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正規品を選ぶ理由 ー並行輸入品との良し悪しー

公開日:2026/03/06 更新日:2026/03/06
どうも、最近AI動画かどうか、パッと見でわからなくなってきたのが悩みの店長の池田です。 今日は少し時計業界と僕の運営するお店の立場について踏み込んだ話です。 タイトルにもある通り、正規品専門店「だけ」を扱うお店ってビジネスの効率という観点で言うとかなり大変なんです。 特に当店はネット販売専門です。ネットで時計を探していると、同じモデルなのに値段が数千円や数万円、時にはもっと安く売られている「並行輸入品」を見かけます。 時計好きの方なら「並行品の方がお得じゃない?」と思うのは当然ですし、私自身、一人の時計ファンとしては並行品のメリットもよく分かっています。 では、なぜ僕はあえて、仕入れの制約も厳しく、価格競争でも不利になりがちな「正規品」という道を選び続けているのかというこだわりについて書いていきます。

「正規品」と「並行品」って何が違うの?

まず、ここを整理したいと思います。 前提としてどちらも新品であることに変わりはありません。(悪徳業者だと新古品を新品と謳っている場合はあるみたいですが、、、) お問い合わせでは、よく「並行輸入品と何が違うんですか?」と聞かれますが、時計そのものは同じブランドの本物です。 例えるなら、「正規ディーラーで買う新車」か、「海外で直接買い付けてきた新車」か、という違いに近いです。 正規品: メーカーから日本の総代理店を通し、厳しい検品を経て、私たちのような正規販売店に届くもの。 並行品: 海外の小売店などで買い付けられたものが、独自のルートで日本に入ってくるもの。 並行品は、為替の影響や独自のルートを活かして「安く提供できる」という強みがあります。この「価格」というのは消費者にとって大きな魅力です。 一方、正規品はメーカーが決めた価格を守る必要があります。

メーカーとの「約束事」がとにかく多い

まず正規品を扱うには、ブランドと正式な契約を結ぶ必要があります。これがなかなかハードルが高いんです。 先ほど述べた価格以外にも、正規品には制約がとても多いです。 「年間でこれくらいは仕入れてくださいね」というお約束(クォータ)があったり、ネット上での見せ方、ブランドのイメージを壊さないためのルールが細かく決まっています。 1つの商品ページを作るだけでも、抜けが無いか、ミスが無いか気をつけて、ルールをもとに確認する分、手間が多いです。 正直、自由に動ける並行品の方が、経営としては「身軽」です。売れ筋だけをパッと仕入れて、速く安く売って回す方が効率はいい。 でも、その「制約」こそが、時計の価値と安心をお客様に届ける裏付けになると思っています。

「価格」だけでは勝負できないもどかしさ

特にネットショップの世界は、1円でも安い方が検索の上位に来やすいシビアな場所です。 正規品を扱う私たちは、メーカーの希望小売価格こそが、その時計の本当の価値だと思っているので、極端な値下げ競争には参加しません。 お問い合わせで言うと、お客様から「あっちのお店の方が安いんだけど、何が違うの?」というメールをいただくことが多いです。 物としては同じはずなのに、正規品か並行輸入品かで価格が変わるというのは仕組みを知らないと不思議なのもうなずけます。 両者で価格が異なるのは、大きくは「保証の有無」が関係しています。 並行輸入品は、正規代理店を通さずに輸入しているため、万が一製品に不具合があった場合や故障した場合に修理を受けることが難しいです。修理業者に頼めば修理を行うことはできますが、高くついたり、正規部品を用いた修理ができない場合があります。 対して、正規品はメーカー、もしくはメーカーが認めた正規代理店を通じて輸入されているため、製品に何があっても定められた期間は保証がしっかりと適用されるため、安心して使用することが約束されています。 他業界でいうと、日々進化する電化製品は正規品or並行輸入品という区別がほとんどないため、保証サービスをオプションとして追加料金で販売していたりしますが、腕時計では売値がそのまま保証代金になっているという感じですね。 では販売する目線になった時に、何が大変なのかというと、これらの説明を商品ページで伝えることなんですね。 お問い合わせいただいたお客様には、価格に納得してご購入いただくことも多いですが、そうでないお客様はほとんど安さで並行輸入品を選ばれる、というのがすごく難しいです。(少しでも違いを理解してご購入いただければと思い、記事を書きました(笑))

それでも正規品にこだわるたった一つの理由

いろいろと、大変だなんだと悩んではいますが、それでも正規品専門店を続ける理由は、「お客様に安心して、末永く時計を愛用いただきたいから」に尽きます。 時計というのは高価であればあるほど「買って終わり、壊れたら捨てる」というものではありません。 機械式腕時計は数年ごとにオーバーホール(分解点検)が必要だったり、以前にお話しした磁気帯びによる修理など、手間がかかるものです。 その時、正規品であれば、メーカーの「正規カスタマーサービス」を最高の条件で受けることができます。ブランドによっては、正規品のオーナーだけが受けられる特別な優待や、修理費用の割引があったりもします。 要は、正規品には「戸籍」があるんです。 並行品の場合、販売店があれば、数年間は修理等対応できますが、万が一その販売店がなくなってしまったら、修理の相談先に困る「修理難民」になってしまうリスクがゼロではありません。 顔が見えないネットショップだからこそ、仮に僕ががいなくなった後も、メーカーが時計を診てくれる。 その「お墨付き」をセットにしてお届けするのが、お客様に安心して長く愛用いただける正規品にこだわる理由です。

納得して選ぶことが、一番いいと思う

なんだかんだとカッコつけたお話になりましたが、並行輸入品には ・安く買える・正規品では手に入りづらいものが買える・国内に無いモデルが買える などなど、並行輸入品にしかないメリットがたくさんあります。 並行品を選んで、浮いたお金で次の時計を狙ったり、レアな腕時計を手に入れたり、何本も時計を持っている人ほど、並行輸入品の選び方が上手だなと感じます。 そういった選び方には賛成しますし、僕も高級時計を買うなら並行輸入品で満足してしまうかもしれません(笑) でも、もし「この1本とは、人生の長い時間を共にしたい」と思っていたり、「大切な方への贈り物」として購入する場合は、値段ではない「安心」という正規品の選択肢を思い出してもらえたら嬉しいな。と思います。 あと、裏話ですが、当店は並行輸入品を扱っているお店よりも売れる件数が圧倒的に少ないため、一人一人のお客様、一つ一つの腕時計を大切にする気持ちはどこにも負けません。 今日はちょっとナイーブな話になりましたが、当店を利用するしないに関わらず、腕時計の購入を検討しているお客様の助けになれば嬉しいなと思います。 ではまた