乾く季節こそ潤い満ちる私へ ~加湿器のある暮らし~
公開日:2026/06/25 更新日:2026/06/25冬は乾燥の季節と当たり前のように認識していますが、これは気温が下がることで空気中における水分の許容量が低下し、 それに伴って水分量が下がることで起こる現象です。室内では暖房を使用し温度を上げることになりますが、 元々の水分量が同じ状態のため、より乾燥していると感じる状態を作ってしまいます。 これに対し人の体では鼻や喉の粘膜が乾燥しやすくなることで、ウィルスなどの侵入を容易にさせてしまいます。 ウィルスは低温かつ低湿度の環境下で活性化するとも言われていますので、弱っているところに強力な外敵が襲ってくるという非常に厄介な状況です。
また、乾燥はドライアイも引き起こし眼球の表面を傷つけたり、肌の乾燥からしわやくすみといったエイジングを引き起こす要因にもなりえます。
風邪やインフルエンザ予防といった健康面、お肌の乾燥などを防ぐ美容面からも加湿がもたらす効果は見逃せないものとなっています。 現に身の回りを見渡しても手洗いの徹底などと併せて、意識して加湿に気を使うようになってからあまり風邪を引かなくなったという声を よく耳にするようになりました。徐々に加湿の重要性が認知されてきてはいますが、まだまだ十分とはいえません。
普段あまり意識していない方、加湿をあまりやっていないという方は、是非この機会に少し意識をして加湿に取り組んでみましょう。 昔はストーブの上にたっぷりの水を入れたやかんを置いて加湿の代わりにしたりしましたが、現在は様々なメーカーから便利な加湿器が 発売されているので手軽に加湿ができるようになっています。
ご自身に合った加湿器で快適、美容&健康的に!
一口に加湿器と言っても様々なタイプが出ています。
それぞれに特徴やメリット、デメリットがありますので、ご自身のニーズに合った加湿器を選びましょう。
まず最初のステップでは基礎知識として加湿器の種類と仕組みを見ていきましょう。
■加湿器のタイプは大別すると基本3種類と方式を組み合わせたハイブリッド式2種類があります。
水を含ませたフィルターに、内蔵の強力なファンで風を当てて気化した水蒸気を室内へ放出する仕組み。 部屋干しの洗濯物に強い風を当てて乾かすと室内が加湿されるのと同じニュアンスです。
・電気代を抑えたい
・清潔、安全に使用したい
・広い部屋を継続的に加湿したい
・結露やカビが気になる
○メリット○
風を通し気体として放出するので、水の粒子が小さく、雑菌の放出が抑えられます。ヒーターレスでファンのみが回る構造なので消費電力がかなり少なく 抑えられます。また、ヒーターが備わっていないことから熱くならず室温に影響を与えません。より自然な加湿と言えます。
●デメリット●
他の製品に比べより自然な加湿という特性のため、加湿能力を得るために内蔵のファンの送風量が強くなる傾向にあります。そのため、モデルによっては モーター音や風切り音が気になることも。
○電気代○
比較的消費電力は少なく一般的な8畳のプレハブ洋室対応モデルで5W程度。1時間あたり0.2円ほどとなります。
◆部屋の広さやタイプ
製品によっても加湿性能は様々。同じサイズの製品でも加湿量が異なることもしばしば。加湿能力が高い製品を狭い部屋で使う、 逆に広い部屋にも関わらず加湿量の低い製品を使うなどすると、適正な湿度が得られない可能性があります。部屋の広さやタイプに応じた加湿能力を持った製品を 選ぶようにしましょう。
参考になるのが製品ごとに示された「適応床面積」。これには「木造和室」「プレハブ洋室」の2つの数値が表されており、 一般的に「木造和室」は従来の工法を使った木造の戸建て、「プレハブ洋室」は気密性の高いプレハブや鉄筋コンクリートのマンションなどを指しています。 加湿量は「mL/h」で表し、室温20℃・湿度30%と仮定した場合、1時間あたり何リットルの水蒸気を出すかを示した数値です。数値が高いほど加湿量が多く、 より広い部屋で使えます。
タンク内の水を内蔵ヒーターで加熱して蒸発させ、その湯気(水蒸気)をファンで室内に送り出して加湿する方式。 ストーブの上でやかんのお湯を沸かすのと同じ原理です。加湿能力が高い分、過加湿となり、空気中の許容水分量を超えると 窓や壁の結露につながることがあります。
・衛生的なミストで加湿したい
・強力、速やかに加湿したい
・冬場の室温アップにも使いたい
○メリット○
水を沸騰させる仕組みのため、菌が繁殖しにくく衛生的。またヒーターを使って高温の蒸気を放出するため緩やかに室温を上げる効果もあり、 冬場は穏やかな暖房効果も得られます。加熱後はパワフルで他の方式と比べ加湿能力は抜群、短時間で湿度をあげることができ、 広い空間にも対応しやすいのが特徴です。
●デメリット●
加熱する分ヒーターの稼働に電力を要します。また、ミストの噴出口が熱くなるため、誤って触ったり、転倒させたりすると事故につながりかねないため、 設置する場所は安全性を求められます。加熱するため水が沸騰するまでの所要時間があるのも留意が必要。蒸発速度が速い分石灰成分が付着しやすく、 噴出口に付いたまま放置すると加湿能力の低下につながります。
○電気代○
