~生活スタイルの変化が歯と口に与える影響とは?~
テレワークや在宅勤務が広がる中、自宅で仕事をする「在宅ワーカー」が増えています。通勤のストレスから解放され、自由度の高い働き方ができる一方で、見落とされがちなのが「口腔ケア」の重要性です。今回は、在宅ワークの生活スタイルが口腔環境にどのような影響を与えるのか、そして健康な口元を保つために意識したいケアのポイントを詳しく解説します。
1. 在宅ワークが
口腔環境に与える5つの影響
①「だらだら食べ」で虫歯リスクが増加
オフィス勤務と違い、時間の制約が少ない在宅ワークでは、つい仕事をしながらお菓子や飲み物を口にしてしまいがちです。この“だらだら食べ”は、口腔内が常に酸性に傾き、虫歯菌が活動しやすい状態になります。特に甘いお菓子や砂糖入りの飲料を頻繁に摂取していると、歯の再石灰化が追いつかず、虫歯のリスクが高まります。
②水分不足で口が乾きやすい
仕事に集中していると、水分補給を忘れてしまうことも。在宅ワーカーは意識的に水を飲まないと、口の中が乾燥しがちになります。唾液は口腔内を潤し、虫歯や歯周病の原因菌を洗い流す重要な役割があります。唾液分泌が少なくなると、口臭や歯周トラブルの原因にもなります。
③「人と話さない」ことによる口まわりの筋力低下
在宅ワークでは一人で過ごす時間が長くなり、会話の機会が大幅に減少します。その結果、口周りや舌の筋肉が衰え、嚥下機能の低下や「口呼吸」の癖が出やすくなることも。口呼吸は口内の乾燥を助長し、虫歯・歯周病・口臭のリスクを高めます。
④「生活のリズムの乱れ」によるケアの忘れ
「朝起きてすぐにパソコンを開く」「昼食後に歯磨きを忘れる」「夜遅くまで作業してそのまま寝てしまう」といったリズムの乱れは、歯磨きのタイミングを曖昧にし、口腔ケアがおろそかになりがちです。
⑤マスクをしない生活で「口臭」を自覚しにくくなる
外出機会が減るとマスクをする機会も少なくなり、自分の口臭に気づくチャンスが減ります。マスク生活では「自分の息の匂い」に敏感になりますが、在宅ではその自覚が薄れ、口臭のケアを見落とすことがあります。
2. 在宅ワーカーにおすすめの
口腔ケア習慣
①食事・間食の時間を決める
食事と間食の時間をルーティン化し、メリハリを持たせましょう。「午前中はコーヒーだけ」「午後は15時におやつタイム」といったルールを作ることで、口腔内が常に酸性に傾くことを防げます。
②水をこまめに飲む
「仕事中は1時間に1回、コップ1杯の水を飲む」などのルールを設けることで、口腔内の乾燥予防に役立ちます。緑茶やコーヒーだけでなく、純粋な水を飲むことが理想です。
③口まわりの筋肉を動かすエクササイズ
会話が少なくなりがちな在宅勤務では、口周りの筋肉を鍛えるエクササイズが効果的です。たとえば「口を大きく開けて“あ・い・う・え・お”を繰り返す」「頬を膨らませる/へこませる」など、1日数分でも継続することで、表情筋や嚥下機能の低下を防げます。
④朝・昼・夜の歯磨きを習慣化
「在宅だから昼食後は磨かなくてもいいや」と思わず、外で働いていたときと同じように、昼食後の歯磨きも続けましょう。特にパソコンの近くに歯ブラシセットを常備しておくと、忘れにくくなります。
⑤セルフチェックを定期的に
鏡を見ながら「舌苔がたまっていないか」「歯ぐきが赤くなっていないか」などのセルフチェックも取り入れましょう。口臭が気になる場合は、舌の清掃やマウスウォッシュも有効です。
3. 忘れがちな「プロのケア」も大切
在宅勤務だと「外出のついでに歯医者へ行く」という習慣も減ってしまいがちです。しかし、半年に1回は歯科医院での定期チェックを受けることをおすすめします。特に見落とされやすい初期の虫歯や歯周病、噛み合わせの異常は、プロの目でしか気づけないことも多いです。
また、近年は「オンライン予約」や「訪問歯科診療」を行っているクリニックも増えており、在宅生活でも無理なく通える体制が整っています。ぜひ積極的に活用してみてください。
まとめ:
働き方の変化が口の健康に影響を与える
在宅ワークは時間の自由度が高く、ストレスの少ない働き方として定着しつつありますが、それと同時に生活リズムや身体活動の低下も招きやすい働き方です。口腔ケアは、こうした変化の中でも健康を守るための大切な習慣の一つ。
仕事の合間にこまめな水分補給、規則正しい食事、そして1日3回の歯磨きを基本に、口元の健康を意識したライフスタイルを築いていきましょう。在宅でも、爽やかな笑顔と健康な歯を保つことは可能です。