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【第336号】苗木部店長の庭木・果樹の育て方うんちく

公開日:2026/02/16 更新日:2026/07/10
  • 2月の植物管理のうんちく

    苗木部通信 no.336 より 〜 2026年2月5日配信 〜 こんにちは。苗木部部長の高井尽です。 植物管理のうんちくをお届けししております。 よろしくお願いします!
    寒いですね。 でも、寒いからこそ、今の時期にやっておきたい作業があります。 春までに行っておく作業は、今年1年の生育を決定づけると言っても過言ではないくらい大事な作業。 とはいえ、何もしなかったら、何もしていなかったなりに育ちます。 手入れをしておけば、その効果や結果に変化が起きます。 園芸や庭づくりって、花が咲いたり、収穫できる喜びではありますが、 それまでの努力や過程も楽しんでいただきたいものです。 剪定(枝を切ったりすること)も施肥(肥料を与えること)も今年1年の生長のために行います。 今回は肥料について、お話しします。 春までに与えておく肥料は1年の成長を左右する肥料です。 呼び方が「寒肥」とか「元肥」とかありますが、要はどちらも同じ、「春からの生長のための肥料」です。 【元肥】植え付け時 ・植え付け時に与える肥料です。年間施肥量の50~100%を元肥として与えます。 ・培養土を使用する場合は、肥料成分が配合されているため肥料は必要ありません。 ・植え付けてから3か月くらいは追肥する必要はありません。 【寒肥】12~2月 ・12~2月に与えるものを寒肥といい、有機質肥料を与えます。みかんの肥料やぶどうの肥料などの専用肥料や油粕や骨粉などの有機肥料を施します。 有機質肥料・有機肥料とは植物質(油かすや草木灰など)や動物質(魚粕・魚かす・カニがらや骨粉、鶏糞など)の有機質を原料とした肥料です。 有機栽培では有機質肥料だけで育てます。有機肥料は土中微生物が分解した後で根から吸収されます。効き始めが遅い遅効性肥料であり、ゆっくり効き続ける緩効性肥料です。土質の物理的改善や化学的改善にも効果があります。濃度障害も起きにくいです。 デメリットはすぐに効かないこと。臭い。ウジムシなどの虫が湧くことがあります。猫や猪などの動物が荒らすことがあること。なので、なるべく土中に埋設しましょう。埋めることができない場合は、せめて肥料の上に厚めに土を被せておきましょう。 ぶどうなど、寒肥だけで1年の必要施肥量を賄っておきたい植物もありますので、寒肥はとても重要です。 ◾️◾️◾️肥料で枯れることがあります◾️◾️◾️
    肥料の与えすぎや与え方によって枯れたりすることはありますが、肥料が不足して枯れることはありません。与えすぎや与え方に注意です。 公園の木々や街路樹は肥料は与えてもらっていませんが、枯れずにいます。 肥料が足らないと生長はよろしくないですが、枯れるほどではありません。 ・肥料の量が多すぎると生育不良になったり、枯れたりします。 ・液肥などでも肥料の濃度が濃すぎると最悪枯れます。 ・肥料が根に近すぎると生育不良になったり、枯れたりします。 ・弱った植物に肥料を与えると枯れることがあります。 ・未完熟の堆肥や肥料は土中で微生物が発酵・分解する際にガスや熱が出ます。その熱で根が痛んで弱ったり、枯れます。 なので、肥料は多すぎないように与え、根が直接触れ合う場所には施肥しないようにしてください。 ◾️◾️◾️肥料不足や肥料過多に見られる植物の症状◾️◾️◾️
    肥料の主な成分は窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の三大要素です。土中で不足しやすく、施肥効果と経済効果が大きい三要素です。 肥料が不足したり、過剰になると葉や花の色や大きさや状態に変化が見られます。 去年1年の育ち具合を思い出して、各要素が多すぎたのか、少なすぎたのかを考えるヒントにしてください。 窒素(N)は葉を育てる要素です。 欠乏すると葉色が黄変し、生長が鈍化し、植物が小型化します。 ちなみに、レモンやシラカシ、ハイノキなどの常緑樹は今の時期は一番葉色が黄色くなっている時期です。これは栄養不足ではありますが、必ずしも肥料不足ということではありません。 冬は低温と日照不足のために光合成活動が鈍化しています。葉で光合成ができないため、葉内養分が呼吸で消耗していくため、冬の終わりには栄養不足で葉色が黄色くなるというわけです。 窒素分が多いと病害虫が出やすくなったり、花や果実がつきにくくなったりします。 窒素分が過剰になると葉色が濃くなり、茎葉が増加して茂りすぎたりします。樹勢が強くなり、開花や結果が遅れることがあります。そして、窒素過多だと葉が軟弱化してゴワゴワになったり、病害虫や寒害などに対する抵抗力が減少します。 藤やアカシアなどのマメ科の植物や山桃など、植物によっては根に共生する根粒菌が窒素分を供給して自給自足します。おかげで痩せ地でも育ちます。それらの植物は窒素肥料は控えるか与えないようにしましょう。 また、ぶどうやキウイなど生育旺盛な植物は早めに樹勢を落ち着かせたいので、窒素分を控えめに育ててください。ぶどう栽培では樹勢が強すぎると花ぶるいが多くなります。 「ぶどうがおいしくなる肥料」は樹勢が強くなりすぎないように、窒素をあえて少なめになるように配合してあります。そして、花や果実が多く、大きく実るようにリン酸を多めになるように原材料を配合しております。
    リン酸(P)は花・実・根を育てる要素です。 欠乏すると葉色が暗緑色や赤褐色や青銅色になり、葉が小さくなります。茎が細く根の発達が不良になったり、着花が減り開花結実が遅れます。赤玉土など火山灰土はリン酸を不活性化します。 過剰症はあまり出ませんが、生育不良になって亜鉛・鉄・マグネシウムの吸収が阻害されます。マグネシウム不足になると葉脈が浮き出るクロロシスの症状がでます。 カリ(K)は茎や根を丈夫にする要素です。 欠乏すると葉の中心部が暗緑色、葉の先端や縁が黄色くなります。 過剰症はあまり出ないですが、カルシウムやマグネシウムの吸収が阻害されます。 この時期までに有機肥料を与えておくと、植物が成長を始める春頃に効果がではじめます。 ◾️◾️◾️肥料の与え方について◾️◾️◾️ 養水分は根の先端の細根から吸収します。 なので、細根のいない株元すぐ近くに与えても吸収しません。 鉢植えなら鉢の縁の方に細根が伸びていくので縁の方に与えます。 地植えなら枝の先端の真下あたりに細根がいるので、そのあたりに施します。 有機質肥料は土中微生物が分解した後で根から吸収されますので、穴を掘って土中に埋設するか土を被せておいてください。 穴を掘って土中に埋めることができない場合は、表土に置き肥でも良いですが、有機質肥料は土を被せておいてください。 園芸って素晴らしいです。 最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました! 苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)
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    更新日09/13(09/06〜09/12集計)