ようこそ 楽天市場へ

日常の余白に。平山昌尚が描く気の抜けたアートジン

公開日:2026/05/20 更新日:2026/05/20
作品集というより、スケッチの記録です。 きれいな解説本でも、巨匠の作品をありがたく並べた本でもありません。 『BRANCUSI』は2024年5月にパリで描かれたブランクーシ展のスケッチ集、64ページ・500部限定。『MATISSE』はパリ市立近代美術館のマティス・ルームで描かれた「DANCE」のスケッチ集、24ページ・500部限定です。どちらも発行はYVON LAMBERT。 平山昌尚さんが、パリで『BRANCUSI』と『MATISSE』を見て、その場で線にした本。 線はかなり少ないです。 でも、対象を見ていない人には描けない線でもあります。
『BRANCUSI』は、ポンピドゥー・センターで開催されていたコンスタンティン・ブランクーシの展覧会を訪れた時のスケッチ集。彫刻を写実的に描くのではなく、形の芯だけを拾っているような内容です。 ブランクーシの彫刻は、もともと形を削ぎ落としていった作品が多い。 それをさらに平山さんの線で描くと、説明がどんどん消えていきます。 でも、逆に「見た」という感じだけが残る。
ここが面白いところです。 上手い絵を見たい人には、たぶん物足りない。 でも、ものを見る時の反応や、記憶に残った形を見たい人にはかなり面白い。 線が少ない分、自分でもページをめくりながら考えます。 これは鳥なのか、顔なのか、台座なのか、ただの輪郭なのか。 正解を読む本ではなく、目で追う本です。
『MATISSE』は、アンリ・マティスの「DANCE」を描いたスケッチ集。 こちらはさらに軽い。 ページ数も24ページで、厚みもほとんどありません。 でも、この薄さがいいです。 マティスの「DANCE」は、身体の動きや輪郭が重要な作品ですが、平山さんのスケッチになると、さらに線だけになります。 絵を説明するのではなく、動きの跡だけを残している感じです。
以前紹介したホンマタカシの中銀カプセルタワーのポスターや本と、少しつながるところがあります。 あれも建築そのものを大げさに語るというより、都市の中にあった時間や距離感を見せるものでした。 今回の2冊も、ブランクーシやマティスを「美術史」として見るより、誰かがその場で見た痕跡として見る本です。 完成された作品を、もう一度ラフな線に戻す。 そこに良さがあります。
本棚にきれいに並べるアートブックというより、机の上に置いて何度か開きたくなる本です。 紙も装丁も、ノートに近い軽さがあります。 作品を所有するというより、スケッチの時間を一冊分持ち帰る感覚です。
注意点として、内容はかなりミニマルです。 作品解説をしっかり読みたい人、図版をたくさん見たい人には向きません。 特に『MATISSE』は薄いので、ボリュームを期待すると違います。 ただ、平山昌尚さんの線が好きな人、YVON LAMBERTらしい小さな出版物が好きな人には、かなり良いです。 500部限定という点も含めて、あとから探すと見つかりにくくなるタイプの本だと思います。
巨匠の作品を、巨匠らしく扱わない。 そこがこの2冊の一番いいところです。 きれいにまとめすぎていないから、見る側の余地が残っている。 ブランクーシとマティスを、平山昌尚さんの線で見る。 美術館の図録とは別の楽しみ方ができる、小さなスケッチブックです。
更新日08/10(08/03〜08/09集計)
star-ratingstar-ratingstar-ratingstar-ratingstar-rating5
2026/08/10
bmdom
女性
30代
見た目も音色も素敵です。いつか3種類揃えたいです。贈り物にもぴったりの商品だと思います。
注文日:2026/08/05
star-ratingstar-ratingstar-ratingstar-ratingstar-rating5
2026/08/10
ryu1236
男性
30代
軽くてお好みでした。 使用するのが楽しみです!
注文日:2026/08/05