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伸縮リードの使い方と安全対策:専門家が語る注意点

公開日:2025/04/18 更新日:2025/05/07
近年、ボタン操作で長さを自由に調節できる犬用リード「伸縮リード(フレキシブルリード)」の人気が高まっています。飼い主の歩行圏から数メートル先まで犬を行かせてあげられる便利さが魅力ですが、その反面、誤った使い方による事故やトラブルも多く報告されています​。専門家も「伸縮リード自体が悪いのではなく、使い方次第で安全かつ便利なツールになり得る」と指摘しており​、安全に利用するためには正しい知識と注意が不可欠です。本記事では、伸縮リードのメリット・デメリットから、獣医師やドッグトレーナーなど専門家のコメント、安全に使うポイント、さらに実際に起きた事故事例や関連データまで網羅し、安心して愛犬との散歩を楽しむための情報をお届けします。
伸縮リードのメリットと隠れたリスク
伸縮リードのメリット: 伸縮リード最大の利点は、犬が動き回れる範囲を広げられることです。リードを伸ばすことで飼い主から離れた場所の匂いを嗅いだり探検したりでき、犬にとって大きな刺激やストレス解消になります。特に好奇心旺盛な犬の場合、短い固定リードでは行けない範囲の匂い嗅ぎができるのは精神的満足につながり、十分な運動と自由を与えられた犬は心身ともにリラックスするとされています。 獣医師の見解でも「周囲に人や他の犬がいない安全な場所なら、ほぼノーリード感覚で犬を自由に動かせる」点が伸縮リードの大きなメリットとされています。この自由な散策によって飼い主への信頼感や絆が深まるとの指摘もあり、遠隔での「マテ」や「オイデ」の練習といったトレーニング用途にも活用できます。実際、上手に活用した飼い主からは「うちの子の散歩が劇的に楽しそうになった」「ストレス発散になり問題行動が減った」という声もあるそうです。 伸縮リードのリスク: 一方で、伸縮リードには看過できないデメリットやリスクも存在します。急な制御が難しいことは大きな欠点で、犬が突然他人や他の犬に向かって走り出したり車道に飛び出しそうになったとき、瞬時にリードを巻き取って制止するのは困難です。特に5~8mといった長さまで伸びている場合、ボタンを押しても完全に巻き取るまでに時間がかかり、とっさの制御が間に合わないことがあります。 またリード部分が細いコード状のため手繰り寄せにくく、犬が勢いよく走った際に飼い主が引き倒され転倒する危険も指摘されています。実際、伸縮リードの扱いに不慣れな子供や高齢者がリードを持っていて犬に引っぱられ、怪我につながるケースもあります。 さらにリードを長く伸ばしたまま周囲に注意を払わないと、細いリードが見えずに他人の足や自転車に絡まるリスクが高まります。絡まったリードで人や犬が転倒すれば、子供やお年寄りなら大怪我につながる可能性もあります。このように便利さの裏に潜む危険を正しく理解しておくことが大切です。
専門家の見解:獣医師/ドッグトレーナー
獣医師の見解: ペット雑誌「いぬのきもち」の獣医師は、伸縮リードの有用性を認めつつも「市街地などでは通常のリードと同じ長さで使う」よう強調しています。周囲に人や他の犬がいる状態で伸ばして使うのはトラブルのもとになるため、伸ばしてよいのは広く安全で、かつ周囲に誰もいない環境に限るべきとされています。実際に「街中で少しでもリードを伸ばしていたせいで、人や自転車と接触・咬傷事故につながった」「他の犬に吠えかかり噛み付いた」「よその家の敷地に入り込んでトラブルになった」「飛び出して交通事故に遭った」といった例が起きており、伸縮リードは使い方を誤ると様々な事故を招きかねないと獣医師は警鐘を鳴らしています。そのため、「普段の散歩では伸縮リードは使わない」くらいの心構えで、安全な場面以外では常に短く固定して用いるのが望ましいというアドバイスです。 ドッグトレーナーの見解: 家庭犬しつけインストラクターの西川文二氏の指導では、伸縮リードは拾い食いや飛び出しを防げないため普段の街中散歩では使用しないのが原則です。使用するとしても、ロングリードを使った呼び戻し練習や広場でのボール遊びなど特定の場面でのみ、他人や他犬がいないことをしっかり確認した上で使います。伸縮リードを使う際は「リードの長さ内は実質ノーリード状態と考える」べきで、常にリードがたるまないよう細心の注意を払う必要があると述べています。リードがゆるんだ状態で放置すると犬や人に絡み危険ですし、その状態で急に巻き取るとムチで打たれたような衝撃で怪我を負わせる恐れもあるためです。万一犬が制御不能になりかけたら即座にストッパーを押し、犬をコントロールできる状況でのみ伸ばす、といった細かな操作手順も教えているとのこと。このようにプロのトレーナーも「基礎(しつけや環境整備)ができていないうちに使うべきではない」「基本的な注意事項を厳守すること」が伸縮リード使用の大前提だと強調しています。
