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高齢者の夏場のケアで注意したいこと

公開日:2025/07/24 更新日:2025/07/24
~口腔の健康を守るためにできること~ 高齢者にとって夏は、体調を崩しやすい季節です。猛暑による脱水や食欲低下、さらには体力の低下が重なり、健康へのリスクが一層高まります。そんな中で見落とされがちなのが「口腔ケア」。実は夏こそ、口腔内の健康をしっかりと意識しなければならない理由があるのです。本記事では、高齢者の夏場のオーラルケアで注意したいポイントをわかりやすく解説します。

1. なぜ夏場に口腔ケアが大切なのか?

● 脱水による唾液分泌の低下 高齢者は加齢によりもともと唾液の分泌量が少ない傾向にありますが、暑さで水分補給が不十分になるとさらに唾液が減少しやすくなります。唾液は口内の汚れや細菌を洗い流し、自浄作用を果たす重要な役割を担っています。唾液が減ると、口臭・虫歯・歯周病のリスクが高まり、さらには「誤嚥性肺炎」の原因にもなります。 ● 食欲低下による栄養不足 暑さで食欲が落ちると、しっかり噛んで食べる機会が減り、口腔内の刺激も減少します。咀嚼が減ることも唾液分泌低下につながり、悪循環を招きます。栄養バランスの乱れは歯ぐきの健康にも影響を与え、炎症や出血の原因になることもあります。
● 水分補給+口腔の保湿 水分補給は脱水対策としてだけでなく、口腔内の乾燥を防ぐ意味でも重要です。ただし、水やお茶ばかりでは口腔内の潤いを保てないこともあるため、唾液腺マッサージや保湿ジェルの活用もおすすめです。 ● 舌苔(ぜったい)ケアの強化 夏は体力の低下や脱水の影響で舌に白っぽい苔(舌苔)がつきやすくなります。舌苔には細菌が多く含まれ、放置すると口臭や感染症の原因になります。専用の舌ブラシなどを使って、やさしくケアしましょう。 ● 入れ歯の衛生管理を徹底 高齢者の多くが使用する入れ歯も、夏場は細菌やカビの温床になりやすくなります。寝る前には必ず取り外して専用洗浄剤で洗浄し、しっかり乾燥させることが大切です。また、入れ歯のフィット感が悪くなっていないか、定期的に歯科医にチェックしてもらうのも重要です。

3. 夏に起こりやすい

 トラブルとその予防法

● 口臭の悪化 乾燥や舌苔、入れ歯の不衛生が原因となって、夏場は特に口臭が強くなりがちです。口腔ケアに加えて、個包装タイプのマウスウォッシュなどを外出時に活用すると安心です。 ● 誤嚥性肺炎 飲み込み機能が低下している高齢者にとって、唾液に含まれる細菌が肺に入ってしまう「誤嚥性肺炎」は非常にリスクの高い病気です。口腔内を清潔に保ち、日頃からの発声・咀嚼・嚥下のトレーニングも重要になります。口元体操(パタカラ体操など)や水を使った嚥下トレーニングも効果的です。 ● 口腔内の炎症・口内炎 夏は汗とともに体内のビタミンB群が失われやすく、これが口内炎などの原因にもなります。口の中にトラブルが起こると食事もままならず、さらなる体力低下につながる恐れがあります。ビタミン補給と丁寧なブラッシングが予防のカギです。

4. 高齢者のオーラルケアをサポートする

 便利アイテム

● 保湿ジェル・スプレー 口の中が乾きやすい方には、無香料・低刺激タイプの保湿ジェルやスプレーが効果的。就寝前や起床時、またはエアコンの効いた部屋に長時間いる際に使用するのがおすすめです。 ● やわらかめの歯ブラシ 歯ぐきが弱くなっている高齢者には、毛先のやわらかい歯ブラシを使い、力を入れすぎずに丁寧に磨くことが大切です。柄が太めで握りやすいものや、ヘッドが小さめで操作しやすいものも人気です。 ● 口腔ケアシート 外出先や水が使えない場面では、口腔ケアシートが便利です。口の中のネバつきや汚れを拭き取ることで、簡易的な清潔を保てます。無香料や低刺激タイプを選びましょう。

5. 家族や介護者ができるサポートとは?

高齢者が自分でしっかりとケアをするのが難しい場合、周囲のサポートが不可欠です。以下の点を意識しましょう。 ・毎日のケアの声がけ(忘れていないかの確認) ・入れ歯の洗浄ができているかチェック ・水分補給のタイミングを整える ・月に1回以上の口腔チェック(口臭、歯ぐきの腫れ、舌の状態など) ・定期的な歯科受診のサポート(送迎や予約代行)

6. 歯科医院での

 プロフェッショナルケアも活用しよう

セルフケアに加え、定期的に歯科医院での口腔チェックやプロのクリーニングを受けることで、虫歯・歯周病・誤嚥性肺炎のリスクを下げられます。高齢者の口腔ケアを熟知した「訪問歯科」などのサービスも活用しましょう。

まとめ:夏こそ丁寧な口腔ケアを

高齢者にとって、夏は想像以上に口腔環境が悪化しやすい季節です。唾液の分泌低下や体力の低下、栄養不足といった要因が重なり、虫歯や歯周病、誤嚥性肺炎などの重大な疾患につながることもあります。 夏場こそ、毎日のオーラルケアを丁寧に行い、こまめな水分補給や保湿、入れ歯の衛生管理、そして必要に応じた家族や医療機関のサポートを組み合わせて、口から健康を守りましょう。