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最北の寒風と棒鱈

公開日:2026/02/26 更新日:2026/03/22
風のまち・稚内。 最北の岬を抱くこのまちでは、季節風が日常そのもの。 棒鱈づくりは、風を待つところから始まります。海が唸り、電線が鳴る日――「鱈が喜んでいる」と職人。 道東にも鱈はありますが、霧が乾きを妨げる。 乾ききった道北の風が、真鱈の味を引き締めます。

半年かけて、10kgから1kgへ

使うのは、5kgから10kgの大物だけ。 三枚におろし、乾燥室でゆっくり水分を抜く。 頃合いを見て、吹きさらしの納屋へ。 ふた月寒風にさらして締めた鱈を、井桁に組んで、 天然の冷凍庫でさらにふた月寝かせます。 地干しと室内干しを繰り返し、芯まで乾くまで、およそ半年―― 10kgあった鱈は、乾燥後にはわずか1kgほど。 極限まで水分を落とし、旨味だけを宿した一本に。 仕上げは、からっ風。色艶がまるで変わります。

稚内から、その先へ

最北の寒風で仕上げた棒鱈は、関西の年越しや祝いの席に並びます。 縁起を担いで「真多良」とも書き、福を願う品として重宝されてきました。 「棒鱈がなければ年が越せない」 ――その言葉が、棒鱈の製法を絶やさずにきました。 最北の土地と、年越しを迎える全国の食卓。 その距離を、棒鱈がつないできました。

最北端の町・稚内の棒鱈

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更新日05/10(05/03〜05/09集計)