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歯磨き後にうがいしすぎるのはNG?

公開日:2025/10/13 更新日:2025/10/13

1. はじめに

毎日の歯磨きの最後に行う「うがい」。口の中をすっきりさせたい気持ちから、何度も強めにうがいをしている方も多いのではないでしょうか。しかし、実は「歯磨き後にうがいをしすぎること」は、歯の健康にとって必ずしも良い習慣とは言えません。特にフッ素配合の歯磨き粉を使っている場合、うがいの仕方次第でせっかくの効果を弱めてしまう可能性があるのです。 本記事では、歯磨き後のうがいがなぜ重要なのか、どの程度が適切なのか、そして実践的なオーラルケアの方法について詳しく解説していきます。

2. 歯磨き後のうがいとフッ素の関係

<フッ素の働きとは?> 多くの歯磨き粉に含まれているフッ素は、虫歯予防において欠かせない成分です。フッ素は以下のような働きをします。 ・再石灰化を促進する:酸によって溶け出したエナメル質のミネラルを再び取り込み、歯を修復する。 ・酸に強い歯をつくる:フルオロアパタイトという構造を形成し、虫歯になりにくい歯質にする。 ・細菌の活動を抑える:プラーク中の細菌が酸を作り出す働きを弱める。 これらの効果を発揮するためには、歯磨き粉に含まれるフッ素が口腔内に長く残ることが大切です。 <うがいでフッ素が流される> ところが、歯磨き後に大量の水でうがいをしてしまうと、せっかく歯の表面に付着したフッ素が一気に流されてしまいます。その結果、フッ素の虫歯予防効果が十分に働かなくなるのです。

3. うがいの「しすぎ」が

 NGとされる理由

<1回の大量のうがいでフッ素がゼロに近づく> たとえばコップ一杯の水で何度も口をすすぐと、歯磨き粉の有効成分はほとんど口の中に残りません。つまり「ただ歯をきれいにしただけ」で終わってしまい、フッ素配合歯磨き粉を使っている意味が半減してしまいます。 <口の中がすっきり=効果が薄れる?> 「口の中にぬるぬるが残るのが嫌だから」と、念入りにうがいをする方もいます。しかし実はその“ぬるぬる感”が、フッ素や有効成分が歯の表面にとどまっている証拠なのです。 <習慣的な「すすぎすぎ」がリスクに> ・子どもが強いうがいを習慣化 → フッ素の恩恵を受けにくい ・高齢者が何度もうがい → 唾液が減っているためさらに効果が薄れる ・虫歯リスクが高い人(矯正中・根面露出など) → 必要なフッ素が届かず予防効果ダウン

4. 適切なうがいの方法

<基本は「少量・1回」> 日本小児歯科学会や歯科医師会の推奨によると、歯磨き後のうがいは 「水は少量(5〜15ml程度)、回数は1回」 が最も効果的とされています。 ・コップにほんの少し水を入れる ・口に含んで軽くゆすぐ ・強くぶくぶくせず、やさしく1回だけ この程度であれば、歯の表面にフッ素が残りやすくなります。 <就寝前は特に意識する> 夜寝ている間は唾液の分泌が減り、虫歯リスクが高まります。そのため、就寝前の歯磨き後は「ほとんどうがいをしない」あるいは「少量で軽く1回だけ」にするのが理想です。 <子どもに教えるときの工夫> ・「ちょびっとだけお水を使おうね」と伝える ・コップに線を引いて目安を作る ・親子で一緒に実践して習慣化する

5. どうしてもすっきりさせたいときは?

「歯磨き粉の残りが気になる」「口の中をすっきりさせたい」という人も少なくありません。その場合は以下の工夫がおすすめです。 <ノンフォーム(低発泡)の歯磨き粉を使う>  泡立ちが少ないため、口の中に残る感覚が和らぎます。 <フッ素入りマウスウォッシュを使う>  歯磨き後にどうしてもすすぎたい場合、フッ素配合の洗口液を利用すれば効果を補えます。 <朝はしっかり、夜は控えめ>  日中は人と会う前にすっきり感を優先、夜はフッ素効果を優先する、とシーンで使い分ける方法もあります。

6. 間違えやすいポイント

<歯磨き後にお茶や水を飲むのは?>  飲食もフッ素を流してしまうため、歯磨き後30分程度は控えるのが望ましい。 <フッ素無配合の歯磨き粉ならうがいしてもいい?>  フッ素効果は不要ですが、清掃効果を長持ちさせる意味では過度なうがいは避けたほうが無難。 <口腔内が乾燥する人は?>  うがい後に保湿ジェルやマウススプレーを使うと、乾燥感を和らげつつフッ素効果も維持できます。

7. まとめ

歯磨き後のうがいは「しすぎるとフッ素が流れてしまう」という大きな落とし穴があります。 ・フッ素は虫歯予防に不可欠 ・大量のうがいで効果が激減 ・推奨は「少量の水で1回だけ」 ・特に就寝前は意識してフッ素を残す ・どうしても気になる場合はフッ素洗口液や低発泡の歯磨き粉を活用 毎日の習慣を少し工夫するだけで、虫歯予防効果は大きく変わります。ぜひ今日から「うがいは控えめに」という新習慣を取り入れてみてください。 ※とはいえフッ素に対する安全性の心配もあります。フッ素使用についてはそれぞれの考えでご使用下さいますようお願いいたします。

参考文献

・日本小児歯科学会「フッ化物配合歯磨剤の使用方法」 ・日本歯科医師会「フッ素の効果と使い方」 ・厚生労働省「フッ化物応用によるう蝕予防」