実に生と書いて「みしょう」と読みます。字の通り、実から生長した個体を指します。
実とは「種たね」
植物が受粉して、花が咲き、できた種が発芽して生長したものを「実生苗」といい、千草園芸では、商品名に「実生苗」と付けています。
園芸界でいわれる「品種」とは、その個体の持つ特性が発現すること。
”その個体”ということは、同じ種類であっても、他の株では特性が出ないのです。
品種の発見は、「とある人が山で特別美しい花を咲かせる一本の木を見つけて、名前を付け、枝を持ち帰り、接ぎ木で増やした」 というものもたくさんあります。
希に
1本の木の、一部の枝にだけ木全体とは違う特徴が現れたら、その部分の枝だけを増やす、「枝変わり」を増殖した品種もあります。
人間や動物と同じく、植物にも個性があります。
同じ「人間」という種類の中でも、その人だけにしかない特徴がありますね。
そして、黒いネコから三毛猫が生まれることだってあるように、親の特性が必ずしも子にコピーされて発現するわけではありません。
たとえば、椿の「玉之浦タマノウラ」は
玉之浦の種をまいても赤いヤブツバキしか生まれないそうです。
つまり、品種のある個体から採れた種から芽が出て生長しても、もとの草木の品種は名乗れないのです。
その点、実生には
どんな子に成長するかわからない期待 = どんな花を咲かせるか ”わからない楽しみ” があります。
ではどうやって「品種」ありのものを増やすのでしょうか??
植物は、クローンをつくります。
・【接ぎ木】 枝や幹を根っこのあるほかの木(台木)に結合させて増やす
・【挿し木、挿し芽】 切り取った枝や茎を、土や水に挿して根を生やす
・【株分け】 草花の株が大きくなると、根っこから分割する
品種のある牡丹(ボタン)を育てていたら、芍薬(シャクヤク)の花が咲いた! なんてこともご愛嬌♪
ボタンの台木のほとんどはシャクヤクです。
台木の花が咲いたのですね。
でもそのままだと肝心のボタンに栄養が行き届かなくなるので、少し惜しいですがシャクヤク(台木)の脇芽は切り取りましょう。
パンパスグラス(ススキ)など旺盛な草花は、「株分け」ができますね。
サボテンなどの多肉植物では、欠損して落ちた一部から根が張ったり、切り取った一部を砂に挿しておくだけで増えるものもあります。
特に果樹は、受粉樹としての相性がありますので「実の成る木」を選ぶ際には、
・商品名にある「実生」と「品種名」 にあわせて
・商品説明欄にある実を付けるための「結実の条件」
を参考にしてみてください。