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江戸時代から250年。変わらぬ味を守り継ぐ、三河みりん発祥のみりん蔵「九重味淋」

公開日:2025/11/27 更新日:2025/11/27
スタッフライター:ふわふわおじさん 愛知県碧南市。三河湾を望むこの地に、1772年(安永元年)創業、三河みりん発祥の醸造元「九重味淋株式会社」があります。 築300年の黒壁の大蔵。昔ながらの圧搾機。2ヶ月かけてゆっくり熟成するもろみ。 工業化と大量生産が主流になった今も、この会社は250余年前と同じ製法でみりんを造り続けています。 今回はそんな九重味淋が歩んできた歴史と、その揺るがないこだわりをご紹介します。

「三河みりん」の名を広めた九重味淋

一流の料理人や料理研究家の間で「本みりんといえば三河」と言われるほど、高い評価を受けている「三河みりん」。その発祥の地は、愛知県碧南市を中心とした三河地方です。 温暖な気候、豊かな水、良質な米――醸造に最適な条件が揃ったこの地で、みりん造りは花開きました。 安永元年(1772年)、廻船問屋を営んでいた九重味淋の創始者・石川八郎右衛門信敦は、全国から集めた情報をもとに「三河地方こそみりん醸造に最適」と確信し、この地で本みりんを造り始めました。自らの船で江戸の新川へ運ばれたそのみりんは、当時大繁盛していた鰻屋や蕎麦屋の間で絶賛され、「三河みりん」の名で親しまれるようになったといいます。

築300年の「大蔵」が守る、変わらない味

九重味淋の本みりんが熟成される場所――それが、宝永3年(1706年)に建築され、移築された「大蔵」です。 黒塗りの総下見板張りの土蔵造り。太く頑丈な木材を使った柱や梁は、3世紀にわたる時を超えて変わらぬ姿でここにあります。 なぜ建て替えないのか。それは、「九重のみりんは、この大蔵でなければ造れない」という揺るがない理由があるからです。四季の温度変化が穏やかなこの蔵の環境が、みりんにじっくりと深い味わいを育みます。蔵を新しくすれば、みりんの味も変わってしまう――その一本気なこだわりゆえに、九重味淋は修繕を重ねながら、この歴史ある蔵を大切に守り続けているのです。

時間と手間を惜しまない、伝統製法・九重櫻

九重味淋の代表的な本みりん「九重櫻」の製法は、まさに時間と手間を惜しみません。 原材料は、みりんの甘さの決め手となる良質な国内産もち米。でんぷん質をたっぷり含む品種です。米こうじは、44時間かけて湿度と温度を緻密に管理し、酵素力の強いものに育てられます。そして、厳選された香り豊かな米焼酎。伝統的な焼酎で、だしの味を引き立てる重要な役割を果たします。 仕込まれた「もろみ」は、約2ヶ月かけてゆっくりと糖化熟成。蔵人が「櫂入れ」を行い、もろみを均一に混ぜ合わせることで、深い甘みと豊かな旨みが生まれます。
圧搾には、昔ながらの「佐瀬式圧搾機」を使用します。もろみを酒袋に詰め、まずはもろみ自身の重みだけでじんわりとみりんを滲み出させ、その後2日間かけてゆっくりと静かに搾ります。 一気に圧力をかければ効率的ですが、それでは雑味が混ざる。手間を惜しまず、じっくりと搾り続けるのが九重味淋の流儀です。 搾られた本みりんは、大蔵で半年から一年、ゆっくりと寝かせます。熟成を経て、黄金色に澄んだ姿を現したとき、ようやく「九重櫻」として世に送り出されます。

全国酒類品評会で「名誉大賞」唯一の栄誉

九重味淋の『九重櫻』は、大正から昭和にかけて開かれた全国酒類品評会で、本みりんとして唯一「名誉大賞」に輝いています。 250年以上受け継がれてきた伝統の技と、厳選した原材料、そして妥協を許さない品質管理――そのすべてが評価された結果です。 創業当初から九重味淋を使い続ける江戸前の寿司屋、蕎麦屋、鰻屋といった老舗は数多く、何代にもわたってその味を愛用し続けています。 大量生産のみりんが短期間で完成する時代に、あえて時間と手間をかける。 近代的な工場への建て替えが可能でも、あえて築300年の蔵を守る。 「本物の本みりん」の味を守ること――それが、九重味淋の使命であり、誇りなのです。

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