「なんと美しい庭園だろう」と叫んだのもうなずける。フランス屈指のガストロノミー(美食)の地でもある。パリ以外で星つきレストランがこれほど集中している地方はない。名物料理はドイツと似ており、ソーセージやシュークルート(キャベツの酢漬け)が有名だ。川魚の料理やフォアグラの産地としても知られる。 
 

アルザスのトップの生産者
Domaine Zind-Humbrecht
  ズィント・フンブレヒト
  ☆ トリンバック ☆
  マルセル・ダイス
  Domaine Mittnacht Freres
  シャルル・コーリー

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