安全に使うための注意点
• 事前点検: 散歩に出る前にリードの状態をチェックしましょう。紐部分にほつれや劣化がないか、巻き取り機構やロックが正常に作動するかを確認します。 • ロックの徹底: 散歩中は基本的にロックを掛けたまま使用し、安易にリードを伸ばさないようにします。特に交通量の多い場所では絶対にリードを伸ばさず、常に短く保持しておくことで、愛犬が不意に車道に飛び出す事故から守れます。 • 環境の選択: リードを伸ばすのは車や自転車が通らず、人や他の犬もいない広く見通しの良い場所に限定しましょう。例えば広い公園やドッグランでは伸縮リードが活躍しますが、伸ばしている間も常に犬から目を離さず監視することが必要です。 • しつけの徹底: 「待て」「おいで」など呼び戻しの訓練を事前に十分行っておき、万が一ロック操作が間に合わない場合でも声の指示で犬を制止できるようにしておくことが理想です。伸縮リードは犬の行動範囲が広がる分、飼い主の声によるコントロール力が試されます。 • 持ち手の落下防止: 持ち手(グリップ)を手首に固定するストラップを併用することをおすすめします。伸縮リード本体は重く硬いプラスチック製のため、うっかり手を滑らせて落とすと大きな音に犬が驚いて逃走する例が後を絶ちません。実際に散歩中にリードを落としてしまい、音にパニックになった犬が走り出して交通事故に遭うケースも報告されています。 • 適切な装着具: 首輪ではなくハーネス(胴輪)を使用するのも安全策として推奨されます。首輪に伸縮リードをつなぐと、犬が全力で走っていて急にリードが止まった際に首に強い衝撃がかかり頚部を負傷する恐れがありますが、ハーネスなら衝撃が分散され比較的安全です。 • 子供に持たせない: 伸縮リードの操作は複雑で力も必要なため、小さなお子さんには扱わせないようにしましょう。実際、子供が持っていてロックを外したまま走られてしまったり、重い持ち手を支えきれず落として事故になるケースが報告されています。必ず大人が責任を持って使用してください。 以上のポイントを守れば、伸縮リードは犬との散歩をより快適に楽しむための素晴らしいアイテムになります。実際に多くの愛犬家が安全に配慮しつつ伸縮リードを上手に活用しており、「使い方次第で便利にも危険にもなる」道具であることを常に心に留めておくことが大切です。
犬の散歩に関するデータから見る安全性
実際どれほどの事故が犬の散歩中に起きているのでしょうか?公的なデータや統計から、リード使用の実態と安全性について把握しておきましょう。 • 犬による咬傷事故件数: 環境省の資料によれば、犬による対人咬傷事故は毎年数千件規模で発生しています。例えば2007年度には全国で5,500件もの噛み付き事故が報告されており、近年は犬の飼育頭数減少に伴い減少傾向とはいえ2020年でも約4,602件発生しています。30年前(1990年)の9,618件から比べると半数以下に減ったものの、それでも年間数千件規模で人が犬に咬まれている現状です。注目すべきは、被害者の約90%が飼い主家族以外の第三者であり、特に「道路や公園を通行中」に犬に咬まれるケースが昔も今も全体の約半数(現在49%)を占めます。つまり、散歩中にすれ違いざま他人に噛み付いてしまう事故が非常に多いのです。伸縮リードに限らずリードで犬を繋いでいても起こる事故であり、「きちんとリードを付けて制御しているつもりでも通行人に怪我をさせてしまうリスク」は常に存在します。伸縮リードを使う場合は特に、このような事故リスクが高まることを肝に銘じておきましょう。 • リード関連の事故相談: 独立行政法人国民生活センターの報告では、犬用リード製品に関する相談が2004~2008年度の5年間で28件寄せられ、そのうちリードの破断などトラブル事例が15件ありました。