歯ブラシ選びというと、毛の硬さやヘッドのサイズに注目しがちですが、「柄（グリップ部分）」の素材にもこだわってみませんか？
近年では、環境への意識や使用感へのこだわりから、さまざまな素材の歯ブラシが登場しています。中でも代表的なのが「プラスチック」「木」「バイオ素材」の3タイプ。それぞれにメリット・デメリットがあり、ライフスタイルや価値観に合った選び方がポイントになります。
本記事では、これらの素材の特徴を比較しながら、あなたにぴったりの歯ブラシの柄素材を見つけるためのヒントをご紹介します。
1. 一般的な「プラスチック製」
：軽量・コスパ重視派におすすめ
特徴とメリット
最も多く流通しているのが、ポリプロピレンやABS樹脂などを使ったプラスチック製の柄です。量産性に優れ、軽くて持ちやすく、デザインも豊富。大手メーカー製から100円ショップの商品まで、バリエーションが広いのが魅力です。
・軽量で扱いやすい
・コストパフォーマンスが高い
・デザイン・カラーが豊富
・耐水性・耐久性に優れている
注意点
環境配慮の観点では課題もあります。プラスチックは石油由来の素材であり、使い捨てが前提の歯ブラシではマイクロプラスチックの問題が指摘されています。
2. 天然素材の「木製」
：ナチュラル派・エコ志向の方に人気
特徴とメリット
近年注目を集めているのが、竹やブナ材などの木製歯ブラシ。天然素材を使用し、廃棄後も分解されやすいため、環境負荷が低いのが最大の特徴です。無塗装の製品も多く、木目や手触りに自然のあたたかみを感じられます。
・再生可能資源（特に竹）を使用
・生分解性が高く土に還る
・プラスチックを使わない安心感
・ナチュラルな見た目と手触り
注意点
・水に弱く、カビやすい
・やや重く、握りにくい場合がある
・保管環境に注意が必要
天然素材ゆえに吸水性があるため、使用後にしっかり乾燥させる必要があります。長期間湿ったままだと、柄にカビや菌が発生する可能性も。
3. 環境と利便性を両立する
「バイオマス素材」：次世代の選択肢
特徴とメリット
「バイオプラスチック」や「バイオベース素材」と呼ばれる、植物由来成分（トウモロコシ・サトウキビ・ヒマシ油など）を含む素材を使った歯ブラシも増えています。見た目や耐久性はプラスチックに近く、環境負荷を軽減できる点が評価されています。
・再生可能な原料を使用
・燃焼時のCO₂排出が少ない
・プラスチックに近い扱いやすさ
・カラフルでおしゃれな商品も多い
注意点
・すべての製品が完全に生分解性というわけではない
・一般的なプラ製に比べてやや高価
また、バイオマス素材を一定割合しか使っていない製品もあり、「環境配慮」の程度には差があります。購入時はパッケージなどでバイオ素材の含有率や特性を確認するとよいでしょう。
4. 使用シーンや価値観に合わせて
選ぶポイント
【1】コスパ・入手のしやすさ重視なら → プラスチック製
日常使いでコスパを重視する方、歯ブラシの取り替え頻度が高い方には最適です。
【2】環境や自然素材にこだわりたいなら → 木製
ナチュラル志向やミニマリスト、ゼロウェイストな生活を志す人には、竹や木製の歯ブラシがぴったりです。
【3】環境にも使いやすさにもこだわりたいなら → バイオ素材
「環境に配慮しつつも、日常で快適に使いたい」という方には、バイオマス素材がバランスの取れた選択肢です。
5. 柄の素材と併せて注目したいこと
柄の素材はもちろん重要ですが、それと合わせてチェックしたいのが**「ヘッドのサイズ」「毛の硬さ」「替えブラシ対応の有無」**です。
とくに環境配慮を意識するなら、**柄を繰り返し使えてブラシ部分だけを交換できる製品（リフィル式）**も注目すべきポイント。
また、木製やバイオ素材の製品でも、パッケージがプラスチックで包まれているケースもあるため、購入前に全体の素材構成をチェックすると、より納得感のある選択ができます。
6. まとめ：
毎日の習慣に、あなたらしい“柄”を
歯ブラシの柄の素材は、「たかが持ち手」と思われがちですが、素材によって使い心地も環境への配慮も大きく変わります。
・手にしっくりくる感触を大切にしたい
・自然素材のぬくもりを感じたい
・環境への負荷を少しでも減らしたい
・価格やデザイン性にもこだわりたい
…そんなさまざまな想いに応える歯ブラシが、今では数多く登場しています。
日々のオーラルケアは、意識しないとすぐに“当たり前”になってしまうもの。だからこそ、「自分に合った素材を選ぶ」ことで、ちょっと心地よい毎日に近づけるのではないでしょうか。