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「RAW現像について」 藤井智弘

公開日:2026/01/13 更新日:2026/02/02

■カメラの大林オンラインマガジン

「RAW現像について」

一眼カメラの基礎を知る第9回は、RAW現像編です。JPEG撮って出しに対して、RAW撮影はもう一段表現の幅を広げることができます。RAW現像のノウハウを身につけて、さらに写真撮影を楽しみましょう。

■RAW現像編

ミラーレスをはじめとするレンズ交換式デジタルカメラや一部のコンパクトデジタルには、一般的な画像形式であるJPEGの他に「RAW」で記録することができます。ではRAWとは何でしょうか。   RAWは「ロウ」と読み、「生」という意味です。JPEGは画像として完成された状態なのに対し、RAWはその前の状態。料理で例えれば、JPEGが調理済みなのに対し、RAWは調理前の素材の状態、と言えばわかりやすいかもしれません。そのため画像にするには調理、つまりパソコンで「現像」する必要があります。ではRAWの特徴を見てみましょう。
JPEGで撮影した写真。綺麗に撮れていますが、シャドーが暗過ぎるのと、夕方の雰囲気をもっと出して、インパクトのある仕上がりをイメージしました。
RAWから作った写真。シャドーを明るくし、ホワイトバランスで夕暮れの色を調整。彩度とコントラスト上げて力強さを出しました。
JPEGのデータは、メーカーに関わらず拡張子が「.JPG」です。RAWはメーカー独自の形式が多く、例えばニコンは「.NEF」、キヤノンは「.CR3」など様々。ただしライカとリコー、シグマは、Photoshopで知られるAdobeの汎用RAWデータ「.DNG」を採用しています。RAWデータを現像するには、RAW現像ソフトが必要。各メーカーには、無料でダウンロードできるRAW現像ソフトがあります。ニコンはNX Studio、キヤノンがDigital Photo Professional 4。それぞれメーカー独自なので、例えばキヤノンのRAWデータをニコンのソフトで開くことはできません。   ソフトでRAWデータを開くと、明るさやコントラストなどの調整が行えます。JPEGでもソフトで明るさ等の調整もある程度できますが、大きな調整は画質を劣化させてしまいます。しかしRAWは高画質を保ったまま調整が可能。さらにホワイトバランスや仕上がり設定まで変更ができます。またハイライトやシャドーの微妙なコントロールも行いやすく、自分好みの仕上がりに追い込めるのです。
ニコンの純正RAW現像ソフト、NX Studio。コントロールポイント機能を搭載し、画面の部分調整が簡単に行える特徴を持ちます。
キヤノンの純正RAW現像ソフト、Digital Photo Professional 4。デジタルレンズオプティマイザによるレンズ収差補正をはじめ、高機能をスムーズな操作で扱えます。
また有料ですが、汎用ソフトのAdobe Lightroom ClassicやSILKYPIX Developer Studioなどを使うと、様々なメーカーのRAWデータが現像でき、複数のメーカーのカメラを所有している人にはとても便利。総合的な画像管理ができて、ソフト独自の機能も使えます。 なお現像しても、元のRAWデータは残ったまま。気に入らなければ何度でもやり直すことができます。慣れないうちは、ソフトの機能をいろいろ試してみて、どう変化するか確認すると使いこなしやすくなります。
汎用RAW現像ソフトで最も有名と言える、Adobe Lightroom Classic。通常の調整の他、AIを活用した機能を搭載し、今まで難しかったコントロールをシンプルな操作で可能にしています。
日本製RAW現像ソフト、SILKYPIX Developer Studio Pro 12。ファインディテール機能による解像感の高い仕上がりが得られ、様々な合成機能やネガフィルム反転ツールなど、多彩な機能を誇ります。 とても便利なRAWですが、デメリットもあります。まずはファイルサイズが大きいこと。2400万画素の場合、JPEGのファイルサイズは10MB前後ですが、RAWは17MB前後。容量の大きいメモリーカードや、高性能のパソコン、大容量ハードディスクが必要になってきます。また1枚仕上げるのに時間がかかるのもデメリット。特に大量に撮影したRAWデータから現像するカットを選び、仕上げていくのは大変な作業になります。   RAWを使いこなすコツは、どんな仕上がりにしたいのか、はっきりしたイメージを持つこと。幅広いコントロールができるRAWは、仕上がりイメージがないといつまでも完成にたどり着けません。おすすめは、RAWとJPEGの同時記録に設定し、JPEGでは気に入らなかった部分をRAWで調整するとコントロールしやすくなります。JPEGで満足できたカットはそのままで、不満があったカットはRAWから調整すると、効率良く作業できるでしょう。