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衣替えのモノサシ〜なごみや的 温暖化カジュアルシーンの衣替えのヒント

公開日:2026/05/11 更新日:2026/05/18

衣替えとは

“衣替え”とは、気温の変化に応じて、季節にあった衣服に着替える慣習のことです。 衣替えの起源は平安時代の宮中行事「更衣(こうい)」にあります。中国から伝わったこの習慣は『源氏物語』や『枕草子』にも情緒豊かに描かれ、季節の移ろいを愛でる雅な文化として定着しました。 大きな転換点は江戸時代です。幕府は武士の規律として、季節ごとに綿入れ、袷(あわせ)、帷子(かたびら)と着るべき種類を厳格に規定しました。これが庶民にも広まり、日本特有の四季を尊ぶ「衣替え」の習慣が形作られていきました。 明治時代に入り新暦が採用されると、役人や軍人の制服の切り替え日が6月1日と10月1日に固定されます。これが現在の学生服や企業の衣替えの基準となりました。平安の儀式から始まり、武家の規律を経て現代へ。衣替えは単なる服の入れ替えではなく、自然のサイクルに寄り添い、心身を整えてきた日本人の知恵と美意識の象徴といえるでしょう。

気候に応じた3種類の着物

着物には 季節に応じて、3種類のものがあります 〇袷~あわせ 表地と裏地の2枚を縫い合わせた 二枚仕立ての着物 生地に透け感はなし 〇単衣~ひとえ 裏地のない一枚仕立て着物 生地に透け感はなし 〇薄物(羅・紗・絽) 裏地のない一枚仕立ての着物 生地に透け感あり それ以外にも <衿><帯><帯揚げ><帯締め><草履>にも 通年仕様できるものと 夏場のみに使用するものがあります

伝統的な従来の衣替え

袷…10~5月 単衣…6月・9月 薄物…7月・8月

着物なごみやが考える<当世風衣替え>

----------- 〇袷…11~3月(最高気温が20℃を下回る頃) 〇単衣…4~6月 9月後半・10月(最高気温が20℃〜25℃前後の端境期) 〇薄物…6月後半~9月半ば(盛夏。最高気温が25℃を超える頃) 〇浴衣・浴衣夏着物風(浴衣+衿)…5月後半~9月半ば * *広島のとうかさん祭や府中の暗闇祭、浅草三社祭りなど、ご当地のお祭りが、その年の浴衣はじめ(着はじめ)とされることが多いようです。 ----------- 「温暖化」が叫ばれて久しい昨今 人々の生活動向をまとめた『生活者マインド大全』でも、5〜9月の圧倒的トレンドワードは「暑い」 一年の大半を『暑さとの対峙』に費やしています。 古くからの衣替えのルールは、日本の豊かな四季を愛でるための素敵な道標です。 しかし、気候変動が著しい現代において、そのルールを頑なに守ることが、時に「着物離れ」を加速させているようにも感じます。 どれほど格式高いお着物でも、暑さで表情が曇り、背筋が丸まってしまっては、本来の美しさは半分も伝わりません。 「伝統を尊重する心」 「自分の体をいたわる知恵」 この二つのバランスをとり カジュアルなシーンでは「体感に合わせた装い」を選ぶ。 それは決して手抜きではなく、 「着物を長く、美しく楽しみ続けるための現代流の作法」ではないでしょうか。 自分が健やかでいられる装いで、軽やかに街を歩く。そんな姿こそが、着物の魅力を次世代に繋ぐ一歩になる気がしています。

なごみや流 衣替え組み合わせ例

羽織ものとの組み合わせによって、袷・単衣・浴衣  それぞれシンプルに考えても、以下のような着合わせが考えられると思います。 これだけでもなかなかですが、そこに<肌着><襦袢>といったインナー類、夏帯、夏帯揚げ、夏帯締めといったものを考えると、さらに幅広い着合わせのグラデーションとなりますね。 〇袷の着合わせ ~コート+袷 ~羽織・カーディガン・ショール・+袷 ~薄物コート・薄羽織+袷 ~袷(帯付き) 〇単衣の着合わせ 〜羽織+単衣 ~薄物コート・薄羽織+単衣 ~単衣(帯付き) 〇浴衣の着合わせ 〜浴衣+薄物コート・薄羽織 ※小紋柄で生地に張りのある浴衣向け ~浴衣+襦袢 ~浴衣+美容衿 ~浴衣

端境期の調整に活躍するアイテム

袷かな 単衣かしら… 悩める端境期は 〇衿元 〇中(肌着や襦袢) 〇色味 こちらの組み合わせで 見た目は暦に合わせて 着心地は、体感に合わせて というのが、着る人にやさしい当世風 お化粧と同じように、色味を変えるだけで その季節にぐっと近づけますよ

衿元は暦通り 中は体感に合わせて

色味で季節を~いろちで欲しい帯揚げ

色味で季節を~いろちで欲しい帯締め

素材で涼を見せる・感じる夏アイテム

スタッフの衣替え

【スタッフSA】 着物歴20年 宇宙工学が前歴の異色の理系着付け師 職場の司令塔 花嫁衣裳・芸能人の着付け経験あり 家族から受け継いだレトロ可愛い着物を大切にしています 袷…11~5月 単衣…4月後半~6月 9月、10月前半 薄物…7、8月 浴衣・浴衣衿付き…6月~9月前半 着物でお出かけのゴールデンシーズン(春、秋)は、人に着付けるのに忙しいので、真冬と、真夏に着ることが多いです。 真冬は重ね着すればいいので良いのですが、問題は、夏。 真夏でも外出時には羽織ものを着たいので、 補正や帯板、帯枕など使わないことと、冷えピタや保冷剤で乗り切ってます。 ------------------------------ 【スタッフSI】 着物歴15年 なごみやのファッショニスタ 身の回りのものはほぼハンドメイド 着付け教室に通い、今は和裁教室にも 伝統工芸にも目がなく 恰好渋いコーデが得意 袷…11~3月前半 単衣…3月後半~5月 10月も体感温度に合わせて 薄物…6月後半~8月末 浴衣…8月、9月前半 すずろベルトワイドで補正、汗は必ず出るもの、吸わせる工夫をする。襦袢を筒袖にしたりとインナーで工夫。 ------------------------------ 【スタッフT】 着物歴6年・着付け独学・カジュアル派・着物お出かけで和文化と自然を感じることが幸せ 袷…11~3月前半 単衣…3月後半~5月 10月 薄物…所有なし 浴衣・浴衣衿付き…5月後半~9月 羽織とのレイヤードコーデも楽しみたいので、着物を単衣にする、あるいはインナーを涼しいものにする等工夫しています。 薄物はもっていないので、暑い季節はもっぱら浴衣。生地に張り感があるもの、衿を付けると夏着物っぽく見えるもの、そのあたりを意識して浴衣を買い求めています。 9月は落ち着いた色の浴衣+小物遣いで、夏夏しくならないよう心がけています。

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