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伊賀焼 陶芸家:新学さんの仕事

公開日:2024/11/13 更新日:2024/12/21

伊賀焼 作家 : 新学(あたらしまなぶ)

- 四〇〇年以上の歴史を持つ 伊賀焼とは

三重県、伊賀の里で焼かれるやきもの「伊賀焼」。日本陶磁の中でも最高峰の1つと称えられる伊賀焼。しかし、現在では、伊賀焼を受け継ぐ窯元は極端に少なく約50窯ほどになっています。 減衰した要因は江戸時代初期に伊賀陶土の乱掘を防ぐ制度によってなど、歴史的背景からいくつか考えられるのですが、再興した現在でも窯元が少ないのには「伊賀焼」ならではの、特徴が関係していると思います。

伊賀焼の歴史

ー 日本陶磁の最高峰。 安土桃山時代には、「やきもの」と「城」を交換するほどまでの器ブームが到来、そんな中に伊賀焼は、古田織部の影響もあり、他の器にはない、大胆で豪快、ヒビや歪みまでも取り入れた創造性豊かな芸術作品へと変化し侘びさびを次の世界へと誘う。 ー 歴史に消えた伊賀焼、そして復興。 天下の茶道具とまで茶人(現代で言うクリエイティブディレクター)から絶賛された伊賀焼でしたが、江戸時代に入り陶土を採取することを禁じられることによって、多くの陶工が伊賀を去っていくことになります。しかし、江戸中期に入り、領主が製陶を保護奨励したことにより伊賀焼の復興がなされていった。しかし、それまでの茶陶(芸術作品)ではなく、釉薬をかけた土鍋や土瓶など日常の器作りが行われていきました。

伊賀焼の特徴

現在の伊賀焼にも2つの顔があります。原始的な穴窯や登り窯で焼かれ安土桃山時代に見られる「古伊賀」のように芸術的作品として制作される器。もう1つは、江戸中期から制作された日常使いに特化した「再興伊賀」の流れを含む器です。
ー 偶然性をも求める「破調の美」。 穴窯は、作品を置く場所と薪を放り込む燃焼室が同じことによって作品に薪が燃えた灰が被り、「ビードロ釉」と呼ばれる美しい緑が器に表現される。また、1250~1300度で焼かれる器は、窯の中のどの位置に置くかによって、熱の伝わり方、灰のかぶり方、釉薬の熔け方がかわり、全く違う景色の作品になります。
灰が溶け、溜まる部分に作品が触れることによって炭化し、「焦げ」と呼ばれる存在感のある黒い窯変が表れる。また、窯の中で暴れる炎を操ることによって、「緋色」とよばれる赤褐色の風合いも伊賀焼の魅力の1つです。
こうした穴窯の作品は、炎の流れを予測し、窯の持つ癖、薪の知識、作品の造形などのバランスなどあらゆる技術と長年の感が必要となってきます。また季節の気候変化などにも左右され偶然性も考慮する穴窯作品は、茶盌や花器など一点もの作品として制作されることが多いです。

日常のうつわにも伊賀の技。

ー 伊賀の土が持つ高い耐火度と作家の技 現代では、穴窯以外にも電気窯やガス窯を使った伊賀焼も制作されています。穴窯作品は、世界に一点しか出せない風合いを制作するのに対して、電気窯などは、安定した作品を制作するのに向いています。これにより伊賀の良質で耐火度の高い土と釉薬を使い、土鍋やご飯茶碗、コーヒーカップなどの日常の器を供給できるようになっています。

陶芸家:新学さんの仕事

ー 伝統とモダンをすべての作品で味わえる 伊賀焼の最大の特徴は、四〇〇年前の古伊賀から受け継がれる他の地域では見られないアヴァンギャルドで、独創的なやきものです。それは陶工たちの技が大きく関係しています。1982年(昭和57年)に国の伝統的工芸品に指定された伊賀焼。現在は13名の伝統工芸士が認定されています。新学さんもその一人。穴窯で制作される豪快で美しい作品から、毎日使うご飯茶碗まで、どの作品にも新学さんの個性を感じられる作品に仕上げられています。ぜひ、新さんにしか出せない歪みや揺らぎ、ソリッドに削られた造形などを体験してみてください。
更新日06/14(06/07〜06/13集計)