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特集|ニットは、美しき数学 boussole

公開日:2024/12/18 更新日:2026/04/26

■ 職人と設計図が編み出す、緻密なレース

  • ────── 一見すると、空気を孕んだような軽やかで情緒的なレース。 けれど、その編み地をじっと見つめていると、ふと気づくのです。 これは感性だけで作れる世界ではない、と。 一目一目の重なり 糸の張力 そして計算し尽くされた空間の配置 まるで緻密に計算された「建築物」を身に纏うような 心地よい緊張感。 そんな、背筋がすっと伸びるようなニットが 私たちの日常には必要でした ──────

    ■ ニットは理系の仕事でした

  • ────── boussole(ブソル)」が描く設計図は もはや建築の青写真のようです どこで糸を交差させ どこで「余白(空隙)」を作るか 特にこのポロ襟のラインや 肩から袖にかけてのシームレスな繋がりは 平面を立体へと組み上げる 高度な計算の積み重ね 「リケジョ」的な視点で見れば この1着はまさに「0.1ミリの狂いも許さない数式の集大成」と いえるかもしれません ──────

    ■ 糸と空気の計算式

    ────── 使用されているのは 繊細ながらも芯のある糸。 この複雑なJQ(ジャカード)編みを成立させるためには 糸の太さに対してどの程度の密度で編むのが最適か、という シビアな実験が繰り返されています。 肌に触れた時のドライな質感と 光を透かすレースの透明感。 それは、素材の性質を理論的に解明し 設計に落とし込めるニットのスペシャリストだからこそ辿り着ける 機能美です。 ──────

    ■ 構造美を引き立てるブラック

  • ────── この緻密なレースを 最も美しく 立体的に見せてくれるのが ブラック| 漆黒 影と光のコントラストによって 編み地の迷宮が浮き彫りになり まるで建築物のシルエットを眺めているような 満足感を与えてくれます ──────

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    ■ boussoleとの出会い

    ────── ブソルとの出会いは 2009年でした ────── ブソルさんに当時のことを伺うと... 始めて会ったのは渋谷で行っていた展示会 ampersandの櫻井さんからの紹介でしたよね 色々世間話をしていて 話をし終わると ヒールアンドトゥさんご一行がどこかに行かれて...と思ったら 「で、やりたいんですけど!」と、満面の笑顔で戻ってきて... 強烈でした。 (大笑) ヒールアンドトゥさんは 最初から結構なオーダー数だったので 「こんなにオーダーして大丈夫なのか」って 心配してました(笑) ────── そんな始まりから、 パリで展示会をされている時に伺ったり 東京でお会いしたり 広島の事務所にも来ていただいたり 何かあれば声を掛けあい 時には喧嘩もしながら(笑) ヒールアンドトゥのお客様に向けて、とアイディアを出し合い コラボ企画も長年継続して続けています ──────

    ■ ニットは面白い

    ────── 例えば「糸を撚る」 糸を撚るときに3本の糸で撚ろうと思うと 3本の、撚る順番が違うだけで色の出方が違ってきます。 それぞれの糸を選んで一本の糸にするとき 大体想像はつくんだけど それでもたまに、 糸を選び、撚糸をしてもらったら 「あれ、この色選んだっけ?」 って びっくりすることもあったり(笑) 毎回が試行錯誤 でも、その回り道があったことで それが返って良かったりすることもあるから モノ作りって面白い。 ──────

    ■ ニットには緻密な設計図があります

    ────── 大抵の洋服は「生地選び」がはじまりだと思いますか ニットは、その手前の「糸選び」から始まります 糸を染め 糸を選び 糸を撚り 図面通りに編み立て 縫製へ 工程が多いため 世の中のトレンドが動き出す ずっと前から製作をスタートさせる必要があります だからこそ あえて「トレンドは無視(笑)」というスタンスで 自分たちが理想とするものづくりに 没頭できるのです デザインに合わせて 通常では編むのが難しい素材に挑戦することも しばしば 糸の性質 機械の特性 そして工場の得意分野までを熟知した 数字がいっぱい書かれた緻密な設計図がなければ 独創的な一着は完成しません 今現在 このニットの設計図が描ける ニット専門家、ニットのプロが少なくなっているのも 現実です boussole 代表菅原 ──────
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