■創業から現在まで
菜乃屋は1947年(昭和22年)に、浜松市中央区佐藤町で誕生しました。最初は金山寺みそや紅生姜づくりからスタートし、創業者は地域の皆様の食卓を豊かにしたいという思いを胸に秘めていました。
その2年後の1949年(昭和24年)には、今では看板商品となっているわさび漬の製造を始めることになりました。丁寧な手仕事と確かな品質が認められ、1967年(昭和42年)には全国漬物品評会で厚生大臣賞という素晴らしい賞をいただきました。そして嬉しいことに、2024年(令和6年)にはジャパン・フード・セレクションでわさび漬製品としては初めてグランプリに輝くことができました。
1955年(昭和30年)からは味噌漬も仲間入り。たくさんの種類をご用意して、地域の皆様に長年親しまれています。
また、地元の特産品を使った新しい商品づくりにも力を入れ、1960年(昭和35年)には静岡県西部地方の特産品であるマスクメロンの若い実(小メロン)を使った漬物を開発しました。このメロン漬も1973年(昭和48年)に厚生大臣賞をいただき、菜乃屋の技術力が高く評価されました。
創業以来、地元静岡の新鮮な食材を大切に、素材の良さを引き立てる製法を守り続けています。
■代々受け継がれる伝統的な製法
菜乃屋では、創業以来70年以上にわたって、大切な漬物づくりの技を守り続けてきました。特にわさび漬は、素材選びから漬け込みまで、職人たちの丁寧な手仕事で作られています。
わさびの香りと食感を存分に引き出すために、根・茎の分量やカットの仕方、漬け込む時間にもこだわりながら、長年培ってきた製法を受け継いでいます。味噌漬も同じように、上質な味噌と新鮮な野菜を使い、しっかりと熟成させることで、深い味わいのある漬物に仕上げています。
こうした製法は、代々受け継がれ、今の職人たちがさらに磨きをかけています。時代と共に効率化が進む中でも、本来の美味しさを守るため、手作業での確認を大切にしています。
■地域との関わり
菜乃屋は創業以来、地域の皆様との絆を大切にしてきました。地元の農家さんと良い関係を築き、新鮮な食材を使った漬物づくりを心がけています。また、地域の食文化を守り育てる活動も行っています。
特に、手作りわさび漬教室を開いたり、地域のイベントに出店したりして、食文化の継承と地域の皆様との交流を深めています。若い世代の方々にも漬物の良さを知っていただき、地域の活性化にも貢献できればと考えています。
また、地元の土産品協会の皆様とも力を合わせて、浜松の食文化を全国に発信する取り組みを進めています。観光でいらっしゃる方々に、地元の特産品の魅力をお伝えしています。