楽天に出店したきっかけを教えてください
将来も生き残るためにスケールメリットのある楽天に出店
岡本さん 「大学を卒業後、大手電機メーカーに就職し、10年ほど勤務してから父が創業した家電販売店に入りました。それから間もなくです、関西の大手家電量販店がネットショップに乗り出すというニュースを耳にしたのは。となると、いずれは関東の大手もネットショップを始めるに違いない。このままでは将来、生き残れないかもしれない。そんな焦りのようなものを感じたのがネットショップを始めることになった直接のきっかけです。
また、一足先にネットショップを始めていた同業者に商品を卸すことも当社の業務の1つにしており、それらのお店が結構な額の売上を挙げていることも知っていました。そこで、「ネットショップを始めるなら今だ」と思い、出店したのです。
楽天を選んだのは日本最大級のインタネットショッピングモールというスケールメリットに魅力を感じたため。そこに迷いはありませんでした。」
出店後は順調だったようですね。
岡本さん 「われながら読みは当たりました。出店した翌年には早くも月商1億円超えを達成したからです。正直、これほど売れるのかと思いました。
もちろん、ECコンサルタントが効果的な販売方法をアドバイスしてくれるなど、楽天がきめ細かくサポートしてくれたことも助かりました。また、楽天にはいろいろなジャンルの店舗がたくさん集まっているので、人気店のページ作りなどを研究しやすい。これは店舗運営に大いに役立ちました。」
順調な店舗運営を支えた要因は?
ターゲットに合わせたページ作り商品探しのストレスを軽減する工夫も
岡本さん 「ページ作りを工夫したことでしょうか。販売ターゲットを明確にし、そのお客様に受け入れてもらえそうなページ作りを心がけました。当社は30~40代の主婦層を主なターゲットにしており、そうした方々はどんなページを好みそうか、多角的に分析。その結果、スッキリ、シンプルでありながら、必要な情報がキチンと伝わる画面構成が良さそうだということになりました。たとえば、トップページの上のほうに「注目の売れ筋商品」などのリンクを張ったり、「家事家電売り場」「キッチン家電売り場」などのボタンと商品名、画像を整然と並べたりしたのです。
家電のような型番商品の店舗を訪れる方は、冷蔵庫なら冷蔵庫と決めて来店する傾向にあります。そのため、欲しい商品がすぐに見つからないと、ストレスを感じて他店舗に流れてしまう。だからこそ、見た目にごちゃごちゃさせないよう心がけています。また、たとえば空気清浄機のページなら、同じページ内でフィルターなどの消耗品も紹介。買い物の利便性を高めつつ、まとめ買いも促進しています。こうした一工夫も売上アップにつながっているとみています。」
店舗運営で失敗したことはありませんか
商品価格を1桁安く表示する失敗も電話で謝罪し、キャンセルをお願いする
岡本さん 「大きな失敗といえるのは液晶テレビの価格を1桁安く表示してしまったことくらいですね(笑)。そのミスに気づいたのは50、60台ほど受注してから。販売の承認ボタンを押す前だったので、お客様お一人お一人に正直に「価格更新をミスしてしまいました。キャンセルさせてください」と電話で謝罪しました。
このときほどネットショップの怖さを痛感させられたことはありません。こうしたミスを体験したことで大切になるのは、2度と同じ失敗を繰り返さないこと。そこで、価格の桁を間違えないように、価格が原価割れを起こさないような独自の管理体制を築きました。」
今後の目標は?
価格の安さだけに走らず型番商品を拡充して利便性をアップ
岡本さん 「私が楽天に出店する前に予測したとおり、今やすっかり大手家電量販店もネットショップを運営する時代になりました。価格だけではそうした大手に太刀打ちできない部分もありますから、もう安さだけに走る必要はなくなったと考えています。
では、『家電のSAKURA』を今後どう運営すればよいか。お客様に「『家電のSAKURA』を訪ねてよかった」と思ってもらえるお店にしたいですね。その1つの方策として家電以外の型番商品の拡充を図っています。時計を手始めに、ゴルフ用品や収納家具、日用品などを取扱うようにしました。今後はお酒を販売したり、ゴルフ用品のコーナーをゴルフ館として一層大きくしたりすることも考えています。お客様に「型番商品は『家電のSAKURA』で何でも買える」という便利なイメージを植え付けたいのです。そうすれば、売上は自然に伸びていくと思っています。」
出店をご検討中の方へ
ウェブの知識はゼロからスタート
岡本さん 「出店しようという気持ちが少しでもあるなら、とにかく出店することをお勧めします。ネットショップはまだまだ成長すると予測されています。それだけに、何らかの点で特色のあるお店を作れば、絶対にチャンスをつかめると思うからです。
ところで、「出店したいけれど、店舗ページを作る自信がない」というような相談を受けることがあります。そんなときはこう答えています。「私はウェブのことをまったく知らなかったし、パソコンはどちらかといえばいまだに苦手。そんな私でも楽天のサポートによって、店舗を運営してこられました。実際にやってみればわかりますが、店舗ページは意外なほど簡単に作れますよ」と。」
RUxのコンテンツに対し、再取材を行い作成しています。
写真はRUxに掲載されいている動画より抜粋しています。