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産後にみられる胃の不調...どうしたらいい? 

公開日:2025/10/16 更新日:2025/10/18

どうしたらいい?産後に見られる胃の不調

産後、激しい胃痛に悩まされると、何か悪い病気ではないかと心配になります。報告は少ないのですが、胃腸の問題で1割近くの人が悩んでいらっしゃるようです。胃痛は産後に限らず日常的に見られる症状です。主な原因は、食べすぎや飲みすぎなど胃に負担がかかったとき、何らかの大きなストレスがかかったときなどです。 産後や授乳中でなければ、 ①胃に負担が少ない食事をとる ②規則正しい生活を送る、 ③十分な睡眠や休息をと、気分転換をするなどして、日常生活の改善に取り組む ④市販の薬を飲んだり、病院を受診したりする選択肢もあります。 しかし産後は、子どものことで忙しかったり、薬が赤ちゃんに影響したりしないかと心配で、大部分の人は自分のケアは後回しにします。そうしているうちに症状が悪化することがあり注意が必要です。ここでは、ストレスと胃痛、不眠と胃痛、うつと胃痛、産後や授乳期に見られる胃の病気、セルフケア、受診と授乳中の薬、について解説します。

ストレスと胃痛

消化器系の活動には、自律神経が大きな役割を果たしています。例えば、副交感神経は胃の蠕動運動、胃酸や消化液の分泌を促し、食べ物の消化や吸収を助けます。逆に疲労やストレス・緊張などで交感神経が優位になると、胃腸の動きが抑制され、長引くと様々な問題(胃酸過多、胃炎、胃・十二指腸潰瘍など)を生じます。 産後や授乳中の女性に見られる胃痛にもストレスが関係しています。はじめての育児に対する不安やプレッシャー、上のお子さんの退行現象などで、知らず知らずのうちにストレスを抱えこみ、赤ちゃんを守ろうとの思いが、交感神経優位の状態を招き胃痛を起こしやすくなっていると考えられます。

不眠と胃痛

睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、胃液の分泌や動きに影響し、胃の症状が出現します。また、胃痛のために眠れないこともあるでしょう。産後は夜間の授乳や夜泣きで睡眠負債(日中の眠気、集中力の低下、免疫力の低下、ストレスの増加など)に陥ると、交感神経が優位になり、胃の不調を起こしやすくなります。赤ちゃんとの昼寝も含め、1日の睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質を高める必要があります。

うつ病と胃痛

うつ病の症状の一つに胃痛が見られます。産後1年間は、10人に1人に産後うつ病が見られ注意が必要です。胃の不快感、吐き気、胃痛などの症状が見られても単なる胃の不調だと放置していると、実は産後うつ病のサインかもしれません。一人で悩まず、家族や周囲の人に相談してみましょう。赤ちゃんのことも大切ですが、ママの健康があってこそ、赤ちゃんも幸せになります。赤ちゃんも自分のことも大切にしましょう。

産後や授乳期に見られる胃の病気

産後や授乳期に見られる胃の病気として、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア(胃もたれ、早期満腹感、みぞおちの痛みをはじめとする症状が自覚されている一方で、内視鏡で観察しても粘膜に異常が認められない病気)などがあります。症状が続く場合は、一人で悩むよりもかかりつけ医を受診し、軽いうちに改善しましょう。また産後1年間は特定健診の対象から除外され、育児休業中は定期健康診断の受診義務もありません。そのため、不調を感じたときにすぐに相談できる「かかりつけ医」を持つことは大事です。

セルフケア

育児で余裕がないとは思いますが、日常生活習慣が胃の不調を悪化させている可能性があります。次のことに注意をしましょう。 ・胃にかかる負担を減らす:育児に忙しく、食事をゆっくりとるどころか、早食いになったり、不規則になったりしているかもしれません。消化に良いものを少量ずつ、ゆっくり食べましょう。 ・休息や十分な睡眠:家族や周囲の方の協力を得て、生活を見直し、休息や睡眠時間を確保しましょう。 ・姿勢に気を付ける:育児では、前かがみの姿勢をよくとります。前かがみの姿勢は胃を圧迫し、胃酸の逆流を招くことがあります。育児中の姿勢に気を付け、食後はすぐに横にならず上半身をたかくしたり、左を下にしたりして寝る(胃の構造上、左を下にして寝ると胃酸の食道への逆流を防ぐ)習慣をつけましょう。

受診と授乳中の薬

授乳中は、自分が飲む薬が赤ちゃんに影響しないかと過度に恐れ、受診や内服を控える方がいらっしゃいます。赤ちゃんに影響するお薬もあり注意が必要ですが、実際には内服できるお薬もたくさんあります。お薬を飲まないことで病状が悪化し、赤ちゃんのお世話ができなくなることもあります。早めに受診し、軽いうちに治しましょう。 「授乳中安全に使用できると考えられる薬剤」については、病院や薬局でも教えていただけますが、国立成育医療センター「授乳中の薬の使用について」に公開されています。 ここでは、国立医療センターのサイトから、胃痛に関連するお薬をいくつか抜粋してみました。添付文書には、授乳婦の使用には注意が必要との記載がありますが、これまでの国内外の研究情報をもとに評価を行い、授乳期でも安全に使用できると考えられた薬が紹介されています。それでも母乳に薬が移行することが気になるときは、授乳後にお薬を飲むことで赤ちゃんへの影響を減らすことができます。胃の不調を感じたら、医師や薬剤師に相談してみましょう。

まとめ

産後間もなくから24時間待ったなしの育児で、疲労蓄積、睡眠不足、ストレスなどが重なり、胃痛などを起こしやすくなっています。しかし多くの母親は、自分のことは後回しで、妊娠中に身についた良い生活習慣も乱れ、症状を悪化させていることがあります。そのうえ、検診・健診を受ける機会も少なく、重大な病気を見逃すことがあるかもしれません。 過度に心配せずに、早めに産科医や内科医に相談し、胃の不調を早期に改善しましょう。快適な育児生活を送るためには、ママの健康はとても大切です。
更新日:10/10(10/03〜10/09集計)