一眼カメラの基礎を知る第10回は、モノクロ写真編です。デジタルカメラでのモノクロ写真の楽しみ方を紹介します。各メーカーの特徴を捉えて、モノクローム写真撮影を楽しみましょう。
カラー写真より長い歴史を持つモノクロ写真。色のないモノトーンの世界は、カラーにはない美しさを感じたことがある人も多いと思います。ではカラーとモノクロは、視覚的にどんな違いがあるのでしょうか。
人間は普段、色のある世界を見ています。「赤い花が綺麗」「青い空と木々の緑が清々しい」など、色からの情報がとても多いことに気付くと思います。それに対し、モノクロは色がありません。何に意識をするかというと、それは白から黒への階調です。ぎゅっと締まった黒と明るい白、そしてその中間にある微妙なグレーの階調は、モノクロならではの美しさです。また色のあるカラーよりも光が当たっているところ、当たっていないところの階調の違いもよくわかるので、光がより意識されます。それもモノクロの特徴であり、魅力。カラーとは異なるところを見て、感じている、と言えます。
夕暮れの海に向かうライフセーバーたち。カラーではオレンジ色の空と海、カラフルなサーフボードに目が行きます。
同じ写真をモノクロにしました。空や海の階調、砂浜とサーフボードのコントラストに目が行きます。カラーとは異なる視点になるのがわかると思います。
次にモノクロで撮影するにはどうすればよいでしょうか。大きく分けると2種類あり、ひとつはカメラの仕上がり設定をモノクロにすること。最近のミラーレスや高級コンデジには本格的なモノクロ写真に対応した機能を持つ機種も増えています。
FUJIFILM:ACROSモード
ニコン:ディープトーンモノクロームなど
LUMIX:L.モノクロームなど
RICOH:ハードモノトーンなど
OM SYSTEM:モノクロプロファイル
さらにライカとRICOHには、モノクロ専用のカメラまでラインナップしています。
モノクロにする最も手軽な方法が、カメラの仕上がり設定をモノクロにすること。パラメーターでコントラストの調整もできるので、自分好みのモノクロ設定を探ってみましょう。
そしてもうひとつがRAWで撮影し、パソコンのソフトでモノクロにする方法。メーカー純正ソフトの他Adobe Lightroom Classicなど汎用ソフトでもモノクロが作れ、細かな階調コントロールが可能です。また細かなティップスとしては、粒状機能(グレインエフェクト等)で粒子を入れるとモノクロフィルムに近い雰囲気になり、モノクロならではの力強さがグンとアップします。
RAWからAdobe Lightroom Classicでモノクロ写真を作っているところ。元の色の明るさを調節したり、トーンカーブで微妙な階調を調節したり、より細かなコントロールが可能です。
モノクロを作る際の注意点は、撮影時に被写体の色に惑わされないこと。カラフルなものを見ると、つい色を意識してしまいます。すると思っていた仕上がりにはならず、がっかりすることも。被写体のどこに光が当たっているかをよく見て、モノトーンにするとどんな階調になるかイメージしましょう。カメラの設定をモノクロにしておけば、撮影時や再生時にモノクロで見られるので、確認しやすくおすすめです。
風景を豊かな階調で表現するのもよし、スナップであえてコントラストを上げて荒々しい表現するもよし。カラーとは異なる奥深さを持っているモノクロ写真。モノクロだからこその世界を追求してみましょう。
最も明るい白から最も暗い黒までの豊かな階調の仕上がり。モノクロ写真を始めたら、まずはここを目指しましょう。そこから自分好みの味付けを見つけていきます。
あえてコントラストを上げて粒子も目立つように設定し、荒々しさを感じる仕上がりにしてみました。力強いスナップに合う表現です。コントラストのコントロールが、モノクロ写真のカギになります。