自然光を活かす商品撮影テクニック
ECサイトやSNSで商品を魅力的に見せるには、ライティング(照明)がとても重要です。特に初心者でも手軽に活用できる自然光は、費用をかけずに美しい写真を撮影できる最強のツールと言えます。本記事では、自然光を活用した商品写真の撮影テクニックを解説します。プロのような仕上がりを目指して、ぜひ参考にしてください。
1. 自然光を活かすライティングの基本
■自然光を使うメリット
○費用がかからず手軽
自然光は最も手軽で経済的な照明方法です。特別な機材を買わなくても、太陽の光さえあれば撮影を始められます。
○柔らかく自然な仕上がり
窓から差し込む柔らかい光を利用することで、商品に自然な光沢と質感を与えられます。影も柔らかくなり、やさしい雰囲気の写真に仕上がります。
○商品の色味が正確に再現できる
太陽光は一般に「色かぶり」が少なくカラーが正確なので、商品の本来の色合いを忠実に表現できます。人工照明による色の偏りがないため、閲覧者に実物に近い色を伝えられます。
■最適な撮影時間と天候
○朝の時間帯がベスト
一日の中で太陽光の質は変化します。朝の光は柔らかく比較的穏やかなので、日中よりも撮影に向いています。
○曇りの日が意外とおすすめ
快晴の日よりも薄曇り~曇りの日の方が、空全体が雲という大きなディフューザー(拡散板)になってくれるため、光が均一に回り込みます。雲が太陽を遮ってくれるおかげで自然と透過光になり、被写体にきつい影が出ません。直射日光が入らない明るい曇天は、実は商品撮影に絶好のコンディションです。
○直射日光は避ける
強い直射日光下ではコントラストが高すぎて商品のディテールが飛んでしまいがちです。直射日光は特に硬くて扱いが難しいため、撮影はできるだけ避けましょう。どうしても強い光が当たる場合は、レースカーテンやトレーシングペーパーで光をやわらげたり、日陰になる場所を活用して撮影するのがおすすめです。
2.自然光を活かす撮影テクニック
■窓際での撮影が基本
窓際にテーブルを置き、背景をセットして商品の正面に光が来るようにレフ板を立てると、自然光で商品の魅力を引き出せます。光がたっぷり入る窓が理想で、一日中比較的均一な自然光を得ることができます。直射の強い光が差し込むときは、レースカーテンなどで光を拡散させて柔らかい光に調整しましょう。窓から入る自然光を上手に使うことで、シンプルなセッティングでも綺麗な商品写真を撮影できます。
■レフ板を活用する
商品の陰になって暗く見える部分には、レフ板(反射板)を使って光を当てて明るくしましょう。レフ板を被写体の反対側に立てれば、自然光を反射させて影の部分をやわらかく持ち上げることができます。専用のレフ板を用いると便利です。もしレフ板が手元にない場合でも、厚紙や発泡スチロール、コピー用紙など白いものを代わりに置けば簡易レフ板の役割を果たします。レフ板で光を調整して、商品の暗部にも光が当たるよう調整しましょう。
高品質なレフ板で光をコントロールしたい方にはピノスタジオのレフ板がおすすめです!
■背景を工夫する
写真の背景によって商品の印象は大きく変わります。初心者には無地の白背景がおすすめで、どんな商品とも相性が良く清潔感があります。白背景は商品の形や色を正確に表現できるため、まず押さえておきたい定番です。
一方で、木目調や大理石調など模様入りの背景シートを使うと雰囲気を演出できます。例えば木目ならナチュラルで温かみのある印象、大理石柄なら高級感やスタイリッシュな印象を与えることができます。実際、商品撮影には白背景のほかにも木目調・大理石調など様々な背景パターンが人気です。撮影用の背景シートを活用し、商品のコンセプトに合った背景を選んでプロらしい一枚に仕上げましょう。
■アングルと構図を意識
カメラの角度や写真の構図にも工夫してみましょう。商品の形状を立体的に見せたい場合は、真正面から撮るだけでなく斜め45度の角度から撮影してみてください。45度方向からの撮影は一度に複数の面を写せるため、商品の奥行きやディテールを伝えやすく、現実的で見栄えの良い写真になります。
また、写真の三分割構図も試してみましょう。画面を縦横それぞれ3分割するグリッドをイメージし、その交点付近に商品を配置するとバランスの取れた構図になります。
被写体を中央から少しずらすことで余白にゆとりが生まれ、視線を自然に誘導しつつおしゃれな印象を与えることができます。慣れないうちはグリッド線を表示させて撮影すると良いでしょう。
3. 撮影後の仕上げ
■スマホの編集機能を活用
撮影後はスマートフォンの標準編集機能で写真を調整して、クオリティをさらに高めましょう。まず明るさやコントラストを適切に補正するだけでも、写真の印象がぐっと良くなります。暗すぎる場合は明るさを上げ、コントラストを調整して商品の質感がしっかり見えるようにします。また、気になる影や写り込んでしまった不要物がある場合は、トリミングでカットしたり、スマホの補正機能で消しておきます。最近のスマホは高度な編集機能を備えており、選択範囲の明るさ調整や不要な箇所の消去なども簡単に行えます。元の写真の雰囲気を崩さない程度に微調整して、商品の魅力を引き出しましょう。
②アプリでの簡単レタッチ
さらに凝った編集をしたい場合は、専用の画像編集アプリを活用しましょう。Snapseed(スナップシード)はGoogle提供の無料アプリで、基本的な露出や色味の補正はもちろん、ブラシ機能で写真の一部分だけ明るさや色を調整する部分補正が可能です。不要なものを消せる「シミ除去」機能も備わっており、商品写真の細かいレタッチに便利です。
一方、VSCO(ヴィスコ)は操作がシンプルで使いやすい編集アプリです。おしゃれなフィルターが豊富に揃っているため、写真全体の色味を整えてイメージに合った雰囲気に仕上げるのに役立ちます。
例えば、商品の世界観に合わせて落ち着いたトーンにしたり、明るくポップな色合いに調整することもワンタップで可能です。これらのアプリを使えば、スマホだけでも簡単にプロ並みのレタッチができるのでぜひ試してみてください。
4. まとめ
自然光を活用すれば、初心者でもプロ並みのクオリティで商品写真を撮影することが可能です。まずは自宅の窓際での撮影に挑戦し、本記事で紹介したライティングのコツを実践してみましょう。
必要に応じてレフ板や背景シートも取り入れると、さらに完成度の高い写真になります。最後に少し編集を加えるひと手間も忘れずに。これらの方法を取り入れて、あなたの商品写真のクオリティをぜひワンランクアップさせてください!