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古筆臨書のすすめ|平安の名筆から学ぶ、仮名書道の世界

公開日:2026/06/01 更新日:2026/07/10

【古筆臨書とは?】

古筆臨書(こひつりんしょ)とは、平安〜鎌倉時代の仮名の名筆を手本に、その筆の運びや紙面の構成を学んでいく書道の稽古法です。 写経が経文を書き写すのに対し、古筆臨書では仮名の美しさ(文字の形・筆の流れ・紙面の構成)そのものを学ぶため、多くの方に親しまれています。 はじめての方にはまず「三大古筆」からお試しください。先生に師事されている方は、ご流派の手本に合わせてお選びください。

【仮名書道の規範となる三大古筆】

①高野切(こうやぎれ)

『古今和歌集』の現存最古の写本として知られ、仮名古筆の基本とされる名品です。 三種の書風に分かれますが、全体として端正で気品があり、自然な連綿と美しい字形が特徴です。 仮名書道では最初に学ぶ古筆として扱われることが多く、仮名の基礎を身につけるうえで欠かせない古典です。

②関戸本古今集(せきどぼんこきんしゅう)

『古今和歌集』の写本で、小ぶりな文字を緻密に連ねた流麗な書風が特徴です。 線には豊かな抑揚と変化があり、繊細さの中に力強いリズムを感じさせます。 高野切と並ぶ平安古筆の代表作として知られ、仮名表現の幅を広げる古筆として高く評価されています。

③元永本古今集(げんえいぼんこきん)

現存する『古今和歌集』完本の中で最古の写本として知られます。 華やかな装飾料紙と、縦長で流麗な書風が大きな魅力です。 豊かな連綿と軽快なリズムを持ちながらも格調を失わず、王朝文化の美意識が凝縮された古筆として高く評価されています。

【平安仮名の最高傑作『三色紙』】

三色紙(さんしきし)とは、仮名書道における最高傑作とされる『寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)』『継色紙(つぎしきし)』『升色紙(ますしきし)』の総称です。 いずれも平安時代の仮名古筆を代表する名品として知られ、優雅で格調高い書風と美しい料紙によって、今日でも多くの書人に親しまれています。

【その他の名品古筆】

香紙切(こうしぎれ)は上品で落ち着いた書風を持つ王朝仮名の名品。典雅な仮名の美しさを味わえる古筆として親しまれています。 本阿弥切(ほんあみきれ)は小粒で丸みのある字形が多く、連綿の美しさと、単体文字の切れの良さが華やかな古筆です。 針切(はりぎれ)は字粒が小さく、線が細く鋭いのが特徴です。連綿も長く続くので、独特の緊張感があります。

【店長からの一言】

高野切、関戸本古今集、元永本古今集をはじめ、数多くの古筆が今日まで受け継がれてきたのは、その中に時代を超えて人の心を動かす美しさがあるからではないでしょうか。 古筆臨書は、先人たちが残した美しい文字や料紙の世界に触れながら、自らの書を磨いていく尊い学びです。 寿香堂では、古筆ごとの特徴に合わせた臨書用料紙を一つひとつご用意しております。 ぜひお気に入りの古筆を見つけて、仮名書道の奥深い世界をお楽しみください。