さらにその中で実際に怪我に至った事故は5件確認されています。内訳を見ると、飼い主本人が負傷したケース(リード破断による転倒など)が2件、他人が被害を受けたケースが3件でした。他人への被害例では、リードが切れて犬が逃走し噛み付いた、飛び出して衝突した等の内容が報告されています。これはリードそのものの強度・不具合による事故数であって件数自体は多くありませんが、「リードが切れる」という最悪の事態になれば犬がノーリード状態となり周囲への危害が拡大する恐れがあることが示されています。実際、国民生活センターの強度テストでは20kg以下用と表示されたリードが29.8kgfで破断するなど、製品性能にばらつきがある実態も明らかになっています。リードの耐久表示を過信せず、定期的に点検し劣化したら交換することが大切です。
• 海外のデータ: 海外でもリード使用中の事故は問題視されています。米国消費者製品安全委員会(CPSC)の報告では、2007年に16,564件ものリード関連の負傷事故が病院で治療されています。2013年にはペット用品全般による負傷が55,000件超と報告され、その相当数がリード起因と推測されています。具体的な負傷例としては、犬に引っぱられて転倒骨折、細いコードが手や足に食い込んで裂傷・火傷、突然リードが伸び切った反動で指を切断した例や、犬の首輪が外れてリードが勢いよく巻き戻り飼い主の目に当たって失明した例まで報告されています。こうした事態から、米国の一部の市や公園では伸縮リードの使用を禁止・制限する動きもあるほどです。日本でも法的規制こそありませんが、「安全のために伸縮リードは使わない方が良い」という意見は確実に広がっており、改めて慎重な使用が求められています。 このようにデータを見ても、犬の散歩には常に事故のリスクが伴うことが分かります。しかし同時に、適切な製品選びと使い方でそのリスクを大きく減らすことができるのも事実です。次章では総まとめとして、安全に伸縮リードを活用するポイントを整理します。
まとめ:正しい使い方で安全・快適な散歩を
伸縮リードは上手に使えば犬に適度な自由を与えつつ安全を確保できる便利な道具です。一方で、使い方を誤れば自分や愛犬、他人に危険を及ぼす可能性がある両刃の剣ともいえます。専門家たちのコメントや事故事例から学べるように、最大のポイントは「飼い主がリードをコントロールできる状況でのみ伸ばす」こと、そして「コントロール不能な状況を作らない」ことに尽きます。 最後に、安全に伸縮リードを使いこなすための要点を改めてまとめます。 • 周囲の状況第一: 人通りや他の犬がいる場所、車や自転車が近くを通る場所では絶対にリードを伸ばさない。そうした環境では通常の固定リードと同様の長さで十分です。 • 安全な場でのみ解放: リードを伸ばして犬に自由行動させるのは、広く開けた安全な場所に限ります。伸ばしている間も油断せず、常に愛犬を見守りましょう。 • 定期的な点検と適切な製品選び: リード本体や紐の状態をこまめにチェックし、劣化が見られたら早めに新品に交換します。耐荷重表示や口コミなどを参考に、信頼できるメーカーの製品を選ぶことも重要です。 • しつけと練習: ロングリードに慣れる練習や基本的なしつけ(呼び戻し・待て等)を十分に積んだ上で使い始めましょう。犬がリードの長さによって混乱しないよう、一貫した指示出しを心がけます。 • 「もしも」を常に想定: 伸縮リード使用中は、犬が突然走り出す・他人に向かう・リードが切れる等の最悪の事態を頭に入れておきましょう。その上で、ストッパーボタンに指を添えて即座にロックできる準備や、手を離さないグリップの工夫(ストラップ使用)、万一離れてしまった場合の呼び戻し手段など、複数の安全策を講じておくことが求められます。 伸縮リードは正しく使えば、愛犬との散歩をより楽しく充実した時間にしてくれるアイテムです。愛犬に普段以上の自由を経験させてあげられれば犬の満足度も上がり、飼い主との信頼関係も深まるでしょう。ぜひ本記事で紹介した専門家の教えや事故例を他山の石として、「第二の被害者・加害者」にならないよう十分注意しつつ伸縮リードを活用してください。正しい知識とマナーを持った上で、安全第一に配慮すれば、きっと愛犬とのお散歩が今まで以上に快適で楽しいものになるはずです。