ヒーターによる加熱のため電気代はやや高め。一般的な8畳のプレハブ洋室対応モデルで300W程度。8円/時間ほどになります。 強力なモデルになるほど消費電力は多く、500W~1000Wといったモデルもあります。
◆豆知識
加湿器から噴出されるミストは水分を含むものなので、空気より重く、基本的に地面に向かって落ちていきます。そのため加湿器を床に置いて使用していると 部屋の低い位置だけが加湿される状態になります。そのため、出来るだけ事故が無いような状態で高い位置に置いて運転させることが望ましいです。 (噴出口が床から60cm以上が理想とされています)とはいえ置き場所がない、電源コードが届かない、安全面で不安…といったこともあるかと思います。 そういった場合は噴出パイプの付いたモデルなどがおすすめです。
また、より部屋の広い範囲に行き渡らせたい場合は、扇風機やサーキュレーターなどを組み合わせるのも効果的です。特に冬場は暖房の効果を高めるために サーキュレーターで室内の空気循環をされる方も多いと思います。この環境下で加湿器を運転させれば効果的です。注意点としては超音波式の加湿器を 使用される場合はサーキュレーターの背面に加湿器を置かないこと。これをするとミスト内に含まれる石灰成分でサーキュレーターが真っ白になります…。 離れた場所から循環させるような風を送りましょう。
本体底面などに設置された超音波ユニットでタンク内の水をミスト(霧)として噴出させる方式です。超音波の振動が水面に伝わると水面の一部分が隆起し、 微細なミストが発生します。発生したミストに内蔵されたファンから風を当て、ガイドを通って室内に拡散することで加湿を行います。 サイズ(対応畳数)も様々。シンプルな構造で開発も比較的容易のため、多数のメーカーが参入しています。
・こまめに手入れできる方。
・本体及び電気代の出費を抑えたい
・場所を選ばず使いたい。
○メリット○
超音波ユニットを使用しているため本体やミストが熱くならず、室温に影響を与えません。小さいお子様がいらっしゃるご家庭でも安心して使えます。 シンプルな設計のため価格も比較的安く、デザイン性の高いものが多いのも特徴です。アロマオイル等にも対応したモデルもあります。
●デメリット●
過熱による水蒸気ではなく超音波による水の粒子が放出されるため、手入れを怠るとタンク内で増殖した雑菌が粒子に乗って空気中に放出される恐れがあります。 除菌ユニットを搭載したモデルもあり、加湿器用の除菌液剤も市販されているので、普段のお手入れと併せてそれらで対策を。 また、水分内にある石灰成分により加湿器の近くが薄っすら白くなってしまうことがあります。こちらもカルキ除去機能が付いたモデルがあるので、 気になる方はチェックしてみてください。
○電気代○
消費電力は少なく経済的。製品によって異なりますが、平均すると20W〜25W程度。1kWh=27円換算で約0.5円/時間です。
水を含ませたフィルターにヒーターを経由したファンからの風(温風)を当てて気化させ、室内に放出させる方式です。 濡れた洗濯物をドライヤーで乾かそうとするのと同じ原理です。
・衛生的なミストで加湿したい
・強力、速やかに加湿したい
・安全に使いたい
・状況によって使い分けたい
○メリット○
菌が繁殖しにくく衛生的かつ加湿量も多い。ファンの力で広範囲に加湿できるのも特徴です。また、スチーム式と異なり噴出口は過剰に 熱くならないのもうれしいところ。
●デメリット●
ヒーターに電力が掛かることと、ファンの運転によるモーター音や風切り音が気になる場合があります。また、比較的製品の価格も高い傾向にあります。
○電気代○
ヒーターによる加熱のため電気代はやや高め。一般的な8畳のプレハブ洋室対応モデルで100~150W少々程度。4円/時間ほどになります。 モデルによっては加湿方式を単独⇔ハイブリッドと切り替えることができるモデルもあるので、状況に応じて使い分けができます。
◆適切なお手入れ方法を
・加湿器の嫌な臭い
これまで加湿器をお使いになられたことがある方なら、加湿器を運転させると洗濯物の生乾きのような臭いがしたというご経験がおありかと思います。 あの嫌な臭い…折角の加湿も台無しです。なぜ臭いが発生してしまうのか?明確な原因があります。これから初めて加湿を導入される方にも是非覚えて おいていただきたい内容です。
・臭いの原因は雑菌やカビ
湿っぽい嫌なにおいの原因は加湿器内の雑菌の増殖やカビの発生によるものです。タンク内の水を変えずに翌日また使用する、 適切なお手入れを怠る…といったことをしていると必ずと言っていいほど起こり得ます。雑菌やカビは水分や湿気を好むもの。 加湿器内はまさに彼らの絶好の繁殖場所な上、冬場は暖房などで室温が上がるため、それを助長しているようなものです。 また、超音波式の場合は他の方式と異なり水蒸気ではなく水の粒子として放出するので、手入れを怠り、タンクやトレー、フィルターに 雑菌を繁殖させてしまうと、そのままミストに載せて雑菌を空中に放出される可能性があります。そのため比較的超音波式で臭いを感じることが多いです。 ただ、きちんとお手入れをすればこういった臭いも防げます。取扱説明書などで指定された適切なお手入れを行い、使う度にタンク内の水は交換しましょう。
・除菌すればいいのでは?
