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海と人が育てる真珠~平山海洋~

公開日:2026/04/14 更新日:2026/06/03
執筆:天草市ふるさと納税サポート室 大塚 静かな海の中で、ゆっくりと育つ真珠。 「月の雫」とも例えられるその美しさには、自然と向き合い続ける人の時間があります。 熊本・天草の海で真珠養殖を行う「平山海洋」。 しかし、その仕事は決して簡単なものではありません。 自然に左右され、ときにはすべてを失うこともある。 それでもなお、この仕事を続ける理由があります。 それは、「本当に美しい真珠を届けたい」という想い。 そしてもうひとつ。 特別な日だけではなく、日常の中でさりげなく身につけてほしい。 日々の暮らしに寄り添い、ふとした瞬間に気持ちを少し上げてくれる存在として――。 そんな想いを込めて、一粒一粒の真珠と向き合い続けています。 今回、その現場を訪ねてきました。 目次 ・家族で受け継ぐ、天草の真珠養殖 ・天草の海が育てる、美しい真珠 ・一粒が生まれるまでの長い時間と手間 ・自然との戦いと、職人の技と管理 ・夏と冬が生み出す“照り” ・日常に寄り添う真珠という選択

家族で受け継ぐ、天草の真珠養殖

平山海洋の真珠づくりは、先代から始まりました。 現在は、兄弟でそれぞれの役割を担いながら、運営しています。 ・販売やアクセサリー加工を支える兄(株式会社REENS PEARL) ・養殖現場を担う弟(株式会社平山海洋) それぞれの役割を守りながら、養殖から加工、そして皆様の手元に届くまで、一貫して手がけています。 「どんな環境で育ち、どんな真珠なのか」 それを自分たちの目で確かめて届けています。

天草の海が育てる、美しい真珠

真珠の品質は、「どこの海で育つか」で大きく変わります。 九州の真珠は、 ・真珠層が厚い(巻きが良い) ・内側からにじむような“照り”が美しい という特徴があります。 特に「照り」と呼ばれる輝きは、光をやわらかく反射し、内部から放たれる色彩をともなった上品な美しさを生み出します。 人工では決して作れないもの。 自然環境と時間が生み出す、唯一無二の美しさです。

一粒が生まれるまでの長い時間と手間

真珠は、すぐにできるものではありません。 ・あこや貝の稚貝から母貝を育成するまで:約2年 ・核入れをして真珠となるまで:半年〜1年半 つまり、一粒の真珠には数年という時間がかかっています。 さらに、長く育てるほど真珠層は厚くなり、品質も向上します。 だからこそ、安定して供給できるものではありません。 その年の自然環境によって、品質も量も大きく変わります。

真珠ができる3つのステップ

① 稚貝から約2年かけて、核を入れられる健康な母貝に育てる ② 職人が核を入れ、海の中で半年〜1年半かけて真珠を育てる ③ 冬に貝を引き揚げ、真珠を取り出す 核入れは、とても繊細な作業です。 次々と貝を手に取りながら、すばやく核を入れていきます。 しかし、その動きには無駄がありません。 長年の経験と技術が求められる作業です。

自然との戦いと、職人の技と管理

真珠づくりは、海の中に「入れて待つ」だけではありません。 ・貝の状態確認 ・汚れの除去 ・海の環境に応じた調整 これらを日々繰り返します。 特に、貝への付着物が多くなると口が開きにくくなり、エサであるプランクトンを食べられなくなってしまうため、貝掃除はこまめに行われます。 しかも、その頻度に決まりはありません。 海の状態を見ながら、すべてを判断します。 まさに、職人の経験と勘が試される仕事です。 それでも、真珠養殖において最大のリスクは自然です。 中でも「赤潮」は深刻で、一度発生すると、育ててきた貝が全滅することもあります。 実際に平山海洋でも、大きな被害を経験しています。 半年、1年とかけて育てたものが、一瞬で失われる――。 日々変わる環境への対応や積み重ねが、今の品質を支えています。

夏と冬が生み出す“照り”

美しい真珠をつくるために欠かせないのが、夏の高水温と冬の低水温という自然環境です。 真珠は、照り(光沢)が最も良くなる冬に浜揚げされます。 平山海洋では、12月〜翌年1月頃に行われています。 夏は、あこや貝が活発になることで真珠層を巻きやすくなります。 冬は穏やかになることで、真珠層をゆっくり巻いていきます。 だからこそ、あこや貝に寄り添うことが何より重要なのです。 これらがうまくできないと、 ・厚みはあるが輝きが弱い ・ぼやけた印象の真珠 になってしまいます。 こうして育てられた真珠は、その後、一粒ずつ選別されます。 平山海洋が年間で扱う真珠は、およそ10万個。 その中から、 ・サイズ ・色(ピンク・ホワイト・ブルーなど) ・傷 ・照り などを基準に評価し、選別します。 しかし、真珠として加工し世に出せるのは約60〜70%。 状態が悪ければ、50%ほどになることもあります。 さらに、その中で一級品と呼ばれる真珠は10〜20%程度。 つまり、あなたの手元に届く真珠は、厳しい選別をくぐり抜けた一粒なのです。

日常に寄り添う真珠という選択

「真珠は特別な日に身につけるもの」 そんなイメージを覆したい。 それが平山海洋の想いです。 シンプルで使いやすいデザイン。 普段の装いにも馴染む美しさ。 日常の中でこそ、真珠の魅力を感じてほしい。 そう考え、あえて主張しすぎないデザインを大切にしています。 自然に左右されながら、時間をかけて育てる真珠。 その一粒には、海の恵みと、人の手仕事、そして想いが詰まっています。 兄弟で養殖から加工まで一貫して作っている真珠を、ぜひ一度、手に取ってみてください。

▼真珠アクセサリー

兄弟で運営する株式会社REENS PEARLと株式会社平山海洋のアクセサリーを紹介しています。

▼ 天草からのおたより