ネットショップを始めたきっかけについて教えてください
オリジナル商品の効果を知ってもらい、より多くの方に喜びを
浅川さん 「もともとはクリーニング店で10年以上にわたってしみ抜きを担当しており、インクや赤錆、料理の油などの多様なしみを、それぞれに適したしみ抜き剤で落としていました。クリーニング師の資格も持っています。
しみ抜きは結構難しい作業で、クリーニング店によっては『いろいろ試したのですが、落ちませんでした』と、しみが残ったままの服をお客様に返すところもあります。私はそれを悔しいと思うタイプ。各種しみ抜き剤を自分なりに調合し、お客様に喜んでもらえるよう頑張っていました。その結果、『お宅はしみがよく落ちるね』と評判を取るまでになりました。
それである日、思ったのです。自分で調合したしみ抜き剤を市販すれば、お客様が家庭で手軽にしみ抜きをし、喜んでもらえるのではないか、と。そこで、オリジナル商品のしみ抜き剤『スポッとる!』を開発し、販売することにしました。
ただ、『スポッとる!』以外に取り扱う商品の予定はなかったので、実店舗を出すほどではありません。かといって自前の販売経路を確保しているわけでもない。そこでひらめいたのがネットショップでした。まずは自社サイトを立ち上げ、『スポッとる!』の直売を始めました。」
その後、楽天に出店したのはなぜですか
浅川さん 自社サイトを立ち上げたのは2009年ごろで、月商は最高で10万円程度でした。最初は『10万円も売れた』と喜んでいたのですが、売上をもっと伸ばしたくなり、知人が働いている別のモールに出店。そちらでの最高月商は20万円程度まで伸びたため、『倍になった』とうれしくなりました。
それが、その知人から『どうして楽天に出店しないの? 集客力がすごいのに』と言われたのです。ネットショップについて詳しい人がそう言うのだからと素直に受け止めた私は、楽天から出店資料を取り寄せ、すぐに出店することにしました。」
楽天に出店してみた感想は?
「月商300万円を目指しましょう」と言われ、びっくり
浅川さん 「確かに楽天の集客力はすごいと思いました。それ以上に驚かされたのは、出店後すぐにECコンサルタントからコンサルティングを受けたときのこと。いきなり『月商300万円を目指しましょう』と言われたのです。そのためには費用をかけて広告を出すことも必要だというアドバイスを受けました。
『無理です』『効果が期待できます。頑張りましょう』というようなやりとりが続いたものの、広告を出すような余裕はまったくなかったため、その提案は受けませんでした。
今にして思えば、ECコンサルタントはいろいろ調査してくれたはずなので、的確なアドバイスだったと思います。現在の私なら『売上アップには広告が不可欠。上手に活用しよう』と思うはずです。しかし、当時の私にはその判断が下せず、石橋をたたきすぎてしまって、結局、橋を渡れませんでした。
その後はネットショップならではの売上アップの仕組みも理解でき、広告を少しずつ打つようになりました。」
これまでに売上が大きくアップしたことがあると思います。そのきっかけはどんなことですか
思い切って出稿した広告が劇的な効果を
浅川さん 「ECコンサルタントからある広告を勧められたことです。それは配信対象が楽天の優良顧客に限定された特別なメルマガ広告でした。『1回しか配信されない広告に費用をかけるなんて』と思いましたが、当時の担当ECコンサルタントとは信頼関係ができていたので、思い切って出稿してみることに。
たった1回の配信にもかかわらず、その効果は劇的でした。1個500円の『スポッとる!』が、何と1日で1,400個も売れ、売上が70万円に達したのです。あらためて楽天の集客力はすごいと思いました。そのECコンサルタントは『僕は絶対に売れると思っていた』そうですが(笑)。
ECコンサルタントと一緒に考え、価格設定がうまくいったこともあります。それは、1,000円以上の商品を購入した店舗数によってポイントがつく『買いまわりキャンペーン』の際、お試し用として500円の商品を2個セットにし、1,000円で販売する代わりに送料無料としたことです。1,000円ぽっきりという買いやすさと送料無料というおトクさがダブルで利き、売上アップにつながりました」
「スポッとる!」という単一商材でお店を運営していますが、出店する際、その点について不安のようなものはありませんでしたか
浅川さん 「『スポッとる!』というオリジナル商品に絶対の自信があったので、心配や不安はありませんでした。むしろ、『スポッとる!』という良い商品をお客様にキチンと届けたいという信念がブレないようにしようと思っています。そのためにはいろいろな商材を扱っては駄目。気持ちが拡散してしまいますから。今後も商材を広げる予定はありません。」
失敗したこと、そこから得たことはありますか
浅川さん 「大きな失敗で覚えているのは液漏れがあったこと。多くのクレームが舞い込み、クレームをいただいたお客様にお届けした商品はすべて回収しました。1日に5,000個売れたときのことで、忙しさのあまり品質管理が徹底されていなかったのです。それ以来、容器についてはどんなに忙しいときでも神経質なほど1つ1つチェックしています。ネットショップに限りませんが、商品をお客様に直接販売するということは、何かあったときに責任を持って1人ずつしっかりフォローしなければならないということです。商売の基本をあらためて確認させられた出来事でした。」
お店のセールスポイントは?
商品ページを常にブラッシュアップ
浅川さん 「ネットショップの商品ページは、リアル店舗の店頭と同じです。お客様をお迎えする大切な場ですから、商品ページは常にブラッシュアップしています。リアル店舗であれば、店内を清潔にしておく、商品を買いやすいレイアウトにする、などと考えるはずです。ネットショップもやるべきことはそれと同じ。見やすく、買いやすく、何度でも訪れたくなる商品ページを作るよう心がけています。
商品ページを作るに当たっては楽天のいろいろなお店を研究し、いいと思ったお店のページを参考にすることから始めました。最初は何かを参考にしても、いずれオリジナルになればいいと思います。
売上アップを実現したページという観点から、楽天に出店しているお店の店長さんが一堂に会する楽天EXPO(エキスポ)で当社が取り上げられたことがあります。楽天スーパーSALEのとき、スマホ向けのページに『スポッとる!』の使い方を解説した動画を入れてみたのです。自分で制作した動画なので立派なものではないのですが、瞬間的に転換率が33%を記録しました。当店を訪れた方の3人に1人が『スポッとる!』を購入したわけです。商品ページのブラッシュアップが非常に効果的だったことになります。」
出店をご検討中の方へ
楽天の仕組みを最大限活用すれば商品に対する思いは必ずかなう
浅川さん 出店をご検討中の方なら誰でも、商品に対して強い思いを持っていることでしょう。楽天のさまざまな仕組みを最大限に活用すれば、その思いは必ずかない、お店も成長するはずです。ECコンサルタントと二人三脚でやっていけば、きっとうまくいきます。一緒に頑張りましょう。」
RUxのコンテンツに対し、再取材を行い作成しています。
写真はRUxに掲載されいている動画より抜粋しています。