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BDが本気で創った走れるULパック|ブラックダイヤモンド ベータライト30/45

公開日:2026/02/10 更新日:2026/04/30
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  • 「ガレージブランドじゃないと、本物のULパックは手に入らない」という空気が、変わりつつあります。 長距離トレイルのコミュニティでは長らく、Hyperlite Mountain Gear、Pa'lante Packs、Zpacksといったガレージブランドが超軽量バックパックの主役を担ってきました。 信念とクラフトマンシップで生まれた製品は、大手アウトドアブランドが踏み込みにくい領域として機能していた。 そこにBlack Diamondが本気で切り込んできました。それが2024年にローンチされたBeta Lightシリーズです。

    |ヨセミテの岩壁に始まるブランドDNA

    Black Diamondのルーツを辿れば、1950年代のヨセミテに行き着きます。 Patagonia創業者として知られるイヴォン・シュイナードは、若きクライマーとしてハンドメイドのピトンを作り始め、それがChouinard Equipmentへと発展しました。 1972年に発表した「Clean Climbing Manifesto」では、岩を傷つける打ち込みピトンから、取り外し可能なナッツ・カムへの転換を訴えました。 「余計なものを足さない」「本質だけを残す」という設計哲学は、このとき生まれています。 1989年にBlack Diamond Equipmentとしてソルトレイクシティで再出発。 以来、登山・クライミング・スキーのテクニカルギアメーカーとして35年間積み上げてきたブランドが、2024年にULファストパッキングという新しい戦場へ踏み込みました。

    |8年+20年が合体した設計思想

    Beta Lightのデザイナー、Derick Noffsinger(シニアインダストリアルデザイナー)は開発完了時にこう語っています。 「コンセプトは、8年間の山岳ランニングパック開発で学んだことと、20年間ブランドとしてバックカントリー登山・スキー・クライミングのギアを送り出してきた経験を融合させること。 初期コンセプトは当初かなり突飛で、そこから2年かけて製品に仕上げた」 BDはディスタンスシリーズでトレイルランニングパックの開発を長年続けてきました。 ランニングベスト的なショルダーハーネスの設計知見はそこで蓄積されています。 ベータライトはその8年分のランニングDNAに、20年分のバックカントリーギア耐久性思想を掛け合わせた製品です。 プロトタイプのフィールドテストを担当したのはプロトレイルランナーのJoe Grant。 コロラド州サン・ファン山地で11日間・400マイルのファストパッキングループを走り切り、実戦の中でブラッシュアップされた製品として仕上げられました。

    |素材の選択がブランドの立場を語る

    素材にChallenge Sailcloth UltraWeave™(Ultra 200)を採用したことは、BDの立ち位置を明確に示しています。 ガレージブランドが多用するDyneema® Composite Fabric(DCF)は防水性に優れる一方、フィルム状の構造上、折り目がつきやすく摩耗に弱い面があります。 Ultra 200はUHMWPE繊維を織り込んだ布状の素材で、DCFと同等以上の重量対耐久性を持ちながら、よりしなやかでパッキングしやすいのが特徴です。 底部や高摩耗部位にはさらに厚手のUltra 400を配置し、実用的な耐久性を担保しています。 「最軽量」ではなく「耐久性と軽量性のベターバランス」を選んだのが、BDの答えです。 ロールトップクロージャーにはシームテープ処理を施し、沢を渡る場面でも安心感のある防水性を確保しています。

    |トレイルを「速く移動する」という思想

    近年のトレイルシーンでは、「いかに軽くするか」だけでなく、「いかに速く移動し続けられるか」という視点が重要になってきています。 その象徴が、FKT(Fastest Known Time)という概念です。 記録そのものを狙うかどうかに関わらず、長距離ルートをより速く、より効率的に、自分の力で踏破するという思想は、ロングトレイル全体に広がりつつあります。 実際、Beta Lightの開発プロセスでも、その方向性は明確です。 プロトレイルランナーのJoe Grantによる約400マイルのファストパッキングテストは、単なる耐久テストではなく、「長距離を速く移動する」ための装備としての検証でもありました。 重要なのは、ここで求められるのが"最軽量"ではないという点です。 長時間行動の中でトラブルを起こさない耐久性、補給やギアへ素早くアクセスできる設計、そして走り続けても身体にストレスを残さないフィット感。 ベータライトは、そうした条件を満たすことで、「速く移動するためのバックパック」というポジションを確立しています。 FKTのための専用装備ではない。しかし、その思想に最も近い設計を持つパックのひとつであることは間違いありません。

    |30 vs 45 ― 使い方の分かれ目

    - ベータライト30

    日帰り〜1泊のファストパッキングを想定したフレームレス仕様。 最軽量構成(ヒップベルトなし)で452g、ヒップベルト込みでも530g。 ランニングベスト感覚で背負えるため、トレイルランニングのロングエンデュランスや、装備を極限まで絞り込んだ1泊行程に向いています。 【素材構成】 [Body] Ultra 200 PE [Front Pocket] 4-way nylon stretch mesh [Accents] 100d nylon 4mm Ripstop 【ベータライト30】 Weight:695g Country of origin:Philippines Price:¥63,030

    - ベータライト45

    アルミフレームとフォームフレームパッドを内蔵した中容量ファストパッキングパックです。 最軽量構成(ステー・ヒップベルト・フォーム除去時)で650g、フル装備で890g。 数泊のロングトレイルや、稜線を走りながらテント場でしっかり休むスタイルの山旅に対応します。 【素材構成】 [Body] Ultra 200 PE [Front Pocket] 4-way nylon stretch mesh [Accents] 100d nylon 4mm Ripstop 【ベータライト45】 Weight:890g Country of origin:Philippines Price:¥68,200

    |ベータライト30/45まとめ

    こんな方におすすめ - トレイルランニングと山岳ハイキングの両方をこなしたい人 - ガレージブランドのULパックに興味はあるが、信頼できるブランドで揃えたい人 - アルプス縦走や北海道・東北の長距離ルートでのファストパッキングを検討している人 - 荷重10〜13kg前後の2〜4泊行程を想定している人(45L)、または装備を極限まで絞った1泊行程(30L) ベータライトは「大手ブランドのULパック」という新しいカテゴリを切り拓きました。 極限の軽さや用途に特化したバックパックを求めるならZpacks Sub-Nero 30LやPa'lante Joey 26Lといったガレージブランドを選ぶのが合理的ですが、BDが8年分のランニングパック技術と20年分のバックカントリーギア思想を本気で合体させたパックに興味があるなら、ベータライトはその答えになりえます。 イヴォン・シュイナードがヨセミテの岩壁で本質を追い求めたDNAが、今度は走れるULパックに宿っています。

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