ようこそ 楽天市場へ

海と向き合い続ける3代目——浦田水産が育てる“旨さ”の理由

公開日:2026/05/22 更新日:2026/06/01
執筆:天草市ふるさと納税サポート室 大塚 天草市・御所浦の海。 御所浦島の沖に広がるのは、静かな水面に規則正しく並ぶいけす。 その下では、約30万匹の真鯛と、20万匹を超えるシマアジが育てられています。 けれど—— その一尾が食卓に届くまでに、2年という歳月がかかっていることは、あまり知られていません。 毎日世話をして、環境を整えて、餌を見極める。 それでも自然の前では、すべてが一晩で失われることもあります。 そんな一尾一尾を育てているのが、天草の海に根ざす浦田水産です。 今回、3代目・浦田さんに御所浦でお話を伺いました。 目次 ・家業を継ぐつもりはなかった3代目の原点 ・2年かけて育てる、2kg超えの真鯛 ・いけすと餌 見えない工夫の積み重ね ・自然と向き合うということ ・売り込まない。それでも選ばれる理由 ・地域とつくる「鯛めし」

家業を継ぐつもりはなかった3代目の原点

「帰ってきても役に立たんぞ」 その一言が、すべての始まりでした。 「小学生の頃、手伝いに行って、何もわからないのにめちゃくちゃ怒られて。それが嫌で」 転機は高校時代の三者面談でした。 父の「帰ってきても役に立たんぞ」という言葉に、逆に火がついたといいます。 「じゃあ、やってやろうかなって」 大学卒業後、外で経験を積み、帰郷しました。 現場ではベテラン従業員に教わりながら、一つひとつ吸収していきました。 気づけば15年。 今では、現場を担う3代目になっています。

2年かけて育てる、2kg超えの真鯛

浦田水産では現在、 真鯛:約30万匹 シマアジ:約20〜25万匹 を育てています。 いけすは約160基あります。 稚魚の段階では1つのいけすに約3万匹入れ、成長に合わせて密度を調整します。 魚同士がぶつかって傷ついたり、病気にならないようにするためです。 それでも—— シマアジは最終的に約6割しか出荷に至らないという厳しい現実があります。 さらに真鯛は、出荷までに約2年かかります。 この“2年”にこそ、浦田水産の価値があります。 時間をかけることで、真鯛は2kg以上に育ち、しっかり脂がのり、旨みの強い魚になります。 効率よりも、“美味しさ”を選んだ結果です。

いけすと餌 見えない工夫の積み重ね

浦田水産の魚の味は、見えない工夫の積み重ねでできています。 まずは「いけす」です。 いけすには四角型と丸型がありますが、浦田水産ではすべて丸型を採用し、水深も調整しています。 そしてもう一つが「餌」です。 「餌はオーダーです」 季節ごとに配合を変えながら、魚の状態を整えています。 夏:ビタミン強化・脂控えめ(病気対策) 冬:脂を蓄える配合(旨みを引き出す) さらに、見た目の美しさも意識しています。 以前はピンク色の鯛が好まれていましたが、今は赤い鯛の方が好まれるそうです。 味だけでなく、時代のニーズに合わせた“選ばれる魚”をつくる工夫です。 そのニーズに合わせて、餌の配合も変えています。 こうした取り組みが評価され、2021年9月には真鯛養殖においてASC認証を取得しました。 ※ASC認証は、海の自然環境や働く人への配慮など、国際的な基準を満たしたサステナブルな養殖場に与えられる認証です。

自然と向き合うということ

最大の脅威は、自然です。 「昨日まで元気だった魚が、次の日には全部浮いている」 赤潮によって、2年育てた魚が一晩で失われることもあります。 保険で補償されるのは6〜7割。 すべてが戻るわけではありません。 さらにコロナ禍では、魚はあるのに売れないという状況にも直面しました。 それでも、海から逃げることはできない。 だからこそ、日々の積み重ねに一切の妥協はありません。

売り込まない。それでも選ばれる理由

育てた真鯛やシマアジは、活きたまま市場や加工業者へ卸され、海外にも展開しています。 韓国など海外からの引き合いもあるそうです。 特徴的なのは、その販売姿勢です。 「自分から“買ってください”とはあまり言わない」 既存の取引先が品質を認め、知人や取引先の紹介で広がっていくといいます。 特にシマアジは国内最大規模の生産量を誇り、問い合わせも多いそうです。

地域とつくる「鯛めし」

現在は、個人向け商品にも力を入れ始めています。 その代表が、ふるさと納税返礼品になっている「鯛めし」です。 スープ:知人の料理人 米:地元の米屋 加工:地元の魚屋 浦田水産の真鯛を活かすため、 「みんなで作ってる感じですね」 と話します。 鯛、お出汁、お米がすべて揃ったセットなので、届いてすぐに鯛めしを作ることができます。 材料を入れて炊飯するだけで、鯛の旨味がしみ込んだ鯛めしが出来上がります。 実際に購入した方からは、 「お祝いで使いました」 「とにかく美味しかった」 という声も届いているそうです。
2年かけて育てた、脂ののった真鯛。 季節ごとに設計された餌。 ストレスを抑えた環境。 その積み重ねを大切にしながら、これからは個人向けにも販路を広げていきたいと考えています。

▼返礼品紹介

▼ 取材に行ってきました!