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無病息災を願う食文化「しもつかれ」に込められた願い

公開日:2026/04/08 更新日:2026/07/07
茨城県結城市において「しもつかれ」は、単なる日常の食事以上の意味を持つ、特別な行事食として大切にされてきました。伝統的には「初午(はつうま)」の時期に作られ、稲荷神社にお供えする風習があります。名前の由来については諸説あり、かつての「下野国(しもつけのくに)」で、家例として作られていた料理が転じて「しもつかれ」になったという説や、作り方の工程である「染み漬け」から「すみつかれ」と呼ばれ始めたという説などが語り継がれています。
結城市の興味深い風習の一つに、「7軒分のしもつかれを食べると無病息災で過ごせる」という言い伝えがあります。これは、近所同士で自慢のしもつかれを分け合い、食べ比べる文化があったことを示しています。お正月料理で残った食材(鮭の頭や節分の豆など)を無駄なく使い、栄養豊富な一品へと作り替えるこの料理は、非常に優れた利活用の精神に基づいています。発酵食材である酒粕と、野菜や魚の栄養が凝縮された「しもつかれ」は、冬の健康維持に欠かせない滋養強壮のメニューでした。地域のつながりを確認し合い、家族や近隣の人々の健康を願うという、日本人が古来より持っていた共助の精神や祈りが、この一皿には深く刻まれているのです。