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スタイリストの目が描く、理想の空間 ─ Louise Kaas の自宅

公開日:2025/04/02 更新日:2025/04/03

PAPER COLLECTIVE

世界中のグラフィックデザイナーやイラストレーター、アーティストとコラボし、ユニークで美しいポスターを生み出し続ける PAPER COLLECTIVE(ペーパーコレクティブ)。 環境に配慮した FSC認証の紙を使用し、デンマーク国内で Swanマークの認証を受けた生産を行うなど、持続可能なものづくりにもこだわっています。さらに、売り上げの一部をチャリティーへ寄付するなど、アートを通じて社会貢献にも積極的に取り組んでいるブランドです。 そんな PAPER COLLECTIVE が今回訪ねたのは、コペンハーゲンでインテリアデザイナー・スタイリストとして活躍する Louise Kaas(ルイーセ・コース) さんのご自宅。1930年代のバンガローをゆっくりと丁寧にリノベーションしたその空間には、素材と質感への深いこだわり、そしてアートを愛する心が随所に感じられます。 暮らしに寄り添うデザインとは? アートが空間にもたらす豊かさとは? Louise さんの言葉とともに、その魅力をたっぷりとご紹介します。
(インタビュアー) こんにちは、Louise。今回はお宅にお邪魔させていただきありがとうございます。 まずは自己紹介と、スタイリングやインテリアデザインのお仕事について教えてください。 (Louise Kaas) こんにちは!私はコペンハーゲンにある小さくて居心地のよい家で、夫と2人の娘と暮らしています。 この家を3年前にリノベーションしたことがきっかけで、長年デザイン業界で働き、コミュニケーションの修士号も持っていたにもかかわらず、「やっぱり私が本当にやりたいのはインテリアデザインだ」と気づいたんです。 ずっと自分のビジネスを始めたいという夢がありました。なので、第二子の育休中にインテリア建築の勉強を始め、同時に「Studio Kaas Interior」という会社を立ち上げました。個人宅や商業スペースのインテリアコンサルティングを行い、またブランド向けのスタイリングプロジェクトにも、素晴らしいチームの一員として携わっています。
(インタビュアー) あなたのご自宅や、コペンハーゲンのエリアについて、またリノベーションのこだわりについて教えてください。 (Louise Kaas) 私たちの家は1930年頃に建てられたファンクショナリズム様式のバンガローで、私たちが購入する前に木材で外装が覆われていました。場所はコペンハーゲンのノアブロ/フレデリクスベア地区から自転車で15分ほどの距離です。 購入時には、この家の持つ可能性をしっかりと考え、「どう変えていけるか」を大切にしました。リノベーションは、家に合ったスタイルで、品質の良い素材を使って丁寧に進めることが最初からのこだわり。そのため、一度にすべてをやるのではなく、段階的に進めています。長く愛せる、永く住める家にしたいと思って。 最近は、温かみのある居心地のよいリビングを作ることに取り組みました。 たとえば、フローリングの余り板を使って棚を作ったんです。それがすごく「循環」を感じさせる仕上がりになってお気に入りです。多くのリノベーションをしてきましたが、まだまだ夢や「やりたいことリスト」が尽きません(笑)。たった3年しか住んでいないことを忘れてしまいそうなくらい、やりたいことがたくさんありますね。
(インタビュアー) 色や質感についてのアプローチは、どのように考えていますか? (Louise Kaas) プロジェクトによってお客様のニーズはさまざまなので、アプローチもその都度変わります。家具の配置による空間の有効活用を求められることもあれば、リノベーションのアドバイスや、ちょっとしたディテールの提案を求められることもあります。 色や質感に関しては、まずお客様がすでに持っているものを大切にします。そこから既存のテクスチャーやカラーの「つながり」を見つけ出し、ちょっとした変化を加えることで、全体に調和をもたらす提案をします。もしゼロからデザインを作り上げる場合は、お客様の好みやその空間に込める想いをベースに構築していきます。 私の役割は「お客様が本当に望む家づくり」を実現するお手伝いをすること。私自身のスタイルは二の次。でも、「どんなスタイルでもつながりを見つける力」と「豊富な知識」が、私の最大の強みだと思っています。
(インタビュアー) あなたのご自宅には、Paper Collective の最新コレクションのアートポスター作品も飾られていますね。スケール感や色、質感について、どういった視点で選ばれましたか? (Louise Kaas) リビングには、大きめのアートポスターを取り入れたいと思っていました。天井がそれほど高くないので、大きな作品を飾ることで空間に広がりを持たせたかったんです。 私はミュートカラー(落ち着いた色味)を好みますし、色使いは割とミニマルな方だと思います。なので、空間を柔らかく包み込んでくれるような、控えめなトーンのアートを選びました。見た目に予測がつかないような抽象的なアートが好きで、そういった作品は空間にちょっとした「スパイス」を加えてくれると思います。 家全体のカラーパレットとの相性も、もちろん考えましたよ。実はこの部分は、ちょっとマニアックになるくらいこだわっちゃうんです(笑)。
(インタビュアー) これからリノベーションを考えている人たちに向けて、アドバイスはありますか? (Louise Kaas) 自分で施工する場合も、プロに頼む場合も、「最初にしっかりとした計画と全体像を持つこと」がすごく大切です。それによって、後からの判断ミスや、急いで決めて後悔するようなことを防げます。丁寧に考えられたディテールにこそ満足感が宿りますし、結果的にお金や時間の節約にもなります。 たとえば、すでに素材やデザインを決めていたのに、急にカウンタートップだけ変えたくなった……なんてことがあると、空間全体のバランスが崩れてしまいます。だからこそ、最初の段階で「ムードボード(雰囲気の見える資料)」を作っておくことをおすすめします。
(インタビュアー) 2025年はどんなプロジェクトに取り組まれる予定ですか? (Louise Kaas) すでにワクワクするようなプロジェクトがたくさん決まっています。ノアブロ地区で進行中の大規模な商業プロジェクトの完成、複数の個人宅インテリアプロジェクト。そして6月にデンマークで開催される「3 Days Of Design」でのスタイリング業務にも携わる予定です。 ▼ Louise Kaas(ルイーセ・コース) お気に入りのアートポスターはこちら