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GRAMICCI(グラミチ)|岩壁でハードに使えるアウトドア派の元祖・定番パンツ

公開日:2026/04/17 更新日:2026/05/12
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  • |ヨセミテの岩壁で生まれたリアルギア

    グラミチのパンツを初めて手に取ると、股まわりの菱形の切り替えと、バックルのないウェビングベルトに気づきます。 これはデザインではありません。 1982年、ヨセミテのクライマーたちが「本当に動けるパンツ」を求めてゼロから設計した、機能の痕跡です。
    グラミチの創業者マイク・グラハムは、「Stonemasters(ストーンマスターズ)」と呼ばれるクライマー集団の一員でした。 ヨセミテ国立公園で当時の常識を塗り替える登攀スタイルを追求していた彼らには、既存のパンツが通用しませんでした。 股が引っ張られて動きを妨げる。 ベルトのバックルがハーネスと干渉する。 ロープがパーツに引っかかる。 岩場での切実な不満を、そのまま設計思想に変えたのがグラミチパンツの出発点です。 1982年、グラハムはカリフォルニア州ベンチュラのガレージで最初のパンツを縫い上げました。 「グラミチ」というブランド名は、彼がハーフドームを登攀した際に仲間たちからつけられたあだ名に由来します。 イタリア人でもないのにイタリア風に聞こえるそのニックネームが、そのままブランドの名前になりました。 そしてこのパンツは今も、ほとんど形を変えずに残っています。

    |なぜグラミチは今も定番なのか

    「原点にして頂点」 多くのブランドが似たディテールを採用している今でも、グラミチが選ばれ続ける理由はシンプルです。 アウトドア好きなら一度は聞いたことがある「ガゼットクロッチ」と「ウェビングベルト」、そしてポケット設計。 グラミチを頂点たらしめる3つのディティールを見ていきます。

    1.「脚が上がる」を当たり前にした構造

    グラミチパンツの核心は、股部分の菱形の切り替え「ガゼットクロッチ」にあります。 武道着の動きを参考に開発されたこの構造は、どれだけ大きく脚を開いても生地が引っ張られず、破れません。 岩場でのハイステップ、沢や倒木をまたぐ大股動作、テント設営でのしゃがみ込み。 アウトドアで「あと少し脚が上がれば」と感じる瞬間に、このディテールは確かな差として現れます。 現在では多くのアウトドアブランドがガゼットクロッチを採用していますが、それをパンツに最初に組み込んだのがグラミチです。

    2.「片手で締まる」という正解

    グラミチパンツの腰まわりを固定するのは、デイパックのストラップと同じ構造のナイロンウェビングベルト。 バックルがなく、長さ調節はスライド式のアジャスターで。 引っ張るだけで締まり、片手で扱えます。 クライミング中にグローブをしたままでも確実に操作できること。 金属パーツがないためハーネスやロープへのダメージを防げること。 見た目のシンプルさの裏に、岩場での実用が詰まっています。

    3.「落とさない」のに「取り出しやすい」

    グラミチパンツのフロントポケットは垂直開口です。 横向きではなく縦に開くため、傾斜地や岩場で手を入れても荷物が滑り落ちません。 バックポケットはベルクロ仕様で、片手でパッと開閉できます。 そしてグラミチパンツには、フロントに開口部がありません。 ファスナーやボタンのパーツを表に出さないのは、ザイル(ロープ)を傷つけないための設計です。 細部のひとつひとつに、クライミングという使われ方への真剣な応答があります。

    |クライマーから、ストリートへ

    1980年代中頃、グラミチパンツはクライミングの世界を超えて広がります。 カリフォルニアのサーファーやスケーターが、手描きの「ランニングマン」ロゴ入りパンツを求めるようになりました。 機能的で、動きやすく、どこかヨセミテの空気を纏った一本。 アウトドアとストリートが交差する文化の象徴として、グラミチは独自のポジションを確立していきます。 1990年代初期には日本でも需要が高まり、東京を中心とする都市部で定番として定着しました。 アウトドアギアとしてだけでなく、ライフスタイルウェアとして受け入れられた背景には、このパンツが持つ「本気で使えるのに、構えすぎない」という独特の空気感があります。 クライミングギアとして生まれ、ストリートで育ち、日本のアウトドアシーンに根付いた。 グラミチパンツが40年以上にわたって基本設計を変えていないのは、それが正解だったからです。

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