熊本県の郷土菓子として全国的にも知られる「いきなり団子」は、ここ菊池市周辺でも古くから親しまれてきました。厚めに輪切りにしたさつまいもを小麦粉で作った生地で包み、蒸し上げた非常にシンプルな構成が特徴です。菊池平野は火山灰土壌でさつまいもの栽培が盛んであったため、かつては秋の忙しい農作業の合間に手早く作れるおやつとして重宝されてきました。
「いきなり」という言葉には、熊本弁で「簡単・すぐに」という意味があります。急な来客があってもすぐに出せるという由来もあり、飾らないおもてなしの心が詰まっています。現在は、さつまいもの上に小豆あんを乗せて包むスタイルが主流で、さつまいもの自然な甘みと、生地のわずかな塩味が互いを引き立て合います。