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江戸時代の歯磨き方法|和の暮らしに学ぶナチュラルオーラルケア

公開日:2025/07/24 更新日:2025/07/29
近年、ナチュラル志向や伝統的な生活スタイルへの関心が高まる中、私たちのオーラルケアにおいても「昔ながらの知恵」への注目が集まっています。中でも、日本の歴史の中で独自に発展してきた江戸時代の歯磨き習慣は、現代に通じる健康意識や自然素材の活用法が随所に見られ、オーラルケアの原点ともいえる知恵が詰まっています。 この記事では、江戸時代の人々がどのように口腔ケアをしていたのかをひもときながら、現代に取り入れられるヒントを探っていきます。

1. 江戸時代の口腔ケア事情とは?

江戸時代(1603年~1868年)は、日本独自の文化が花開いた時代。都市生活者が増え、身だしなみや衛生への関心も高まりました。歯や口元の美しさを保つことは、当時の人々にとっても重要な身だしなみのひとつであり、実は多くの人が毎日「歯磨き」を行っていました。 また、江戸時代中期以降は「白い歯」が美しさや清潔感の象徴とされるようになり、女性を中心に歯の手入れを積極的に行う文化が広まります。歯が黒い「お歯黒」の風習も存在しましたが、これは結婚や成人女性の象徴的な習慣であり、日常のオーラルケアとは別物として存在していました。

2. 江戸時代の歯磨きアイテム

|現代にも通じる自然素材の知恵

■ 歯磨き粉の原型「歯磨き粉(はみがきこ)」 江戸時代の人々は「歯磨き粉(はみがきこ)」と呼ばれる粉末を使って歯を磨いていました。これは現代のペースト状歯磨き粉とは異なり、主に以下のような自然素材を混ぜ合わせて作られていました: ・塩:消毒・抗菌作用があるとされていた ・炭の粉(木炭):口臭を抑えるとともに、歯を白くする作用を期待 ・貝殻の粉(特にホタテやハマグリ):細かく砕いて研磨剤として使用 ・抹香(まっこう):仏教で使われる香り高い木の粉。消臭・清涼効果があるとされた ・丁子(ちょうじ/クローブ):殺菌作用のある香辛料で、虫歯や口臭予防に使われた これらの素材を組み合わせて、粉状の「歯磨きこ」として販売され、町の薬屋や露店などで手軽に入手できました。丁子を単体で噛むというケア方法も存在していたようです。 ■ 歯ブラシの原型「房楊枝(ふさようじ)」 歯磨きに使用されていたのが「房楊枝(ふさようじ)」と呼ばれるもので、細長い木の枝の先を叩いてほぐし、筆のようにしたものです。素材には**クロモジ(黒文字)やヤナギ(柳)**などの香りがよく、抗菌性のある木が使われていました。 この房楊枝に歯磨き粉をつけ、歯を丁寧に磨いていたのです。ブラシ部分がすり減ると先を切ってまた叩き、再び使えるというエコな設計も、現代のサステナブルな意識に通じます。

3. 歯磨きはいつするの?

 江戸のタイミングと作法

江戸時代の人々は、主に朝と寝る前の1日2回、歯を磨くのが一般的だったとされています。特に朝の歯磨きは、「口を清める」意味合いが強く、起きたらまず歯磨き、そしてうがいをしてから食事や活動を始めるという流れでした。 また、歯を磨いたあとは香を含んだ「口中清涼剤」や「口中香」を使い、口臭を防ぐための習慣も存在していました。これは、今日でいうマウスウォッシュや口臭ケアタブレットのような役割を果たしていたと言えるでしょう。

4. 当時の人々の歯の健康状態は?

江戸時代の人々は、意外にも歯の健康に対する意識が高く、当時の文献や浮世絵などにも「歯磨き風景」がたびたび描かれています。ただし、現代と比べて砂糖の摂取量が少なかったとはいえ、白米中心の食事や漬物などの影響で歯周病や口臭に悩まされる人も多かったようです。 また、歯科治療といえば「入歯師(いればし)」や「歯抜き師」が存在し、虫歯になれば抜歯が一般的でした。麻酔のない時代、歯を抜くのは大変な苦痛だったとされ、できるだけ予防するために日々のケアが重視されていたのです。

5. 江戸の知恵を現代に活かすには?

江戸時代のオーラルケアには、私たち現代人が見直すべき要素が数多く含まれています。以下のような実践が、ナチュラル志向の方にもおすすめです: ・自然素材のケア用品を取り入れる 炭配合の歯磨き粉や、クローブ入りのマウスウォッシュなどは江戸の知恵を現代風にアレンジした代表例。 ・朝の歯磨き・うがいを生活習慣にする 起床後すぐのオーラルケアは、感染症予防にも効果的です。 ・木製や天然素材の歯ブラシを使ってみる サステナブルなライフスタイルを目指す方には、竹や木製の歯ブラシも選択肢に。 ・香りの力で口臭ケアを楽しむ クローブ、ミント、シナモンなど、江戸時代にも使われていた香り成分で、口元からの印象を心地よく整えることができます。

まとめ:江戸時代の歯磨きから学ぶ、

 丁寧な口元ケア

江戸時代の歯磨き方法は、自然素材と丁寧な習慣に支えられた、まさに“和のオーラルケア”。見た目の美しさだけでなく、健康と礼儀作法の一部として大切にされていたその精神は、現代の私たちにも大いに参考になります。 便利さや即効性ばかりが重視される現代ですが、あえて「手間をかけるケア」に立ち返ってみるのも、自分自身をいたわるひとつの方法かもしれません。江戸の暮らしに学びながら、自然体の口腔ケアを楽しんでみませんか?

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