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創業100周年!松下蒲鉾店へ

公開日:2025/10/31 更新日:2026/06/03
執筆:天草市ふるさと納税サポート室 大塚 大正14年(1925年)創業、今年で100周年を迎えた老舗「松下蒲鉾店」さんを訪ねました。お話を伺ったのは、現在三代目の松下晶一さんご夫婦。 100年という長い時を経てなお、地元の皆さんに愛され続ける理由を探ってきました。 ■目次 ・魚屋から始まった、松下蒲鉾店の原点 ・教壇から工場へ――2代目の決意 ・3代目の挑戦 ― 科学と伝統の融合 ・「魚からつくる」ことを大切に ・「天領」 ― 天草の恵みを凝縮した逸品 ・「てんぷら」 ― 天草のソウルフード ・子どもたちに伝える「食と海の大切さ」 ・ネット販売で全国へ ― DMがつなぐご縁 ・最後に

魚屋から始まった、松下蒲鉾店の原点

創業当時、初代・松下さんは魚屋として天秤棒を担ぎ、天草の町を歩いて魚を売り歩いていました。 魚屋さんのかたわら、秋から春にかけては、長崎から職人を招いて蒲鉾を製造。夏はアイスキャンディーを売るという、時代を生き抜く工夫があったそうです。 しかし戦時中、蒲鉾づくりに欠かせない鍋や釜は「金属類回収令」によって供出され、製造が困難に。 その頃は近所の竹を使って下駄を作り、生計を立てていたのだとか。 戦後、再び竹輪製造の機械を導入し、蒲鉾づくりが再開されました。

教壇から工場へ―2代目の決意

2代目はもともと数学の教師。 しかし、先代の熱意に押され、家業を継ぐ決意をします。 何の準備もなく始まった蒲鉾屋の仕事。魚の扱い方から、蒲鉾作りの基礎も分からず、大変だっそう。 それでも高度成長期の波に乗り、設備投資を進めながら店を守り抜きました。

3代目の挑戦 ― 科学と伝統の融合

現在、店を継ぐのは三代目の松下晶一さんご夫妻。 大学卒業後、熊本市内の老舗蒲鉾店で2年間修業し、さらに高知大学で蒲鉾の研究をされていた先生について、蒲鉾の科学を1年間学びました。 その基礎があって、理論と経験を融合させながら日々製造に励んでいらっしゃいます。

「魚からつくる」ことを大切に

松下蒲鉾店の蒲鉾は、すべて“魚をすり身にするところ”から始まります。 魚の頭や内臓をとることは今も手作業。内臓を丁寧に取り除く作業を怠ると、苦味が出たり、ふわふわの食感にならない。 だからこそ、どんなに機械が進化しても、手作業の工程は変えられなんだとか。 「いい原材料からしか、いい製品はできない。」 3代目のこの言葉が、松下蒲鉾店の信念と感じました。

「天領」 ― 天草の恵みを凝縮した逸品

店の顔とも言えるのが、看板商品「天領」。 天皇杯や農林水産大臣賞を4度も受賞している逸品。 天草の底引き網漁船から水揚げされた新鮮な“生エソ”を100%使用した、期間限定の特製蒲鉾です。 おすすめの食べ方は、食べる少し前に常温に戻し、1cmほど厚めに切ると美味しいですよ。 口に入れた瞬間、風味が増して 、ぷりっぷりの弾力感がたまらないです。 ※鮮度の良い魚で保存料などを使わずに作るため、10月~翌年5月までの期間限定・数量限定の店頭販売となります。

「てんぷら」 ― 天草のソウルフード

地元・天草では、昔から“てんぷら”が欠かせません。 てんぷらは、ささがきごぼう入りの「ごぼう天」のこと。 食べた瞬間のごぼうの歯ごたえとほんのり甘く、素朴でやさしい味わいです。 私も取材後にいただきましたが、甘めの味つけが本当にやみつき。 私はそのまま1cm幅に切って食べても、焼きそばや野菜炒めに添えても最高です。 なんとこのてんぷら、遠方の天草出身者から「100個ください!」という注文も珍しくないそう。 まさに“天草のソウルフード”です。

子どもたちに伝える「食と海の大切さ」

松下蒲鉾店では20年以上前から、小学校の工場見学を続けています。 年間約500人の子どもたちが訪れ、ちくわができる過程を学び、焼き立てを試食。 「かまぼこを50種類以上作っているなんてすごい!」「かまぼこはいろんな魚からできていることがわかりました」そんな声が店内の壁いっぱいに貼られています。 「食べものを作る仕事の現場を見て、海や自然を守っていくことの大切さを感じてほしい」と松下さん。そのピュアな驚きが、松下さんご夫婦やスタッフの励みになっているそうです。訪れた子どもたちが後日、家族と一緒にお店に来ることもあるそうです。また、子供たちがかまぼこをモリモリ食べるようになったとの話も。

ネット販売で全国へ ― DMがつなぐご縁

卸売りが中心だった時代を経て、今ではネット販売にも力を入れています。 年2回(12月・7月)に発送するDM(ハガキ)。「まだお手紙きていないけど?」とお客様から連絡が来るほど、楽しみにされているそうです。

最後に

蒲鉾づくりへの味のこだわりはもちろん、お二人の穏やかで、誰でも温かく迎え入れてくれる人柄も、“松下蒲鉾ファン”が今も増え続けている要因だと感じました。

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