菌やカビの撃退をすれば確かに臭いは収まります。ただ、まれに塩素系などの化学薬品を使用してお手入れをされる方がおられますが、 これは機器にとっても良くありませんし、まして人体にとっては有害です。絶対にやめましょう。メーカー指定の適正なお手入れをおすすめしますが、 クエン酸や重曹などを使った方法や食器用洗剤を使った方法もあります。ただし、これらは機器によっては避けた方が良いものもありますので、 可能な限りメーカー指定の方法でお手入れを行ってください。また、市販品でタンク内に少量入れる人体にほぼ影響のない除菌ウォーターなどもあります。 とはいえ、こまめなお手入れをするが一番ですが、しっかり乾燥させるというだけでも一定の効果はあります。
・水道水を使う
まれに、体に良い?という間違った解釈でミネラルウォーターや浄水器を通した水などを使用される方がいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。 むしろ雑菌が繁殖しやすく、かえって臭いの原因となり、その空気を吸い込む我々にもよくない影響を与えます。水道水には人体に限りなく影響のない 微量の塩素が含まれています。これらが雑菌の繁殖を抑制してくれます。必ず水道水を使用するようにしましょう。
タンク内の水を内蔵ヒーターで加熱し、内蔵の超音波ユニットで微細なミストを発生させ加湿する方式。 超音波単体の方式での不安材料だった雑菌に対して加熱により払拭でき、静音性も高く、加湿能力も高いモデルです。 両者の良いとこ取りではあるものの、消費電力や石灰成分の課題は残ります。消費電力もやや高め。
・衛生的なミストで加湿したい
・強力、速やかに加湿したい
・冬場の室温アップにも使いたい
・状況によって使い分けたい
○メリット○
菌が繁殖しにくく衛生的かつ加湿量も多い。またヒーターを使って高温の蒸気を放出するため緩やかに室温を上げる効果もあります。 静音性が高いのもうれしいポイントです。
●デメリット●
ヒーターに電力が掛かることと、噴出口が熱くなる点、転倒などの安全性担保が気になる所。また、両方式ともに石灰成分により白くなったり 噴出口に付着する懸念点があります。製品の価格も両方式を採用しているため高くなる傾向です。
○電気代○
ヒーターによる加熱のため電気代はやや高め。一般的な8畳のプレハブ洋室対応モデルで300W少々程度。8.5円/時間ほどになります。 モデルによっては加湿方式を単独⇔ハイブリッドと切り替えることができるモデルもあるので、状況に応じて使い分けができます。
◆使い勝手と機能
特に冬場は日常的に使うもの。タンクの水は衛生面から毎日交換しましょう。タンク内の水は雑菌が繁殖しやすいもの。加湿器から嫌なにおいがすることも。 また、超音波式などは石灰成分を含む場合があるのでカルキ質のお手入れなども必要です。そういった給水のしやすさやお手入れのしやすさなども チェックポイントの一つです。
モデルによっては上部給水方式でタンクを外さずとも給水出来たり、カルキ除去カートリッジが備わったものもあります。 選ぶ加湿方式やタンク容量等と照らし合わせながら検討しましょう。
また、製品によってはアロマオイルやアロマウォーター対応の製品もあります。単なる加湿だけではなく、香りでリラックス効果を得るのも楽しみの一つです。
また、除菌/殺菌効果が見込める製品もあります。比較的価格は高めになりますが安心して加湿できるという点では検討したい機能です。
デスクワークなどで身の回りだけを加湿するようなモデルや車載用のモデルなどもあります。また、製品によっては急速モードや非連続モード等シーンに 合った機能などを搭載したものもありますので、ご自身のニーズと照らし合わせながら検討しましょう。
◆これまでの情報を元に、ご自身のニーズに合った製品を見つけ、適切なお手入れや使用方法で快適な「うるおい環境」を取り入れ、心身ともに健やかで晴れやかな生活を送りましょう!